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コラム>歯科トレンド

2022/06/30

ストレスをタバコで発散する人に知ってほしい、喫煙と歯周病の関係性とは?

喫煙によるリスクは至る所で喚起されており、「耳にタコ」という人も少なくないでしょう。しかし、ここで敢えて喫煙によるリスクを取り上げるのは、喫煙による歯茎へのダメージが、身体の健康まで害する恐れがあるということを伝えるためです。タバコとお口の健康の密接な関係性について、詳しく解説します。


喫煙が歯に与えるダメージ

まず喫煙がお口に与える影響について、簡単にまとめてみましょう。



黄ばみ

室内でタバコを吸う習慣があると、壁や天井が黄ばんでしまいます。喫煙者のお口の中では、これと同じ現象が起こります。歯の黄ばみは、タバコに含まれるタールが歯に付着して起こるといわれています。タールは、ネバネバとした性質を持っています。

そのため、タールが付着した喫煙者の歯は、非喫煙者の歯よりも食べカスなどの色が沈着しやすくなり、より一層黄ばんでしまうのです。



歯茎の黒ずみ

健康な歯茎はピンク色をしていますが、喫煙者の歯茎は黒ずんでいます。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素によって歯茎の毛細血管が収縮し、血流が悪くなることで歯茎は黒ずんで見えるようになります。

また、喫煙によってメラニン色素が増加することも、歯茎が黒ずむ原因です。非喫煙者の場合、ビタミンCがメラニン色素の生成を抑制します。喫煙することで、ビタミンCが奪われるだけでなく、タールに含まれるベンツピレンという成分がメラニン色素を多く発生させて、黒く色素沈着を起こすのです。



歯周病

喫煙者は歯周病になりやすく、悪化しやすいといわれています。まず、タバコに含まれるタールは、唾液の分泌量を減らします。すると歯周病の原因となるプラークや歯石が歯に付着しやすくなります。

また、ニコチンはお口の免疫を低下させるので、喫煙者は歯周病菌に感染しやすくなります。さらに、喫煙によって発生する一酸化炭素は歯の周りの組織への酸素供給を妨げ、プラークや歯石の形成を進行させます。

歯周病は、お口の中の病気で唯一の生活習慣病といわれています。ただでさえ進行が遅く、痛みが出にくいのに、喫煙の習慣があると余計に歯茎の腫れや出血に気がつきにくく、悪化してから発覚するケースが多くあります。




身体の健康とお口の健康のつながり

お口の中の歯周病菌や菌が作った炎症物質は、唾液や血液を通って身体に入り、さまざまな病気を引き起こします。例えば、お口の中の歯周病菌が喉を通って身体に入ると、心臓の血管をつまらせて動脈硬化症や大動脈瘤を引き起こすことがあります。

また、歯周病菌が肺に入り込むと炎症を起こし、誤嚥性肺炎や嚥下性肺炎になることもあります。妊娠中の場合、歯周病にかかっていると早産のリスクが高まるといわれています。

歯周病が進行して歯茎の炎症が悪化すると、歯周組織のプロスタグランディンE2が増えます。プロスタグランディンE2は、陣痛促進剤として使用されており、子宮の収縮や子宮頚部の拡張作用を促すため、早産を引き起こすことがあるのです。

このように、歯周病菌はお口の中の病気にとどまらず、全身を巡ることでさまざまなトラブルを引き起こすことがわかります。




喫煙者の歯のメインテナンス

どうしても喫煙を辞められない、禁煙がかえってストレスになる場合、歯のメインテナンスは欠かすことができません。喫煙の量やお口の状態により、通う頻度は異なります。まず、指定された頻度で歯科医院に通いましょう。

歯科検診ではブラッシング指導を受け、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを正しく使ったケアを自宅で行う必要があります。そのほかに、むし歯や歯周ポケットのチェック、歯のクリーニングや歯石の除去、粘膜の病気チェックなどを行います。お口の中を定期的にチェックして、歯周病をはじめとする病気の早期発見、早期治療が重要なのです。



休暇やリフレッシュでストレス発散

喫煙と歯周病の関係性を理解すると、ストレスを喫煙以外で発散する必要性を感じたのではないでしょうか。喫煙がストレス発散になっている場合、別のストレス発散方法を見つけるといいでしょう。休暇をとってリフレッシュをしたり、趣味に没頭したりすることをおすすめします。

日常生活では、休憩中につい足が喫煙所に向いてしまう場合、喫煙の代わりに軽いストレッチをするなど、休憩時間の使い方を見直しましょう。食事に行く際は、喫煙スペースのない店を選んだり、タバコを持ち歩かないようにしたりし、喫煙する環境に距離を置くことも効果的です。




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筆者:seeker編集部

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