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コラム>歯科トレンド

2022/05/05

重曹や塩、にがり歯磨きは歯が白くなる?虫歯予防に効果的?

一部のSNSで、重曹や塩、にがりなどを用いた歯磨きが話題になっています。重曹、塩、にがりは無添加でありながら虫歯予防効果があったり、安価にホワイトニング効果が得られると使用を推奨する人もいるようです。実際に重曹や塩、にがりには虫歯予防やホワイトニング効果があるのでしょうか。


重曹や塩、にがりでの歯磨きがネットで話題に

無添加にこだわるために、市販の歯磨き粉ではなく、ナチュラルなイメージのある重曹やにがり、塩を使った歯磨きに興味を抱く人が増えています。

また、高価なホワイトニング用歯磨き粉を使用せずとも、重曹などで歯を磨くとホワイトニング効果があるとするSNSの投稿を見かけます。重曹や塩、にがりは一般的にはホワイトニング歯磨き粉よりも安価なため、試してみる人も少なくないようです。

重曹、塩、にがりのいずれにせよ、食品用として販売されているものを歯みがき粉の代用として適量を用いる範囲であれば、全身の健康に悪影響を及ぼす可能性はそこまで大きくありません。ただし生活習慣病など基礎疾患がある人は必ず主治医に相談してから使うようにしましょう。




重曹をつけた歯磨きによる影響

重曹を用いた歯磨きは、歯の健康を考えるとあまりおすすめできません。特にホワイトニングについては、むしろ重曹を用いることで歯の着色汚れがひどくなる恐れもあります。

重曹は食品として用いられるほかに、弱アルカリ性で、粒子が大きくこすり洗いの際に研磨力が期待できるという性質から掃除に使われることもあります。しかし通常市販されている重曹の粒子は大きく、研磨力もかなり強くなります。そのため、重曹で歯を磨くと、歯のエナメル質まで傷つけてしまう恐れがあるのです。

エナメル質が傷つくと歯に着色がつきやすくなったり、知覚過敏の原因になったりする可能性があります。反面、食品用の重曹は人体に無害で安全性が高い素材です。

歯科医院でもエアフローを使ったクリーニングの際にエアフローパウダーとして重曹を使うことがあります。エアフローパウダーとして用いられる重曹は粒子を非常に細かくしているため、エナメル質を傷つける心配はありません。

日常のオーラルケアで重曹を使いたい場合は、重曹を溶かした水でうがいをするなど、ブラッシング以外で取り入れるのがおすすめです。ただし、高血圧の人は血圧に悪影響を及ぼすことがあるため重曹を用いたオーラルケアは控えるようにしましょう。




にがりをつけた歯磨きによる影響

にがりを使った歯磨きによる口内への健康効果は、明らかになっていません。ホワイトニングについても、科学的根拠はありません。にがりの主成分は塩化マグネシウムで、マグネシウムには強い殺菌作用があります。にがりを付けて歯磨きをすることで虫歯や歯周病を予防できる可能性はあります。

また、にがりにはマグネシウムだけでなくカルシウムも含まれています。マグネシウムとカルシウムはどちらも歯の健康に欠かせない栄養素です。にがり歯磨きでは、にがりで歯磨きをすることでマグネシウムやカルシウムを摂取することができると言われることが多いようです。

しかし、歯磨きで十分な量のマグネシウム、カルシウムが体内に吸収されるかどうかを明らかにしたデータなどは現時点ではありません。

ホワイトニングについては、マグネシウムにホワイトニング効果があると言う歯科医師もいますが、有効なデータは見られないようです。歯科医師によってはホワイトニング後にマグネシウムなどの無機質の摂取を控えめにするよう指導することもあります。

また、にがりは一度に大量に摂取すると高マグネシウム血症を引き起こす恐れがあります。にがりで歯磨きをする場合は使用量に注意しましょう。




塩をつけた歯磨きによる影響

塩をつけた歯磨きでは、歯肉の引き締め・収斂効果から、歯周病への好影響は期待できます。ホワイトニングについては、使用する塩によっては逆効果になる可能性もあります。

塩、とくに粒子の荒い粗塩を付けた歯磨きは昔から民間療法として伝えられています。市販の歯磨き粉にも塩を配合した商品があるほどです。塩の浸透圧で歯茎の老廃物、水分の排出が促され、一時的に歯茎が引き締まったように感じられるとされています。ただし、歯茎が引き締まることによって歯周病予防に一定の効果があると考えられますが、効果は継続性があるものではありません。

塩には殺菌効果もあるため、虫歯予防、歯周病予防にもある程度の効果があると考えられます。用いる塩の荒さによっては重曹と同じく、粒子が荒すぎて歯のエナメル質を傷つける恐れがあります。エナメル質が傷つくことで着色汚れが付きやすくなるため、ホワイトニング目的で塩を使用するのは控えた方が無難です。



重曹や塩、にがりの歯磨きは歯磨き粉よりおすすめ?

重曹や塩、にがりでの歯磨きはそれぞれメリット、デメリットがあるだけでなく、はっきりとした効果が判っていないというのが実状です。

歯科のプロが強く薦めるという類のものではありません。ネット上では一般的な歯磨き粉に含まれている成分が身体に悪影響を及ぼすことがあるため、できるだけ自然に近い素材で歯磨きをするべきと強い口調で断じる意見を見かけることもあります。

しかし、口に含むとは言え、食品と違って飲み込むものではないので、あまり心配しすぎる必要はありません。安全性にこだわりたいという時には、オーガニックにこだわった歯磨き粉もあります。

ホワイトニングについても、歯科医院で保険適応のクリーニングを受けたり、歯科専売品のステイン除去用歯磨き粉を使用したりする方が、確実な効果がありながら費用を抑えることができます。ネットの情報を鵜呑みにしすぎず、ぜひ歯科医院で相談をしてみてくださいね。



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筆者:seeker編集部

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