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インタビュー>予防歯科

2019/10/01

【歯科医師インタビュー】歯科医院の枠組みにとらわれない次世代クリニックの理事長に聞く歯科医院の選び方

今回は、歯科治療の枠組みにとらわれることなく、患者さんの本質的な健康を追求する、新しい形の歯科医院にインタビュー。歯科医院といえば「削る・埋める・抜く」と思っている方は必見です。


どのような歯科医院ですか?

ーーーまずはどのような歯科医院を作られたか、教えてください。

私の医院は埼玉県熊谷市と港区南青山の2軒ありますが、そのどちらも歯科医院の中に、内科・カフェ・メディカルフィットネスという施設を併設しています。これは健康には欠かせない【食事+咀嚼+消化吸収+歩行】という4つの要素を整えることが必要だと考え、このような形の歯科医院が生まれました。




歯科医療において大事だと思うこと、大切にしていること

ーーー歯科医療において大事だと思うこと、またご自身も大切にしていらっしゃることを教えていただけますか?


以前私が勤め、長年理事をやっていた自費専門の歯科医院では、歯にトラブルが起きた原因は何なのか?という事を、お口の中の問題だけでなく、全身まで視野を広げて総合的に診断をしていました。その当時から、歯科という枠で考えるのではなく、本当に患者さんの健康を取り戻すために必要な事は何か?を見つけ、整えていくという事が大切だという考えになっていました。

例えば、歯周病は感染症の一種ですが、いくらお口の中の原因を除去して治ったと言ったとしても、身体が整っていない状態でそれがどれだけ維持できるのかを考えます。歯周病を免疫と細菌の戦いだと考えれば、きちんと免疫力を高める必要があり、そのためには身体を良い状態に整えておかないと、また細菌にやられてしまうわけです。私の考える「根本」とはそういった部分で、身体全体の状態を整えてるところまでやりきって、初めて「根本的な治療」と言えるのではないかと考えています。



野上先生のこだわり

ーーー野上先生のこだわりは、どのようなことですか?また具体的には?


私の人生のテーマは「本質の追求」です。その患者さんにとっての本質(何が大切なのか)を突き止め、そのゴールまで導く事が大切だと考えています。例えば、既にお口にトラブルが起きている患者さんであれば、ただ削って埋めるのではなく、先ほどお話ししたような根本の原因から治す必要があります。

予防がちゃんと出来ている患者さんであればその状態をどれだけ維持できるか、病気にならないようにするためには何が必要なのかをきちっと情報にして伝える立場だと思っています。もちろん、歯科医院は自分一人で成り立つものではありません。専門性を持った歯科医師・衛生士やスタッフによってそれぞれ学んできたことがあるので、“チーム”として患者さんにあたり、本質にたどり着くためのコーディネートも自分の大切な役割だと考えています。


 

歯科選びのポイント

ーーー歯科選びでおさえておくと良いポイントはありますか?


1つ目

歯科医師が治療によって使い分けながら顕微鏡(マイクロスコープ)・拡大鏡・ライトを使用している事。これは一般的になってきたかと思いますが、それに加えて衛生士も拡大鏡とライトを使っているというは必須だと思います。

衛生士さんの中には、見えなくても手の感覚で分かるというベテランの衛生士さんもいるかもしれませんが、見えるに越したことはないです。歯科医院としても、個人の技量や感覚に依存せず一定以上の良い治療を提供しようとしているか否かが分かりやすい歯科医院選びのポイントにはなるのではないでしょうか。



2つ目

お口全体を見てくれる歯科医師かどうか、という点です。>お口の中全体を見て、そのトラブルがある歯に対しての治療方針・計画の提案が出てくるかどうか。そして、その治療の提案(選択肢)をいくつも提示できるか?というところが、良い歯医者さんかを見分けるポイントだと思います。



3つ目

当たり前のことですが、きちんと話を聞いてくれているか、という点です。歯科医師と患者さんという前に、人間同士として、きちんと双方向でコミュニケーションを取っているかは大切です。また、患者さんが疑問に思ったことを質問した時に的確に、分かりやすく答えてくれるか、も見分けやすいポイントかなと思います。

これらは実際にカウンセリングなどを受けてみないと分からない所でもあります。当院は、そういった所をきちんと見てもらいたいので、カウンセリングだけ、セカンドオピニオンだけという患者さんに来てもらう事も大歓迎です。そういった治療を求める患者さんは予約の際に、まずはカウンセリングのみでも可能かどうかを聞いてみるのも良いと思います。または、治療方針や計画に心から納得できないときは、「他の治療の選択肢はありますか?」と聞いたり、「セカンドオピニオンとっても良いですか?」と聞く事自体は何の問題もないと思います。

そういった質問や要望を受け入れてくれるくらいの器のある歯科医院は、治療内容に自信を持っているのではないでしょうか。そして、そもそもそういった事を言い出しやすいコミュニケーションが取れる、信頼関係が作れる歯医者さんに通うのが良いと私は思います。



ホームケアでやっておいた方がいいこと

ーーーホームケアでやっておいた方がいいことはありますか?


歯ブラシ・歯間ブラシ・フロス・舌ブラシの4つはやってほしいですが、実は歯を失う原因というのが、虫歯・歯周病に加えて、噛む力が原因になるケースも多いです。いきなり割れてしまう方もいれば、マイクロクラックといって小さなヒビが入りそこから歯の中に菌が入って虫歯になるといったようなケースです。そのため、筋力(噛む力)のコントロールとして、咬筋のマッサージとか理学療法的な口腔ケアというのも取り入れてもらえると、歯を失うリスクを低減していけると思います。




今後、歯の治療について

ーーー今後、歯の治療はどうなっていくと予想しますか?


今後、若い方たちの虫歯が減っていく流れはもう見えています。虫歯が減った時に、どういう役割を歯科医院は担うべきか?ということを考えると、今以上に虫歯・歯周病を作らないということも必要なのですが、「健康な人が定期的に通う医療機関」として、食事のとり方・体の動かし方・ケアの仕方をちゃんと伝えていく事で、歯医者の役割は口だけではなく、人間の全身・全部を守る起点になる必要があると考えています。

患者さんの本質的な健康にフォーカスすると、【食事+咀嚼+消化吸収+歩行】を管理していく事が必要ですが、定期的に歯科医院への通院する事で「良い食事」を「口腔内に問題がない状態」で咀嚼・消化吸収が正しく行え、「筋力をちゃんと維持」できる。 そうして患者さんの健康に必要な4つの要素を整えていく、そういう役割を歯科医院がしなくてはいけないな、ということを使命として感じています。



(取材日:2019年9月2日)
■取材した方
医療法人栄宏会 理事長
歯科医師 野上宏明 先生

昭和8年にご祖父様が文京区白山で開業され、戦争をきっかけに埼玉県熊谷市に移転してから3代続く歯科医師の家系で育ち、すでに4歳のころの作文では夢、歯科医師。
口腔外科を得意としながらも、医院継承前に勤務医として長年理事をやっていた自費専門の歯科医院で総合診断を学び、現在も歯科という枠に囚われずに患者さんの本質的な健康を守るために、内科・カフェ・メディカルフィットネスを併設した歯科医院を2院展開している。



・28CliniC 野上歯科医院
https://seeker-dental.com/dent/46360
・28CliniC南青山
https://seeker-dental.com/dent/21161

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