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【歯科医師インタビュー】もっと身近に、もっと末永く寄りそう歯科医院とは。大学病院だけではない“口腔外科“との付き合い方

インタビュー>口腔外科

2020/09/11

歯医者 口腔外科
口腔外科というと耳馴染みがないため、どうしても大学病院でのガン治療など特別なものと捉えがち。
実際は街の歯科医院でも“口腔外科“と標榜しているクリニックが結構あるのをご存知でしたか。
実は、口腔外科は私たちにとって身近な存在であり、毎日の生活に寄り添いながら、永くお付き合いすべきところなのです。
今回は地域に根ざしながら、患者さんのお口全体の健康に向き合い診療をしている練馬桜台駅前Y’s歯科の院長、柳田泰志先生に、口腔外科の正しい知識からおうちでのケア、歯科選びのポイントまで幅広くインタビューしました。
 

Q.まず最初に、先生は口腔外科も専門として診療なさっていますが、どのような内容を指すのでしょうか?
 
A.いわゆる一般的な歯科だと診る範囲は“歯“だけになりますが、口腔外科の場合は範囲が広がります。
わかりやすく言うと、目から下、鎖骨から上の全てが範疇になるので、急性炎症や耳下腺などの唾液腺、抜歯、外傷、口腔癌や舌癌などの外科的な処置だけにとどまらず、口内炎や口臭症など内科的なものも治療範囲です。
これらのどこかに異常があると、食事や会話など機能的なものだけでなく、見た目の障害にもなりえます。治療によりお口や顎の自然な形態や機能が回復すると、顔全体がいきいきとし、健康的な美しさを取り戻すことができます。そのお手伝いをするのが口腔外科です。
口腔外科というと大学病院のような2次医療機関のイメージが強いと思いますが、街の歯科医院だからこそできることも多くあります。大学病院は遠い場所からも患者さんが来る上、現在はコロナウィルスの感染拡大により一日の患者数を減らしているため、大学病院によっては実際に治療が始まるまでに10ヶ月待つということもあるようです。
その点、口腔外科と標榜している街の歯科医院は、一般歯科と大学病院との中間の1.5次的な医療機関として気軽に診てもらうことができます。怪我などの外傷、歯に起因する炎症、顎関節症から口内炎など、口腔外科の専門処置が必要そうな場合、大学病院に行く前に一度相談してみることをおすすめします。
もちろん、定期検診や歯科矯正、虫歯などの治療の場合でも、広く総合的に診て判断してもらうことができるので、メリットが大きいです。
 
 
Q.口腔外科と言っても決して仰々しいものではなく、通常の歯科治療の延長線上にあるものであって、より広い範囲を診療してもらえるものなのですね。ちなみに柳田先生が歯科医師になったきっかけや、口腔外科を専門にしたのはどうしてですか?
 
A.私の人生のビジョンとして、笑顔と感謝にかこまれた環境にいる!というものがあります。それを実現し続ける手段が私にとって歯科医師でした。お口に困りごとのある人が治療することによって、機能を取り戻し最後には笑顔になって“ありがとう“と言ってもらえる、そしてその人が他の困っている人に歯科を紹介する…この素敵な循環をどんどんまわしていきたいです。
大学病院勤務時代は100年後に100万人を救う研究などをしていましたが、今は、目の前の100人の人たちを幸せにするためこの土地で歯科医師をしています。
もともと祖父、父親が歯科医師でしたので、治療した後に患者さんから「ありがとう」と言ってもらえている姿や、「先生、先生!」と街の人たちに親しく声をかけられている姿姿に憧れ、自分もその関係を目指しました。
実は小学生卒業の頃には歯科医師になることを決めていました(笑)。
そして、歯科医師の国家資格を取る頃に、いずれ開業医として地域のたくさんの人に寄り添うために治療の守備範囲が一番広い口腔外科を自分の専門分野として選びました。
患者さんを診る際、口腔外科の知識・経験が豊富だとその病因に対し広く可能性を探れます。また、口腔外科にしっかりと軸足を置いているので、治療難易度の判定が早くここから先は大学病院、または例えば矯正の専門医師にと自分のできる・できなの線引きをして、より患者さんの為になる医療機関にバトンタッチをすることができます。
街の歯科医院では専門分野を置かず、オールマイティな治療が求められますが、いくらA Iなどが進化しても、専門知識と経験値が最終判断では必須になるので、何を一番の強みにしているのか、そして各専門分野の歯科医師と連携しながら最適な治療をしていくことが大事だと思っております。

