コラム>訪問診療
2021/02/09
オーラルフレイルとは?症状から予防までわかりやすく解説
![](/a_info/data/PIC-20210301055842.teeth-cleaning_board.jpg)
始まりは、ほんの些細な症状であり、見逃しやすく、気が付きにくいと言われている「オーラルフレイル」。皆さんはご存知でしょうか。今回はそんなオーラルフレイルについてお伝えしていきます。
オーラルフレイルとは?
オーラルフレイルとは英語で「オーラル」は『口腔の』、「フレイル」は『虚弱』を意味します。年齢を重ねると徐々に体力や気力が低下し、外出する機会が減ったり、十分な栄養が取れないために病気になる安くなったり、ひいては介護が必要になったりすることが懸念されます。このように心身の働きが弱くなり、虚弱になった状態をいいます。
![](/a_info/data/ETC02-20210301061349.periodontosis_mechanism04.jpg)
フレイルの危険性
フレイルになると要介護状態となるリスクが高まるだけでなく、自分らしい生活を送れる割合が低くなると言われています。また、フレイルは多面的な特徴を持っており、心身の衰えだけでなく、閉じこもりや孤食(一人で食事をすること)など、社会性の低下にも影響すると考えられています。フレイルには3種類あり、社会的フレイル、身体的フレイル、心理的・認知的フレイルがあります。
![](/a_info/data/ETC03-20210301061003.character_dirt (1).jpg)
- 社会的フレイル・・・閉じこもり、困窮、孤食
- 身体的フレイル・・・ロコモティブシンドローム(運動器症候群)サルコペニア(筋肉減少症)
- 心理的・認知的フレイル・・・うつ、認知機能の低下
オーラルフレイルの症状
下に該当する項目がある場合は歯科医院を受診しましょう。
- □ 滑舌が悪くなった、発音しにくくなった
- □ 食べこぼしが増えたり、飲みにくさを感じることがある
- □ 汁物にむせることがある
- □ 口に力が入らない、噛みにくい食品が増えた
オーラルフレイルと「8020運動」の関係
オーラルフレイルと関りが深い「8020運動」というものがあります。これは厚生労働省と日本医師会が平成元年から展開している運動で『80歳まで20本の歯を維持し、よく噛んで食べられるようにしよう』と推奨するものです。
![](/a_info/data/ETC11-20210301061349.old_smile.jpg)
高齢になっても健康な歯が揃っていてしっかり噛める人は、口腔の筋肉や骨格も若い状態を保ち、周囲の人とのコミュニケーションも円滑にできるため、精神的にも肉体的にも健康寿命が長いことが知られています。
筆者:seeker編集部