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【歯科医師インタビュー】なるべく抜かない、根の治療知っていますか? 歯を長生きさせる『歯内(しない)療法』の最新事情 ~Part1~

インタビュー>歯内治療

2021/05/20

歯の根 , 歯根 , 歯内治療 ,  インタビュー

誰しもたとえ虫歯や歯周病になってしまったとしても、むやみに抜いたり削ったりしてしまうのではなく、なるべく自分の歯をそのまま残しておきたいと思うもの。
歯内療法(歯の神経を取る・抜く)とは歯の内部の治療、特に歯の根の中の管(根管)の処置のこと。細菌に感染した歯髄の一部を除去してなるべくその歯そのものを残す治療を指します。あまり馴染みのない用語ではありますが、実は私たちにとってごく身近な治療方法の一つ。



この具体的な治療内容や最新事情を知ることでより最善の治療を選択できるようになります。
今回は歯内療法を専門に歯を抜かない治療をモットーにされている、『マーレ日本橋デンタルクリニック』の川島先生に根の治療のキホンから、歯科医院選びまでをじっくりお話を伺いました。



本日は、よろしくお願いします。『スピーディな治療』<『ベストな治療』をモットーに歯をなるべく抜かない治療方針をされていると思いますが、まず最初に川島先生が現在の歯内(根管)治療を専門とされるまでの経歴を簡単に教えていただけますでしょうか。

もともと学生時代は親の薦めもあって、ざっくり資格を取りたいなぁと思っていて、数学が好きだったのでずっと理系にいました。
そんな中で親友が心臓が弱いこともあり、徐々に医療に興味を持つようになりました。医学部・歯学部含めて検討していたのですが、残念ながら医学部は断念して歯学部に入学。最初はぶっちゃけ仮面浪人をしながら医学部への入り直すことも考えていたのですが、いざ歯学部に入ると、入れ歯や被せものを作るのがとにかく楽しくて夢中になっていました。



私自身ももともと歯医者が大嫌いで、小学校から大学まで歯医者に全く行かなくって、お恥ずかしい話、虫歯も多かったんですよ。そのため治療で歯を抜いたり、神経をとったり、矯正もしています。治療の過程で痛い思いも随分しましたし顔が腫れてしまったこともあるので、自分が嫌な体験もしている分、患者さんには気持ちよくクリニックに通っていただけるように心がけています。



親友のご病気がきっかけで医療の道を検討して、結果歯学部に。そこで歯学部がぴったりとはまったのですね。どうやって歯内治療、そして顕微鏡を専門にするようになったのですか。

実は最初、大学を卒業する間際は正反対の分野でインプラントや補綴を極めたいと思っていましたが、社会に出て勉強していくとそもそもエンド(歯内・根)の治療ができないと、いい補綴物が入れられなかったり、インプラントになる前もしっかり根管を治療することで自分の歯を残せるということが分かり興味を持ちました。



社会人になり、たまたまいった根の治療のセミナーで神奈川大学の石井信之教授がいらっしゃって、いろいろと教わったのもきっかけになっています。学生時代から手先は器用だったので、学生の中でも目立っていたそうで、その先生も覚えていてくださったんですよ。成績ではなく手先の器用さで、ですよ(笑)。
実習でもまず1番に作業が終わって完成度も高いので、学校でも永久保存するぐらいの完成度だったんです。そんなご縁もあり、歯内療法に興味を持ち始め治療を学んで技術を磨くようになりました。もちろん歯内療法だけではなく、歯を抜かざるを得なかった場合のインプラントも患者さんにはご提案はしていて、状態によっては提携している上手なクリニックにご紹介するようにしていますが、なるべく歯は残せるような治療を心がけています。




大学卒業後は勤務医をご経験されて、この場所に開業なさったんですか?

