「歯の神経」って、抜くとどうなるの? メリット・デメリットを解説
コラム>虫歯
2019/12/18

虫歯が歯の内部にまで進行すると、そういった事を言われることがあるかもしれません。

■なぜ歯の神経を抜かないといけないの?
歯の中に「歯髄」という神経や血管などがたくさん含まれている大事な部分があります。
歯髄が虫歯の菌に感染してしまうと、歯髄炎という炎症を起こしてしまいます。
歯髄炎になってしまうと、歯髄を抜いて歯を出来るだけ保存するという方法を選ぶことになります。
歯髄炎以外にも、知覚過敏や歯が割れてしまって放っておくことが難しい場合などにも歯髄を抜くことがあります。

歯髄を抜くことを抜髄(ばつずい)と言います。
抜髄にも、メリット・デメリットとがあります。
■メリット
メリットとして二つあげることができます。
まず1つが、歯が痛いという患者さんに歯の知覚を全くなくならせてあげるということができます。
虫歯になると冷たいものがしみたり、寝れなくなってしまうほどの激痛があったりします。
その痛みがなくなるのは患者さんにとって、かなり嬉しいことだと思います。
もう一つが虫歯の病気の進行を止めることができます。
歯髄まで虫歯の菌が感染してしまうと、歯髄を通って歯の根っこの先まで菌が進行してしまい、その先の骨まで進行してしまいます。
その進行を少しでも止めることが歯を少しでも残す一歩になります。
■デメリット
抜髄をしてしまうと歯の周りにある血管も一緒に取ることになるので、栄養が歯の周りに行き届かなくなります。
栄養が行き届かないと、歯が脆くなってしまったり、色が白ではなく黒色や褐色になり見た目がよくなくなってしまうケースがあります。
また、抜髄の治療には治療期間が長くなるというデメリットもあります。
メリットとデメリットを比べて考慮しても、痛みが酷い場合には抜髄をする方がメリットがあると判断できます。

以上のことを述べてきましたが、歯にとって1番いいことは抜髄もせずに歯をいい状態にしておくことが大切です。
歯科医院に通って、定期的に歯をしっかり定期健診を行なうことが一本でも多く歯を残すための近道です。
■参考文献
日本歯内療法学会 http://www.jea.gr.jp/index.html
→虫歯の治療が得意な歯科医院選びはこちらから
(seeker編集部)
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