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【歯科衛生士インタビュー】本当に目立たない?ぶっちゃけ効果はあるの? 日本初のマウスピース矯正研修講師に聞く 今、知っておきたい『矯正治療』最新事情とは 〜Part2〜

インタビュー>矯正歯科

2020/12/14

マウスピース矯正 インビザライン AI デメリット 選び方

最新の矯正治療について日本初のマウスピース矯正研修講師の穴沢さんへ聞いたインタビュー第二弾。前回は穴沢さんご自身のキャリアストーリーから矯正治療の種類やそれぞれのメリット・デメリット、そして矯正治療における歯科医師と歯科衛生士の役割の違いなどをお伺いしました。
今回はさらに具体的に、マウスピース矯正であってもメーカー(ブランド)や歯科クリニックによる違いをぶっちゃけてお聞きします。

(Part1)からの続き



Q.マウスピース矯正(特にインビザライン)治療での役割は、歯科医師は診断、そして歯科衛生士さんは通院時の施術や患者さんへのお声掛けなどのサポートまでと幅広い。困った時にすぐに相談できる関係や、挫折しそうになった時にモチベートしてくれる歯科衛生士さんは欠かせない存在ですね。穴沢さんご自身が研修や共同開業した歯科医院でインビザラインの取り扱いを始められたきっかけは何なのでしょうか?

わたし自身も29歳の時にインビザライン治療を受けました。もともと八重歯があって歯並びが悪かったことと、患者さんの気持ちを理解したいと思ったからです。
患者としてインビザライン治療を受けて感じたことは、インビザラインってこんなにしっかり治るんだ!ということでした。同時に治療開始時の違和感なども体感しました。治療を経験したからこそわかることがたくさんありました。
患者、医療従事者両者の視点を持てたことで、問題点や課題も見えてきました。
年々インビザラインを扱う歯科医院が増えてきましたが、メカニズムや正確な施術方法がわからないまま治療をされている医院や困っている先生が多くいらっしゃることを知り、研修を行うことにしました。今は、インビザラインのメーカーさんや歯科医院に介入しているコンサルタントの方から研修講師のお仕事のご紹介をいただくこともあります。
インビザラインのメーカーとしてはきちんとした治療を提供してほしいという想いがあります。よくわからないままインビザライン治療を行って、治らなかった!と言われても困るので研修をお願いされることが多いのです。



Q.マウスピース矯正といってもいろいろな種類もあって、価格帯もピンキリですがどんな観点で選ぶといいのでしょう?

今は本当に様々なメーカーのマウスピース矯正がありますよね。世界中では数百種類、日本でも数十種類あると言われています。
一概に価格だけではいえませんが、例えるならば「結婚式のメイクをする」という時に100均のコスメを買うのか、原材料がわかり品質が保証されたブランドのコスメを買うのか、ぐらいに違うと思います。
インビザラインは年間何億円もの投資・研究をして技術革新をしています。研究費をものすごく費やしているので安全性の面でもとても考慮していると思います。一方で数多くあるマウスピース矯正を扱う会社の中には、昨日までサラリーマンをしていた方がベンチャー企業を立ち上げて「マウスピース矯正を提供しています」という場合も。どの程度研究をしているのかはわからないので取り扱う側として正直怖いというのがあります。
前歯に少し隙間があるから治したいなどという局所的な治療であれば治るものもありますが、しっかり噛み合わせを治したいという場合に選択するべきかというと、よく調べ、検討してからの方が良いかなと思います。



Q.確かに先ほどの結婚式の例えではないですが、矯正は一生に何度もするものではないので100均のコスメでいいや!という風にはなかなか思えないですね。またインビザラインの場合は症例数も圧倒的に多いのでそれが研究にフィードバックされて改善されていくという面もあるのでしょうか?

おっしゃる通りです。過去にとあるマウスピース矯正を扱っている歯科技工所でマウスピース作る現場を見たことがあるのですが、そういった種類のマウスピース矯正の場合、年間数百症例程度なのでデータが少ないんです。
インビザラインは全世界で導入されていて2020年10月時点で900万症例を超えたそうです。数が圧倒的に違いますよね。デジタルデータで管理し研究がなされているので、毎年どんどん治療のレベルが上がっています。



