「歯並びは自力で治せる」と聞いたことがある方もいるかもしれません。歯は押すことで少しずつ動くといわれています。しかし、指で押すだけで理想の歯並びを手に入れることができるのでしょうか。

今回は、歯並びが自力で治せるかについてお答えするとともに、自力で歯並びを治すデメリットと歯並びが悪くなる原因についてお伝えします。

歯並びは指で押すと自力で治せる？

結論からいうと、指で押して歯並びを治すのは難しいです。歯は、弱い力で圧を加え続けると移動するといわれています。しかし、自分が思うような位置に動かすのは難しいでしょう。

また自力で歯を押すと、今以上に歯並びが悪くなってしまう恐れもあります。そのため、歯並びを指で押して治すのはおすすめできません。

歯並びを自力で治すことのデメリット

歯を押すことで、歯並びを自力で治そうとするデメリットについてみていきましょう。

きれいな歯並びにすることはできない

前述した通り、歯を押して移動させることはできるかもしれません。しかし、自力できれいな歯並びにすることは難しく、反対に歯並びが悪くなることもあります。

そもそも歯科矯正は、専門の歯科医師が歯やあごなどの状態をしっかりと検査したうえで、矯正方法を決めます。歯を動かす順番やどれくらい動かすかといった判断が必要なのです。

こういった専門的な検査や判断をすることなく、自己流で歯を押して動かそうとすると、歯が間違った方向に動いてしまう恐れがあります。歯のバランスや噛み合わせが悪くなることもあるのです。

▷歯科矯正については次の記事をご覧ください。
関連記事：矯正歯科を選ぶ時に知っておきたい4つのポイントとセカンドオピニオン

歯にダメージを与える

歯科矯正では、歯やあごの骨などにかかる負荷を考えながら、注意深く矯正していきます。そういったことを考慮せずに歯を押してしまうと、歯や歯槽骨にダメージを与える恐れがあります。

最悪の場合、歯が抜けてしまうこともあるでしょう。歯を押していくうちに歯がぐらつくようになり、ちょっとした衝撃で抜けてしまうといったケースも考えられます。歯並びが気になるのであれば、押して治そうとせず、歯科医に相談するようにしましょう。

歯並びが悪くなる原因

歯並びに影響するような癖があると、年齢を問わず歯並びが悪くなることがあります。ここでは、歯並びが悪くなる癖についてみていきましょう。

舌で前歯を押す

舌で前歯を押したりなぞったりするような癖があると、歯と歯の間に隙間ができることがあります。指しゃぶりや爪噛みも前歯に影響しやすい行動であるため、なるべく早く治すと良いでしょう。

また元々舌の位置が低い場合、下の前歯を押しやすくなるようです。下の前歯を舌で押し続けてしまうと、下顎前突とよばれる状態になりやすい傾向があります。

頬杖をつく

無意識に頬杖をつく癖があると、歯を押してしまうだけでなく、あごの関節にも影響を与えます。大人の頭の重さは約５ｋｇ、子どもの頭の重さは身長や体重、年齢などにもよりますが約３ｋｇといわれています。頬杖を付くと、それだけの重さが歯やあごなどにかかってしまうということです。

たとえば幼少期に左手で頬杖をつく癖があると、顔の左側を押してしまうため、あごが右側にゆがみやすくなるでしょう。加えて、成長期の頬杖はあごの成長を抑えてしまうため、出っ歯になりやすいといわれています。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりによって少しずつ歯が削れてしまったり、上の前歯が外側に倒れてしまったりすることがあります。歯ぎしりをするのは、ほとんどの場合が就寝中です。そのため、無意識に行っていることが多く、自分で歯ぎしりを止めるのは難しいでしょう。

また、食いしばりの癖についても、無意識に行っているケースが少なくありません。無意識に歯ぎしりや食いしばりをしている場合は、歯科クリニックで相談するのがおすすめです。マウスピースを作るなど対策をアドバイスしてもらえます。

歯の欠損の放置

歯科治療は治療期間が長くなりやすく、受診頻度も多くなりやすいです。そのため、途中で歯周病や虫歯の治療を止めてしまう人もいるかもしれません。また、歯周病や虫歯は症状としてあらわれるまで時間がかかるため、気が付かないうちに患っていることもあるでしょう。

歯周病や虫歯は、歯を失う原因のひとつです。歯を失うと、残っている歯があいた隙間に移動することもあるため、歯並びが悪くなることがあります。

▷歯並びに影響する癖については次の記事をご覧ください。
関連記事：気になる歯並び、そのクセが原因かも？歯に影響を及ぼすクセとは？

歯並びをきれいにしたいなら

歯科クリニックでは、歯や歯並び、骨格、口腔内の状況に合わせて丁寧に矯正を行います。自力で歯並びを整えることは難しいものです。歯並びをきれいにしたいのであれば、歯科クリニックで矯正の相談をしましょう。

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筆者：seeker編集部