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2022/06/21

国民皆歯科健診とは?2022年6月時点の情報を調べてみた

実現に向けて動き出している「国民皆歯科健診」が話題に上がる今日この頃。頼れる歯科医院探しをサポートし、お口の健康を推奨するseeker編集部にとっても見逃せない話題です。国民皆歯科健診の2022年6月時点での情報と、今後の展望をまとめてみました。


国民皆歯科健診とは?

2022年6月7日に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」に盛り込まれたのが「国民皆歯科健診」です。これは、国民が年代問わず歯科健診を受けられる制度の実現を目指す方針です。全世代での歯科健診を生涯に渡って制度化することで、お口の健康を守ることを目的としています。

お口の健康を守るための運動として知られているものに「8020運動」があります。これは「80歳で自分の歯を20本残す」という運動で、1989年から当時の厚生省と日本歯科医師会によって推進されていました。

しかし、歯科健診の受診を推奨はしていたものの、実際に受診するかは各々の意思に任されていました。




日本における歯科健診の現状

日本における歯科健診の受診率は、海外の先進国と比較して非常に低いといわれています。2022年現在、法的根拠に基づく歯科健診制度は以下となっています。

  • 母子保健法による、1歳6ヶ月健診・3歳児健診
  • 学校保健安全法による、学校歯科健康診断
  • 健康増進法により、40・50・60・70歳の歯周疾患健診
  • 学校歯科健康診断では、高校生までを対象とした歯科健診が義務付けられていますが、大学生は対象外です。そのうえ、社会人になると企業や自治体によって健診の制度は大きく異なります。

    そんな背景もあってか、歯科健診の受診率は低く、痛みなどの違和感があった時に歯科医院を受診するという人が大多数といわれています。歯の健康に対する意識は、決して高くないのが現状です。



    歯科健診が必要な理由

    では、ここまで歯科健診の必要性が叫ばれるのはなぜでしょう。実は、お口の不調と身体の不調は密接なつながりがあり、歯の状態が身体の健康に大きな影響を与えています。これが「口は万病の元」といわれる所以です。健康増進には歯科健診を受けて、お口の病気を未然に防ぐことが重要なのです。

    例えば、歯周病の原因菌である歯周病菌が血管に入ると、血糖値をコントロールするインスリンの働きが衰えてしまい、糖尿病が悪化することがあります。また、血管内で炎症が起こると全身の病気が悪化するケースもあります。歯周病は細菌の感染によって引き起こされるお口の病気で、歯茎や歯を支える骨などが溶けてしまうことがあります。歯を失って噛む機能が低下すると、肥満になりやすくなったり認知症のリスクが高まったりします。

    そのほかに、噛み合わせが悪いと身体が歪んで血流が悪くなるため、肩こりや偏頭痛の原因になります。噛み合わせの悪さが引き起こす身体の不調はそれだけにとどまらず、耳の不調や手足の痺れ、原因不明の体調不良が噛み合わせのせいだったというケースも少なくありません。このように、歯科健診さえ受けていれば防げる病気がたくさんあるのです。




    国民皆歯科健診を導入するメリット

    病気になって病院を受診すると医療費がかかります。国民皆歯科健診の導入により定期的な歯科健診を受けていれば、歯科疾患の早期発見や早期治療ができ、病気を未然に防ぐことができます。

    これは個人の医療費負担や通院する手間の軽減はもちろん、国の医療費の抑制にもつながります。国民の健康寿命が延びることは大きなメリットです。さらに、医療費が膨らみ財源が厳しくなる昨今の医療費削減策としても、国民皆歯科健診の導入にはメリットがあると考えられているのです。



    国民皆歯科健診ではどんなことをするの?いつからスタート?

    「骨太の方針」が決定し、注目を集めているのが「国民皆歯科健診ではどのようなことをするのか?」「いつからスタートするのか?」という点です。全国民に歯科健診を行う方法として、健康診断時に唾液を採って歯周病の簡易検査をし、必要に応じて歯科医院での検査を勧める方法が一案として挙げられているようです。



    また、国民皆歯科健診の開始時期について、日本歯科医師会の堀会長は、3年から5年後と予想しています。しかし、2022年6月時点では詳しいことはほとんど決まっていないようです。

    国民皆歯科健診を実施するための具体的な仕組みや健診の方法、実施の主体や費用などは、今後課題として検討されるのではないでしょうか。義務になるのか?受診率は上がるのか?という点でもさまざまな議論が交わされている国民皆歯科健診。今後の展開に注目です。



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    筆者:seeker編集部

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