Q.見た目だけ早く治したいという場合は良かったとしても、症例数が少ないとちょっと怖いですね。大事な自分の身体のことなので。

そうなんです。医療として考えたときに一見見た目は良くなったとしても噛み合わせをしっかり確認しないまま終わるメーカーの装置は使えないなと思います。
(実際、最初にマウスピースを作って自宅に送って終わり、患者さん自身が治療を終わるかどうか決めるという商品がでてきています)
噛み合わせが崩れたら身体への影響も大きくでてしまいます。日本人は顎が小さく歯並びがガタガタしている叢生という方が多いのですが、無理矢理ガタガタだけをほどいて並べたらどうなるでしょう。アーチが大きくなっていわゆる出っ歯のようになってしまうことがあります。
口が閉じにくくなると口呼吸になってしまい外部の菌を取り込んでアレルギー体質になったり風邪やインフルエンザにかかりやすかったり。
またアーチを拡げすぎてしまうことで奥歯の噛み合わせが合わなくなってしまうと、咬合性外傷で一部の歯の負担がぐんと大きくなってしまい、歯肉や骨にまで影響が出てしまうことも。
噛み合わせの影響は長期間かけて出てくるものなので、60歳70歳になった時にどうしてこうなっちゃったんだろう?とならないようにしていただきたいです。安かろう悪かろう、とは言いませんが矯正治療は見た目ではなく噛み合わせを含めて健康を目指すものなので、私はしっかり患者さんに正しい情報を伝えていきたいと思っています。



Q.同じブランドのマウスピース矯正であったとしても歯科クリニックによって違いがあるのでしょうか。インビザラインを取り扱うクリニックも増えていて、正直違いがわからないのですがどう選べばいいのでしょうか?



これはなかなか難しいですよね(笑)。
大きくは、①診断②施術③説明の3つスキルの違いだと思います。
①診断はどの治療でも同じことが言えるのですが、歯科医師の知識力や経験による判断を指します。基本歯科医師にも専門があるので、矯正治療を専門にしている方とそうで無い方では知識・経験の差が出ます。



②施術はいわゆる型取りなどのスキルです。最近は口腔内スキャナーで型取り(スキャン)をするケースが多くなっていますが、誰が撮影しても同じ、というわけではないんです。デジタルデータで処理をしますので、長時間の撮影でたくさんデジタル情報がありすぎると処理しきれずに画像が悪くなってしまうことも。
短時間で精度の高い画像を入手できた方がクオリティ高く治療は成功しやすいです。またアタッチメントというレジン(プラスチック)で突起物をつけたり、ディスキング(顎の大きさと歯幅のバランスを整えるた歯と歯の間のエナメル質を薄く削り適正なサイズになるよう調整する治療)は人間が行うので、人によってどうしても技術の差が出てしまいます。
初めて施術するのか、100人、1000人と数をこなしているのかによって全然違いますし、見様見真似だけだと能力の限界があるので、きちんとメカニズムを勉強しているのかどうかでも違います。



最後に③説明とは、患者さんへの説明のことです。実はマウスピース矯正はまだ歯学部でも歯科衛生士学校でもほとんど勉強をする場がないんです。(一部大学ではインビザラインを導入しているところもあります)
なので、基本的なことをわからないまま説明している医院もあるのが実際のところです。
クリニックのホームページに大々的に『インビザラインやってます!』と打ち出していても、ふたを開けたら一発目の症例でした、なんてことも。



Q.そ、それは怖すぎます。マウスピース矯正は型をとって自動でできるから誰がやっても一緒なのかなと思ってしまいがちですが、そんなに差があるんですね。びっくりです。

マウスピース矯正は世界中で数百種類、日本だけでも数十種類あると言われています。治療方法は大きく2つのタイプがあります。

  • ①スキャンしたデータなどから分析して主治医が治療計画を立てる

  • ②歯科医院の主治医ではなく外部の診断専門の歯科医師が立てた治療計画をもとに行う、があります。


さらに今はAIが治療計画を立てるものもありますね。みなさんは何が安心と感じますか?私の医院は、①のとおり主治医が治療計画を立てます。特にわたしたち歯科衛生士が患者さんの悩みや希望をしっかりお聞きし、最善の治療ができるよう歯科医師と連携をとっていきます。
AIが立てる治療計画も優れていますので簡単な症例でしたら問題ないかもしれませんが、患者さんの顔を見ずに立てる治療計画は患者さんのニーズがわからないまま進んでしまうリスクもあるように感じます。
もちろん主治医が立てる治療計画の場合でも、その歯科医師の知識や経験と技術が大きく関わってくるので人による差が出てしまいます。


(Part3)に続く





(取材日:2020年11月11日)
■取材した方
横浜関内矯正歯科ブランシュ 副院長
株式会社Blanche代表
穴沢 有沙 氏

2004年に愛知県立歯科衛生専門学校卒業後、医療生活協同組合みなと医療生活協同組合 みなと歯科診療所勤務。結婚を機に働き方を変えて三菱東京UFJ銀行にて為替窓口業務担当したのち、歯科業界に復帰。医療法人スワン会ミッドランドスワン歯科・矯正歯科で多数の症例を経験、多くを学んだのちに2016年マウスピース矯正研修講師として独立して2018年に株式会社 Blanche(ブランシュ)代表取締役社長に就任。東京都内、名古屋市内、横浜市内など複数歯科医院で矯正歯科衛生士として歯科医療に従事。患者さんのために妥協しない矯正治療を進めたいという想いから2020年横浜関内矯正歯科ブランシュを共同開業。



・横浜関内矯正歯科ブランシュ
https://seeker-dental.com/dent/46692

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