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【歯科技工士インタビュー】世界で活躍し、自らも歯科医院を開業する歯科技工士に聞く、歯科治療・歯科医院選びのポイントとは。

インタビュー>修復・歯冠補綴

2020/02/13

歯科技工士 歯医者 選び方
いざ歯科クリニックへと思っても違いが分からず迷ってしまう歯科医院選びで、大切にするポイントをプロに取材。
今回は一般的には意外と知られてはいないけれど、実は歯科医療において非常に重要な役割を担っている歯科技工士の方にインタビュー。
歯科技工士として日本のみならず世界でトップクラスの活躍されており自ら歯科クリニックも開業されている、
『Ippin Dental Laboratory.Inc.』の代表 旗手勝浩氏に歯科技工士の目線から見た歯科治療や、歯科医院選びのポイントについてじっくりインタビューしました。
 
 
Q、最初に『歯科技工士』という仕事内容や歯科治療における役割について教えていただけますか?

A、 歯科技工士とは、患者さんが虫歯や歯周病になった時に削ったり失ってしまった歯の機能を回復するための入れ歯、差し歯、被せ物、そして矯正器具などを作る専門性の高い技術職です。
私はその中でも、セラミックとインプラントの上部構造(インプラントの人工歯根の上の部分にある人工歯の部分)を専門にしております。
歯は物を食べるなどの健康に生活する上で重要なだけではなく、人とのコミュニケーションにおいても、また顔の表情や見た目においても大事な身体の一部です。
歯科技工士は国家資格を有する仕事でもあり、歯科治療においては縁の下の力持ちとして、なくてはならない存在です。

 

Q、治療を受けていると医師と歯科衛生士、歯科助手の方とふれ合う機会が多いのですが、実は裏側で被せ物などを作る歯科技工士がいらっしゃって、私たちの治療が成り立っているのですね。実際、歯科医師(クリニック)と歯科技工士の関係性はどのようなものなのでしょうか?

A、誤解を恐れずに簡単にいうと、ビジネス的には依頼主と下請けの関係です。
本来は対等な立場であるべきであり、歯科医師→歯科技工士の関係ではなく、ベクトルはあくまで患者さん側を向いていて、同じチームとして治療に取り組むスタンスが大切かと思っております。
この関係性こそが、治療のクオリティにも大きく関わってきます。
日本でいうとまだまだ歯科技工士が下請けのような風土も残っていて、それでは患者さんにバランスのとれた健全な歯科治療を提供できにくいため、私は自分が率先してこの風土を変えていき、歯科業界全体も変えていきたいと考えております。
 

Q、確かに大事な歯を預けるわけですから、歯科医師も歯科衛生士も歯科助手も歯科技工士も一つのチームとして、最善の治療を提供してくれている歯科クリニックに診ていただきたいです。
実は歯科技工士の方こそ歯科医師の腕や設備などの目利きがあると思うのですが、歯科選びのポイント教えてください。

A、歯科技工士の知り合いの方がいらっしゃれば、その方に聞くのが何より1番早いですが(笑)そう簡単に繋がりがあるわけでもないと思いますので、その場合は歯科クリニックにまず行ってみて2つチェックしてみるといいと思います。
 
一つは治療の明細をしっかり出してくれるかどうか、です。
会計で治療費を支払う際に領収書を頂くと思うのですが、今まで明細がきちんと書かれておりましたか?
どんな治療をして何にいくらかかっているのか、医療費にも点数があるのでどんな治療に何点かかっているのか、オープンに出してくれる歯科医院はかなり良心的かつ、患者さんに向き合っていると思います。
二つめは、歯科医師に『自費治療』と『保険治療』の違いを質問してみて、使う素材の違いとかではなく、技術や治療内容の違いとしてきちんと回答していただけるかどうかです。
質問した際に親身に答えてくれる歯科医師の方であるならばかなりオススメです。
またプラスして、もし歯型をとることがあるならばきちんと患者さん自身の歯型を見せて説明してくれる歯科医院も、型取りや治療に自信がある証拠なのでいいと思います。

 

Q、なるほど、治療費の明細はしっかり今まで確認しておりませんでした。ちなみに治療によって、セラミックなどの被せ物の良し悪しは金額でしか分からないのですが、具体的にどんな違いがあるのでしょうか?