 
Q.小さい頃からの夢をまさに今、叶えられているのですね。自らのプランを実現するために口腔外科を専門にして、開業されているのもすごいです。先生のこれまでの経歴を教えていただけますか?また医師として大事にしていることも教えてください。
 
A.大学院で口腔外科の博士号を修めたあと、佐賀大医学部麻酔科への出向を経て母校の大学病院に勤めました。そこで全身管理や口腔外科の技術・知識を学び、高位医療機関の現場経験を積みました。
その後、都市部の歯科医院での勤務を経て、この土地に開業をしました。こういった経歴ですから歯科医師として診れる範囲も一般の先生よりも多いと自負しています。
医師として大事にしていることは、家族のように患者さんの一生と寄り添っていくことです。その思いは院内設備にも表れており、
入口から診療室まで赤ちゃんのベビーカーから、お年を召してからの車椅子であってもで院内をストレスなく動けるよう完全バリアフリーにしています。来院のハードルが下がるように、医院の場所も駅から1分と患者さんの生活導線の中にしました。
そしてみんなの笑顔をつくるために、歯科医院と共に家庭を守る要になる ‘お母さん‘が気軽に通いやすい歯科医院にしています。また全室個室とし、プライバシーを守りたい人や、にぎやかな親子であっても周りを気にせず受診できるような工夫もしてあります。
全室個室という点には、パーテンションでは不可能な、コロナウィルスを含む飛沫感染リスクを防ぐ利点があります。。他にも感染や急性炎症を治療する口腔外科にふさわしい、院内感染管理のため、次亜塩素酸水循環システムをはじめ長い時間をかけ吟味した治療機器を導入しています。また日常の対策を含めと衛生面の配慮しており、皆さんが安心して通える歯科医院となっています。
 
 

Q.家族のように寄り添ってくれる歯医者さんってとてもいいですね。ですが、なかなか出会うのが難しいのも現実です…。歯科医院はどのように選んだら良いのでしょうか。
 
A.一つ目は、どんなコンセプトの歯科医院なのかはしっかり見た方がいいと思います。例えば、“治療“型ではなく、“管理“型の歯科医院。
昭和の時代、歯科医院は痛かったら来て治すという治療型が主でした。これからはその患者さんの最初にいらしてから現在までのお口にまつわるデータがずっと揃っているような歯の健康管理型がいいと思っています。
その分、折に触れた検査が多いという面倒さはややあるかもしれませんが、豊富なデータがあることで色々と治療の可能性も追求していくことができるのです。医療行為は勘だけではなく科学です。いい治療をするためにはいい検査が必要で、なぜこの検査が必要なのかと言うことも理解しながら一緒に進められるといいと思います。
2つ目は、いくつか治療法を提案してくれて患者さんが選べる歯科医院。そしてその際に歯科医師からメリットだけではなくデメリットまで提示してくれることや、患者さんと共に選択を選んでくれ、治療していく過程において患者さんに無理のないプランを立ててくれるかどうかも大切です。
3つ目は、間接的になりますが、いい歯科衛生士さんがいるかどうかです。2020年の今は歯科衛生士さんの売り手市場なので、優秀な歯科衛生士さんは職場を選ぶことができます。いい衛生士さんほど給与などの待遇面でだけでなく治療に対する院長の考え方に共感するかどうかをみて職場を決めるためいい歯科衛生士さんやスタッフがどれだけ揃っているのかも見極めの重要なポイントになります。別の言い方をすると歯科医院にパッと入った時に、みんなが笑顔で和気藹々としている医院です。
予防活動が続けていく上で最終的には患者さんと医師、歯科衛生士やスタッフの人と人とのお付き合いが重要になっていくので、いい意味で距離の近いコミュニケーションが取れるといいですね。“あの衛生士さんに喜んでもらえるように、おうちのでケアをしっかりしよう“などと歯科医院以外でもスタッフの顔が浮かぶような歯科医院を選びたいものです。


Q.おうちで歯科医院の先生や衛生士さんの笑顔が浮かぶ、とても素敵ですね。では自宅でのセルフケアはどんなことをすればいいのでしょうか?
 
