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2024/02/08

訪問歯科の診療内容は?目的や外来・往診の違いについて解説

訪問歯科は、患者さんの健康やQOL(生活の質)の向上を目的に、さまざまな治療を提供しています。在宅医療を受ける患者さんやその家族の中には、訪問歯科を利用した方がよいのか悩んでいる人もいることでしょう。

今回は、訪問歯科の治療目的や外来と往診の違いを解説するとともに、訪問歯科でできる診療内容についてお伝えします。

訪問歯科とは

訪問歯科とは、外来で歯科受診ができない患者さんに対して、自宅に訪問して歯科治療を行うことを指しています。ここでは、訪問歯科の治療目的と、外来や往診との違いについてお伝えします。



訪問歯科の診療目的

訪問歯科の診療目的はおもに以下の3つです。

  • 歯科診療
  • 口腔ケア
  • リハビリテーション
  • この3つを柱に訪問歯科診療が行われます。



    訪問歯科と外来の違い

    訪問歯科と外来の大きな違いとして、患者さんの健康状態やコミュニケーションのとりやすさによって治療内容を工夫している点が挙げられます。

    外来で治療を受ける患者さんの多くは、自身の意志で体を動かしたり、会話でコミュニケーションをとったりすることが可能です。

    しかし訪問歯科を利用する患者さんは、体を指示通りに動かせない場合があります。また、話すことができない、話せても聞き取りにくいといったこともあるため、コミュニケーションが難しいケースもあるでしょう。

    このような患者さんに対応するため、訪問歯科では、外来治療よりも人員を多く配置したり、適した設備を用意したりといったきめ細かな対応をしている傾向にあります。


    ▶外来における歯科治療については、次のコラムをご覧ください。
    歯医者では何をする?初診の流れ



    訪問歯科と往診の違い

    訪問歯科と往診は同じようなものと思われやすいでしょう。しかしこの2つには、明確な違いがあります。

    往診は、突発的な依頼に対し、応急的な処置を行うものです。これに対し訪問歯科は、計画的かつ継続的に行われるもので、訪問診療に分類されます。

    訪問歯科は、在宅で長期間にわたって医療を受ける患者さんに対して、定期的な歯科的サポートを目的としています。


    ▶訪問歯科の概要については、次のコラムをご覧ください。
    「歯医者に通えないけど治療したい・・訪問歯科とは」



    訪問歯科の診療内容

    続いて、訪問歯科で行う診療内容について、見ていきましょう。



    虫歯や歯周病の治療

    訪問歯科では、外来で行われるのと同様に虫歯や歯周病に対する治療が行われます。ただし、前述した通り患者さんの状態はさまざまです。そのため、患者さんの体力や状況に応じて、患者さんにとって大きな負担にならないよう治療の内容や回数を決めます。

    コミュニケーションが難しい患者さんの場合、その介護者が口腔内の状況をある程度把握しておく必要があります。介護者は虫歯や歯周病についての知識を持っておくとよいでしょう。


    ▶虫歯の仕組みや要因については、次のコラムをご覧ください。
    虫歯の仕組み、4つの要因とは?


    ▶歯周病の症状については、次のコラムをご覧ください。
    もしかして歯周病?こんな症状に要注意


    ▶フッ素による虫歯予防については、次のコラムをご覧ください。
    フッ素はむし歯予防に効果があるの?



    口腔内の状態の確認・清掃

    訪問歯科では、口の中の状態を確認すると同時に清掃も行います。歯ブラシやガーゼを使って口の中を清潔にし、抗菌剤や保湿剤などを使って口腔内環境を整えます。

    口腔内環境を整えることは、誤嚥性肺炎のリスク軽減にもつながるとされているため、在宅医療では、歯だけでなく舌のお手入れを行うことが重要です。


    ▶舌のお手入れについては、次のコラムをご覧ください。
    舌のお手入れが必要な理由とは?ケア方法を紹介



    義歯の調整・製作

    食事をしっかりとれる状態を保つことは、患者さんの健康やQOL(生活の質)に直結します。そのため、義歯の調整や製作も訪問歯科では重要な治療です。


    ▶義歯の重要性については、次のコラムをご覧ください。
    QOLに直結するからこそ、今、知っておいて欲しい 進化し続ける“義歯”の話 ~Part1~



    咀嚼や嚥下のリハビリ

    訪問歯科では、食べ物や飲み物の咀嚼や飲み込みを訓練するリハビリを行っています。食べ物をしっかりかみ砕き、飲み込むという動作には、ある程度の筋力が必要です。筋力が低下しうまく食事がとれなくなると、誤嚥しやすくなり誤嚥性肺炎のリスクが高まります。

    咀嚼や嚥下が難しくなると、経管や点滴で栄養をとることになります。食べる喜びを得る機会がなくなってしまうため、咀嚼や嚥下のリハビリをすることはQOLの点でもとても大切です。


    ▶誤嚥性肺炎や予防のために歯科でできることについては、次のコラムをご覧ください。
    誤嚥性肺炎とは?歯科で予防できること



    訪問歯科を受けるためには

    訪問歯科を受けるには、まずかかりつけの歯科医院に訪問診療できないか相談してみましょう。かかりつけの歯科医院が対応できない場合には、ほかの医療機関を紹介してくれることもあります。

    かかりつけの歯科医院がない場合は、内科などのかかりつけ医や地域の歯科医師会、ケアマネジャー、訪問看護師などに相談してみるとよいでしょう。

    訪問歯科を受けることで、口腔内の状態が悪化するのを防げ、自分の口から食べられる時間を伸ばすこともできます。自分の口から食べることは、生きる力を得ることにつながります。ぜひ訪問歯科を上手に活用してください。



    →訪問診療に対応する歯科医院選びはこちらから



    筆者:seeker編集部

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