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2024/09/05

ガミースマイルの原因と治療法を解説|笑顔に自信を持つには?

「ガミースマイル」という言葉をご存知でしょうか?ガミースマイルとは、笑ったときに歯茎が通常よりも広範囲に見える状態のことを言います。
チャームポイントとして捉えられる場合もありますが、ガミースマイルが原因で笑うことをコンプレックスに感じてしまう方もいるようです。ガミースマイルには見た目の問題だけでなく、虫歯や歯周病、口臭といった健康面への影響もあります。

本記事では、ガミースマイルが気になっている方に向けて原因と治療法を解説します。


ガミースマイルとは何か

ガミースマイルの「gummy」は英語で「歯茎」のこと。ガミースマイルを直訳すると「歯茎がよく見える笑顔」となります。つまり、笑ったときに上の歯茎が広範囲に見える状態のことをガミースマイルと言います。

ガミースマイルの状態には個人差があり、軽度から重度までさまざまです。一般的には、笑ったときに上顎の歯茎が3mm程度、話すときに1mm程度歯茎が見えるとガミースマイルと呼ばれます。

重度のガミースマイルでは、笑ったときに上顎の歯茎が10mm以上見えることもあります。また、笑うときに左右の唇の上がり方が異なるため口が曲がったように見えたり、口を閉じると顎にボコボコしたシワができたりするのも、重度のガミースマイルの特徴です。



ガミースマイルの原因

ガミースマイルの原因は、骨格・筋肉・歯の大きさの3つがあります。これらの原因と、歯茎の問題が重なり合ってガミースマイルになることもあります。ひとつずつ確認していきましょう。


①骨格が異常に発達している

骨格の発達に問題があるとガミースマイルになることがあります。上顎の骨が異常に発達した「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」の状態は、ガミースマイルのもっとも大きな原因です。

上顎が前に出ると歯と歯茎も前に押し出されます。いわゆる「出っ歯」の状態です。こうなると、笑ったときに歯や歯茎が目立ってしまうため、コンプレックスに感じる方も多いでしょう。

また、上下の歯を噛み合わせたときに、下の歯が上の歯に隠れてしまう「過蓋咬合(かがいこうごう)」もガミースマイルの原因の一つです。

上顎前突や過蓋咬合は遺伝的な原因のほか、指しゃぶりや舌で前歯を押す癖などさまざまな原因が考えられています。


②上唇を持ち上げる筋肉が強過ぎる

上唇を持ち上げる筋肉が発達し過ぎている影響で、ガミースマイルになっている方もいます。上唇と小鼻を引き上げる筋肉である「上唇挙筋(じょうしんきょきん)」が強いと、上唇が歯茎の上まで持ち上げられ、笑ったときに歯茎が見えやすくなるのです。

筋力は加齢によって弱まるため、筋肉が原因のガミースマイルの場合、年を重ねることでガミースマイルが目立たなくなることがあります。


③歯が小さい

歯が小さい場合もガミースマイルの原因になります。歯そのものが小さい場合、歯茎が通常程度の幅だったとしても、相対的に歯茎が大きく見えてしまうのです。

通常の歯より極端に小さい歯のことを「矮小歯(わいしょうし)」と呼びます。日本人の10人に1人程度の割合でみられるもので、それほどめずらしいものではありません。前歯に起こることも多いため、ガミースマイルになってしまうことがあります。

そのほか、歯が生え切っていない「萌出不全(ほうしゅつふぜん)」の状態も歯茎が強調されてしまい、ガミースマイルになることがあります。


【補足】歯茎の過剰発達

歯茎が過剰に発達している場合もガミースマイルの原因になります。歯茎が通常よりも発達している場合、歯に歯茎が大きく被っているため歯茎の面積が大きくなり、笑うと歯茎が目立ってしまいます。

ただし、歯茎の過剰発達だけが原因でガミースマイルになることは少ないです。歯茎の過剰発達に加え、骨格や筋肉、歯の大きさに問題がある と、ガミースマイルになりやすいのです。




ガミースマイルのデメリット

ガミースマイルの人の中には「見た目が気になる」という人が多いようですが、見た目以外に健康面にもデメリットがあります。ここからはガミースマイルのデメリットを3つ紹介します。


笑うのがコンプレックスになる

ガミースマイルのもっとも大きなデメリットが「笑うのがコンプレックスになる」ことでしょう。

ガミースマイルは、明るい・個性的・無邪気といったプラスのイメージをあたえることもあるため、チャームポイントと捉えることができます。しかし中には、ガミースマイルが原因で笑顔に自信がなくなり、笑うことがコンプレックスになってしまうこともあります。

笑うときに口元を隠したり、マスクなしでは外出できなくなったりすることもあるでしょう。また他人からの視線が気になってしまい、人前で笑えなくなったり、コミュニケーションを避けたりするケースもあるなど、社会生活に影響を及ぼすこともあるようです。