A、自費治療でセラミックの被せ物をする場合、主にジルコニアやE-maxなどの素材の説明を受けると思いますが、歯の部位や状況によって適している、適していないこともあります。
例えば、硬い種類のジルコニアの被せ物をした時、被せ物の噛み合っている反対の歯が天然の歯の場合は、状況によって天然の歯が削れてきたり、ヒビが入ってしまうこともあります。ジルコニアの種類によっては天然の歯よりも硬いものがありますので、安易にジルコニアは硬い強い潰れにくいだけで選択するのではなく、そのあたりはまさに歯科医師との相談が必要なので、まずは歯科医師に言われるがままではなく、積極的に質問して納得の上で治療方法を選んでいただきたいです。

 
Q、まさに私たちもきちんとした知識をつけ、判断していくことが大切ですね。
旗手さんは長らくアメリカ(ロサンゼルス)で歯科技工士として従事されていらっしゃいましたが、今の日本の歯科治療は今後どのようになっていくと思われますか?

A、正直にいうと、日本人の歯に対する意識や歯科知識のIQはアメリカと比較するととても低いのが現状です。アメリカは幼少期から親からの教育で歯の大切さや磨き方をしっかり身につけられますし、幼稚園でデンタルフロスの使い方も教えてもらっている場合もあります。まさに治療ではなく予防や審美のための歯科の役割が大きいです。
一方、日本は虫歯になってから慌てて治療をすることが多いですし、見た目に関する意識も低い。また治療も知識がないため、治療後に二次的な虫歯が発生したり、気づけば歯がなくなっていたり、残念な結果になることも。
やっと少しずつですが、予防歯科や審美に時間やお金を使うようになり、歯列矯正も増えてきた傾向があるので、今後はもっと強くなるかなと思っております。
そして、歯科治療全体でいくとテクノロジーの進歩によりAI化が加速していくことが予想されるので、AIが診断したりロボットが歯を削ったりなどという未来もあるかもしれませんね。

 

Q、最後に読んでいる皆様へのメッセージはありますか?
A、まずは歯の知識を少しでもつけて、情報を知って判断できるようになっていただきたいです。違和感や気になることを歯科医師にも伝えられるようになって、信頼関係をしっかりと築きながら納得のいく治療を受けていただきたいと思っております。
歯の価値は1本100万円と言われています。換算するとお口全体でなんと3000万円ぐらいの価値があります。
歯は食べたり飲んだりとQOLに直結するところなので、もっともっと大切に自分の歯を守っていただきたいです。



(取材日:2020年1月10日)
■取材した方
Ippin Dental Laboratory.Inc
旗手 勝浩(Katsuhiro Hatate)氏
 
Ippin Dental Laboratory.Inc代表取締役。歯科技工士。
専門学校在学中より歯科業界や歯科技工士の置かれている現状への課題を感じ歯科業界を改革すると決める。
卒後、その目的を持ち大阪の歯科技工所と歯科医院の現場で計5年勤務し、さらに今後の日本の歯科業界に役立てるために世界的に有名なアメリカ(ロサンゼルス)の歯科医院に4年勤務したのち、2004年に現地にて独立開業して業界でも有名に。アメリカでチーム医療と最先端技術を習得したのち2013年に日本に戻り表参道にて新規開業。2016年には『歯科業界改革の会』を創立するだけでなく、2018年5月より歯科技工士としては異例ともなる歯科医院(Ippin Dental Practice)を新規開院している。

・ Ippin Dental Laboratory.Inc



・歯科業界改革の会



・Ippin Dental Practice



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