A.やはり基本の歯磨きです。歯の健康を保つためには、①歯科医院でのプロケア(オフィスケア) と②自宅でのセルフケア(ホームケア)の両輪が回らないとうまくいきません。
特にセルフケアは毎日のことなのでしっかりしていただきたいです。そして、歯ブラシだけではなく歯間ブラシもケアに加えていただきたいです。お口のケアとして、歯ブラシだけでは6割しかきれいにはなりません、歯間ブラシを加えることで8割にすることができます。。残りの2割を歯科医院のプロケアで補うことによって、健康で美しい状態を保ち続けられのです。
そして、歯ブラシなどのセルフケアグッズも安いからという理由だけで選んで欲しくないと思っています。自分の歯にあった道具を歯科医院で選んでもらいましょう。歯医医院に置いてある歯科専売品は、市販のものよりも性能が良いのです。その効果をひきだすちょっとしたコツがあるので、購入するだけでなく、その手ほどきをうけてください。
それが歯の健康を保つことにつながります。
確かに数百円ほど高いかもしれませんが、虫歯や歯周病の治療費・それにとられる時間を考えると安いと思いますよ。(笑)

 

Q.日々のセルフケアがあってこそ、歯の健康を保つことができるのですね。今後、口腔外科はどのようになっていくのでしょうか?また先生ご自身はどのようにしていきたいと思っていらっしゃいますか?
 
A.医療の診断機器がどんどん進化して、スピードも上がっています。おおよその診断はビッグデータで行い、歯科医師は最終診断を行うのみになると思います。
また事前のシミュレーションもできるようになり、治療の安全性も上がっていきます。一部の専門技術だった職人芸も一般化されるようになってきます。
再生医療がすすみ、実験室レベルでは乳歯、永久歯に続く第三の歯ができるのも夢では無くなっています。虫歯になったら口腔外科で抜歯して、その部分に歯の種をまき、新たに生やすいうことも一般的になるかもしれませんね!
 
私自身は口腔外科医は火消し、野球で言うとストッパーの役割だと思っています。観客はホームランゲームのような派手な試合の方が面白いかもしれませんが(笑)、野球は1点も入らないようなピリッと引き締まった試合が理想的。
歯科の世界に戻すと患者さんが痛い思いをせず、予防活動だけで済むような未来になるように、
口腔外科を得意とする歯科医師として広い可能性から病気のサインを早期に発見しその芽を摘んで口腔外科の出番のない診療をしてきたいと思っています。

 
Q.ありがとうございます!なんとなく未来のイメージも湧いて来ました。最後に皆さんにメッセージをお願いします。
 
A.今のご時世、コロナウィルス感染防止のための手洗いうがいが強く世の中に訴求されていますが、なぜそれにお口のケアも入らないのか疑問に思っています。
日本は歯科後進国と言われることがあります。諸外国では地位の高い人に歯並びが悪い人はいませんお口のケアもかなりしっかり行います。口にお金をかけることが当たり前と言う文化があるからです。
皆さんも何かあってからではなく、「もしかして虫歯?」「もしかして歯周病かも?」と疑いがある時点で歯科医院に来て欲しいのです。
条件はありますが、歯科医院は健康な人が行ける唯一の保険医療機関です。自分たちが支払いしている保険料を有効活用するためにも、こまめに歯科医院に行くことって実に理にかなっています。
痛いことが起こらないように歯科医院に行けば、歯医者は昔の嫌なイメージの場所ではなく、気持ちのいい場所になるのです。
誤解を捨て、歯科医院に気軽に来ていただければ嬉しいです。


 (取材日:2020年8月25日)
■取材した方
練馬桜台駅前Y’s歯科
院長   柳田 泰志氏
 
大学院にて口腔外科の博士号を取得、大学附属病院の麻酔科蘇生科、口腔外科にて勤務したのちに都内歯科医院にて勤務、歯科臨床指導医として指導にも関わっている。
現在は日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会などに多く所属し、より最新の治療を練馬区民に提供するべく、今もなお研究会や講習会で研鑚を続けている。
・練馬桜台駅前Y’s歯科
https://seeker-dental.com/dent/5475

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