虫歯や歯周病のリスクが上がる

とくに上顎が前に出ている場合は、口の開け閉めがしにくく、口呼吸になりやすいです。口呼吸によって口の中が乾燥してしまうと、唾液が持つ「口の中の汚れを洗い流す自浄作用」や「細菌の繁殖を抑える殺菌作用」が弱くなります。

結果として口腔内で細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが上がるほか、口臭の原因につながることもあります。

また上顎が前に出ていると、歯並びや噛み合わせが悪いことも多く、歯みがきをしにくいです。口内の乾燥に歯みがきのしにくさが相まって、虫歯や歯周病のリスクがさらに高まってしまいます。


口を閉じにくい

とくに上顎が前に出ている場合は口を閉じにくいです。口を閉じるには、下顎を引っ張り上げることになるため、口周りの筋肉を酷使することになります。口周りの筋肉に過度な緊張が生じることで、顎関節に負担がかかることもあります。



【骨格に原因がある場合】ガミースマイルの治療法

ここからは原因別にガミースマイルの治療法を紹介します。
まずは骨格に原因がある場合の治療法として、歯列矯正と上顎骨切り手術をみていきましょう。


歯列矯正

骨格や歯並びが原因でガミースマイルになる人の場合、歯列を整えることで改善が期待できます。歯列矯正では、矯正器具を用いて歯列や歯の位置を調整します。歯を正しい位置に動かすことで、笑ったときに歯茎が見えにくくなるでしょう。

矯正治療には時間がかかりますが、ガミースマイルが改善する以外にも、歯みがきがしやすくなる、しっかり噛めるようになるなど多くのメリットがあります。

▶歯列矯正についてはこちらの記事をご覧ください
なりたい口元へ。理想的な歯並びと矯正治療について解説


上顎骨切り手術

上顎骨切り手術は、歯列矯正では治療が難しいほど骨格のバランスが悪い場合のガミースマイルに有効 です。外科手術によって骨格上の問題を取り除くため、後戻りする心配がありません。矯正歯科や口腔外科、大学病院などの大きな病院のほか、美容クリニックなどで行われているようです。



【筋肉に原因がある場合】ガミースマイルの治療法

次に、筋肉に原因がある場合の治療法として、ボトックス注射と上唇粘膜切除術をみていきます。


ボトックス注射

ガミースマイルの症状を軽減する方法として「ボトックス注射」があります。とくに上唇の筋肉の発達が原因となっている場合に効果的です。

ボトックス注射には筋肉の作用を弱める働きがあります。薬剤を口元に注射することで上唇の筋肉を緩め、上唇を上りにくくするのです。

注射をするだけなので身体への負担は少なめです。ただし、半年程度しか効果が持続しないため継続的に通院する必要があります。また、効果の程度にも個人差があります。

▶ボトックス注射についてはこちらの記事をご覧ください
歯医者でのボトックス注射、何に効く?効果や注意点を解説


上唇粘膜切除術

上唇粘膜切除術とは、上唇の裏側と歯茎を切除し縫い合わせる手術です。手術によって上唇が上がりにくくなり、結果的に歯茎が見える範囲を狭めます。上唇が上がり過ぎてしまうことでガミースマイルになっている場合に有効です。

上唇粘膜切除術では唇の裏側を手術するため傷口が目立ちにくく、1回の手術で効果が持続するメリットがあります。一方で、手術後に突っ張ったような違和感がある場合があることや、再び筋肉が発達すると少し後戻りする可能性があることは知っておくとよいでしょう。



【歯・歯茎に原因がある場合】ガミースマイルの治療法

最後に、歯・歯茎に原因がある場合の治療法として、歯冠長延長術と歯肉の切除をみていきます。


歯冠長延長術

歯冠長延長術とは、歯茎を切除し、歯が広範囲に見えるようにする治療法です。歯が短い場合や、歯茎の過剰発達によって歯茎が歯に被さっていて歯が短く見える場合に有効とされています。治療期間も短く、通院回数も少なめです。また後戻りしにくい特徴もあります。


歯肉の切除

ガミースマイルの治療には、レーザーや電気メスなどを使い、余分な歯肉を切除することで歯と歯茎のバランスを整える方法もあります。歯を大きく見せることで、ガミースマイルを改善しようという方法です。

この方法には、1回で治療が終わる、施術後の腫れや痛みが少ないといったメリットがあります。しかし後戻りしやすいため、「歯冠長延長術」と組み合わせることも多いようです。手術後の回復期間は比較的短いですが、しばらくの間は食事や歯みがきに注意が必要です。



ガミースマイルが気になるなら専門家に相談を

ガミースマイルは一つの個性です。人によって捉え方が異なるため、無理に治療する必要はありません。とはいえ、虫歯や歯周病など健康面へのリスクも懸念されます。ガミースマイルに悩んでいる人は、お近くの歯科医院で相談してみるとよいでしょう。



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筆者:seeker編集部

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