大学卒業後、横浜で研修医として勤めたあと、ここから近い浜町のクリニックで経験を積み
2013年12月に開業しました。浜町のクリニックの先生が、今の自分の患者さんは責任をもってすべて診なさいとそのまま開業先に連れてきていいよ、言ってくださったんです。100人前後の患者さんに開業の旨を伝えていたので、大変ありがたいことにオープンする前にすでに予約は埋まった状態でした(笑)。



もともとのクリニックの先生、懐の広い先生ですね。

はい、本当にありがたいです。私自身もお引越しされる患者さんがいたら、大学の医局の先生にも相談して、引っ越し先周辺の信頼できるクリニックを紹介することも多々あります。クリニックのためというよりは患者さんがよりよくなるための最善の方法を提供したいので、症状に応じて専門の機関につなぐことが1番だと思っており、紹介することに何の抵抗もありません。インプラントもその延長上で、自分ができないわけではないですが、専門に勉強し続けているわけではないので、私が最善で最新の治療を100%提供できないのであれば、上手な先生に紹介する方がメリットが大きいと思い、ご紹介しています。



患者さん第一で最善で最新の治療のご提案をしてくれるという、とてもクリニックとして信頼と安心ができますね。ちなみにマーレ日本橋デンタルクリニック自体の特徴はどんなことでしょうか。

最初は街のほっこり歯医者というよりは、高級ホテルのようなおしゃれな空間をコンセプトにしていました。周りにちょっと自慢できるような、通うのが楽しくてテンションが少し上がるようなクリニックにしたくて内装もこだわりました。立地はもともと勤務していたクリニックから患者さんが通いやすいという観点で、距離重視で決めました。
ただこのあたりも住環境がどんどん変わりマンションが増え……という変化もあり患者さんの層も変わってきました。2~3歳の幼い子供がいらっしゃる家庭の方も増えましたね。一方、昔ながらの地主の方や問屋さんも多いので年配の方もいらっしゃいますし、患者さんの幅はとても広いです。




街の環境の変化に伴いどんどんこの地域に愛されるクリニックになっているのですね。川島ドクターご自身が歯科治療で大事にされているスキルやマインドはどんなことですか。

以前は虫歯の治療で病気を治そうという意識がとにかく強かったのですが、最近は少し変わってきています。
歯医者はコロナ禍でも後ろめたい気持ちもなく外出して通える場所なので、人とふれあえる場所の一つとして重要なのかなと思っています。そのためスタッフにも“治療”だけではなく“人”を見てほしいと伝えています。昔は穏やかな表情だった方がコロナ禍で険しい表情になっていた、ということもありますので少しでも気持ちを和らげるような、支えられるような場所になればいいなと。



また最初の頃は、とにかくいい治療や最新の治療を見つけたいと思っていたのですが、その先どうしていきたいのかと問われると言葉に詰まってしまっていたんですね。
昔はスタッフとのコミュニケーションも含めて、人と接触するのが怖いと思っていた時期もありました。その後『傾聴』を取り入れるようになり考え方もぐんと変わりました。相手の価値観もそれぞれなので、目の前の人を理解していくうちに自分自身の軸も見えてきて、自分のネガティブな部分もとらえられるようになっていったんです。



今は一日一日を丁寧に、患者さん、スタッフと接して、素敵な一日を積み重ねることがクリニックとして成長していけると思っています。どんな社会的な状況においても柔軟に対応して「楽しむ」を大切にできれば通って頂く患者さんや勤めるスタッフを「笑顔」にできるのではないでしょうか。



(Part2)に続く





■取材した方
マーレ日本橋デンタルクリニック
院長・歯学博士
川島栄里子氏

歯科大学卒業後、横浜で研修医として勤務、その後浜町のクリニックで経験を積み、2013年に東日本橋駅近くに
マーレ日本橋デンタルクリニックを開業。根管治療を専門にしながら、長く健康を保てる歯の状態を維持できることを治療方針にしている。患者さんとのコミュニケーションを何よりも大切に、自身も2児のママであることから妊婦さんや小さいお子様を持つご家族に対しても親身なサポートをしている。



・マーレ日本橋デンタルクリニック
https://seeker-dental.com/dent/15646


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