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【歯科医師インタビュー】QOLに直結するからこそ、今、知っておいて欲しい 進化し続ける“義歯”の話 ~Part2~

インタビュー>有床義歯

2021/07/22

歯科医師としてだけではなく、義歯の研究に長く携わりセミナーや書籍などで多数指導されている、医療法人社団ハイライフ大阪梅田歯科医院の院長で、『ハイライフデンチャーアカデミー』で学術統括責任者も務める松田謙一先生に、今の義歯の治療方法や今後について取材するインタビュー企画の後編。



松田先生が実際に治療にあたり大事にしていることや、こんな時代だからこその歯科医院選びのポイントなどをご紹介します。



松田先生の歯科医院では義歯を治療で装着するまでがゴールではなく、きちんと使える状態にまでサポートされているのですね。ハイライフデンチャーアカデミーで大阪梅田に直営の医院を出したのでそんなこだわりもあってなのでしょうか?

まずアクセスしやすいところで梅田という場所を選びました。患者は関西の人というよりも、西日本全体から来ても比較的来やすいところと考えています。大阪駅から徒歩圏内で雨でも濡れずに来れるとか、新幹線の場合でも新大阪からも来やすいとか。実際に遠方からもわざわざ来ていただいています。



高齢の方の場合、長距離を移動してくるのは結構大変ですよね?

そうですね、遠い方は家族と一緒に来られることが多いですね。
それでもいらしていただいているというのは、先ほどお話ししたように(Part1参照)、他の歯科医院で義歯治療に関しては力を入れている・得意にされている先生が少ないのは事実でして、わざわざいい義歯を求めて遠方からでも来て下さる方は多いです。



大切な部位だと理解されている方こそ、松田先生のいい治療を求めて遠方からいらっしゃるのでしょうね。義歯の治療で大事にしているってどんなことでしょうか?

部分床義歯でも、噛める状態が長く続く・途切れさせないようにしています。ご飯を美味しく咀嚼し続けられることを保つ、ということですね。治療に来た際に残っている歯がある場合も多いのですが、全顎的(お口の中を一つの器官として捉えて根本的にトータルで治療すること)には全てに手を入れるのがベストにはなるものの、費用も時間もものすごくかかってしまいます。




義歯の場合は、治療期間をそんなに長くとってられません。特にご高齢の方だと1週間うまく噛めない、1ヶ月上手に噛めない状態を強いるのは申し訳ないと思っています。そのため噛めない時間をいかに短くできるのかを常に考えています。悪い部分だけ治せばいい場合は悪い部分だけ手を施す、とにかく患者さんのお口の機能を第一に“美味しく噛める”を続けられるということを大事にしているんです。特に当院にいらっしゃる方はいい義歯を求めている方が多いので、ちょっと何かがあって通院出来ない時に噛めないことがないように、不安定な時期を作らぬように必要最低限の治療にします。



確かにいくら根本的に治療するとはいえ1ヶ月もご飯を美味しく噛めない状態が続くのは辛いです。患者さんが幸せな日常生活を送れるということを最重要視されているのですね。そんな歯科医院に出会うには、どんなポイントを見ればいいのでしょうか?

そうですね、今はほとんどの歯科医院が入れ歯治療に対応しているとHPなどにも書いていますよね。なので、どこに行くべきか本当に悩ましい。まずは歯科医師自身が、何かしら義歯の教育を受けた経歴があるかどうかは大事だと思います。大学院である必要はないですが、例えば大学で補綴科や義歯科に残っている経歴があるとか、卒業後に義歯のコースに多く参加しているかどうかは、結構大きいと思います。




新しそうな特殊な義歯を扱っていることをウリにしているケースもありますが、こういった基礎の学びをしっかりしていない場合はいまいちだと思っています。
今はSNSでその辺りが分かりにくく、歯科医院や歯科医師の見極めが難しいですよね。ホームページやSNSで名が売れていても、治療や学会での発表、専門書籍の執筆実績があるのかどうかの事実と、発信や発言していることが納得できるかどうか、の感覚も大事です。



リアルなアドバイスありがとうございます。有名かどうかだけではなく、その歯科医師の先生の経歴や実績もきちんと確認すべきですね。では少し話が変わりますが、実際に今、義歯を使っている方はどんな自宅ケアをすればいいでしょうか?

義歯は道具でしかありません、口から取り外すことができるものなのでちゃんとクリーニングをして欲しいということが一番です。そのままにしておくと粘膜と義歯の間に汚れが溜まってしまったりと相当汚くなってしまいます。最悪の場合、真菌症になってしまうこととも。
夜間にクリーニングする方が多いですが、今は地震などの天災もあるので夜に義歯をつけておきたいという方もいらっしゃいます。その場合は昼間に数時間、義歯をつけない時間を作っていだきたいです。いい義歯でも駄目になってしまうので、酷使している歯肉を休ませてあげる時間と清潔にケアする時間を作って欲しいです。



日々のケアが長くいい状態を持たせるのに大切ですね。松田先生は、今後、義歯の治療はどうなっていくと思いますか?

現状では、まだまだ適切な義歯の治療を受けられていない患者さんもいらっしゃいます。ですので保険や自費に関係なく、いい義歯を入れられるようになっていってほしいと思っています。デジタル化も進んでいるので、一度口の中の情報(噛み合わせ、粘膜など)を取り込んだら、ボタンひとつで簡単に作れるとか、なくしてもすぐに作れるなど、作りやすさや再製のしやすさが出てくると思います。一つだけではなく、スペア的にもう一つ作るなどもあるかもしれませんね。



ちなみに全部床義歯(総入れ歯)と部分床義歯(部分入れ歯)、どちらが治療をやりやすいなどあるのでしょうか?

どちらかが楽ということはなく状況によります。歯が全くない状態も難しい、難しいということもあります。歯の残っている場所、本数、歯が欠損しているところの骨の量によって違うため本当に多種多様なんです。補綴の装置もぜんぜん違います。



なるほど、条件や状況によって難易度が全然違うのですね。ありがとうございます。最後に読者の方へメッセージをお願いします。

多くの患者さんが義歯に対してあまり良いイメージがないと思います。インプラントに比べて喋りにくい、うまく噛めないのでは?といいイメージをお持ちではないはずです。




そうではなく、適切な義歯をしっかり作っていれば、咀嚼は必ず回復しますし、見た目にもこだわれば、いい状態にできます。少しでもいい義歯で咀嚼するということを諦めずに求めて欲しいです。義歯が専門で得意な歯科医師を見つけ、いい義歯を作って楽しみのある人生を過ごしてください。







■取材した方
ハイライフデンチャーアカデミー 学術統括責任者
医療法人社団ハイライフ 大阪梅田歯科医院 院長
歯科医師・歯学博士
松田 謙一氏

大阪大学歯学部卒業後、同学有床義歯補綴科にて大学院を修了し、同講座にて教員として有床義歯の臨床、研究、教育に長く携わってきた。その後、有床義歯分野の卒後教育に取り組んでおり、雑誌での連載記事や書籍の執筆、セミナーなども多数行なっている。

日本補綴歯科医学会 代議員/専門医/指導医
日本老年歯科医学会 認定医
日本口腔インプラント学会 専修医
IADR (International Association for Dental Research)
ICP (International College of Pr



・大阪梅田歯科医院
https://seeker-dental.com/dent/21181

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