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2025/02/13
過剰歯の治療の必要性について解説

過剰歯は、将来の口腔トラブルを防ぐために早期対応が重要です。 過剰歯を放置すると、隣接する歯を圧迫し、歯列が乱れたり噛み合わせに問題を生じる原因になります。
また、清掃が行き届きにくい位置に過剰歯が生えてしまうことがあります。その場合、虫歯や歯周病のリスクが高まり、口腔全体の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
過剰歯について正しく理解することが、予防と治療の第一歩です。
過剰歯とは?
「過剰歯」という言葉をご存じでしょうか?過剰歯とは、通常の歯の本数より多く生えている余分な歯を指します。
一般的な歯の本数は、大人で32本(親知らずを含む)、子どもで20本(乳歯)ですが、それ以上の歯が発生することがあります。
過剰歯は、生え方や位置に問題を抱えることが多いため、放置すると他の歯や口腔環境に悪影響を及ぼします。そのため、過剰歯が確認された場合は、早めに歯科医に相談し、適切な処置を受けましょう。
過剰歯が見られる原因と頻度
過剰歯は歯胚(歯のもととなる組織)が胎児時代に過剰に形成されたり、分裂したりすることによって発生します。
原因は不明ですが、遺伝的要因もあるといわれています。親・祖父母に過剰歯の経験がある場合、子ども・孫にも発生する可能性が高まるとされています。
過剰歯の発生頻度は全人口のうち約1〜4%とされていて、乳歯よりも永久歯で発生することが多いです。一般的には上顎の前歯部分に出現します。
目立たない場所に埋もれている場合もあるため、本人が気づかないことも少なくありません。

過剰歯がもたらすリスクと症状
過剰歯を放置すると、さまざまなリスクや症状が現れる可能性があります。
歯並びが悪くなる
本来生えるはずのない過剰歯が生えることで、歯列が乱れ、歯列がねじれたり前後にずれたりします。矯正治療が必要になる場合もあります。
痛みが生じることがある
過剰歯の位置や生え方によっては、歯茎や隣接する歯を圧迫し、痛みや炎症を伴うことがあります。
特に、過剰歯の大半が歯茎や骨の中に埋もれている場合、周囲の組織が腫れたり違和感を覚えることもあります。
永久歯が生えてこなくなる場合がある
過剰歯が歯茎の中に埋もれていると、正常な永久歯がその位置に生えてこられないこと(萌出障害)があります。
萌出障害を放置すると、後に矯正治療が必要になるリスクが高まります。

過剰歯の診断方法
過剰歯の診断には、歯科医院での専門的な検査が必要です。以下のような方法が一般的に行われます。
レントゲン検査
レントゲンは、過剰歯の有無や位置を確認するために最も一般的な手段です。埋伏過剰歯(歯茎の中に埋まった過剰歯)の有無や隣接する歯への影響を詳しく調べることができます。
また、必要に応じてCTスキャンを用いることで、周囲の骨や神経との関係性を詳細に把握することが可能です。

過剰歯の治療と経過観察
過剰歯が確認された場合、その治療法は歯の状態や周囲への影響に応じて異なります。
治療が不要なケース
過剰歯が他の歯や歯茎に影響を与えていない場合、必ずしも治療が必要とは限りません。その場合、定期的な歯科検診を通じて過剰歯の状態を経過観察していきます。
抜歯が必要な場合
過剰歯が歯列や噛み合わせに悪影響を及ぼしている、あるいは痛みや炎症の原因になっている場合、抜歯が必要になることがあります。施術は局所麻酔で行われることが一般的で、術後は通常の抜歯同様数日間の安静が必要です。
埋伏過剰歯の除去
埋伏過剰歯が永久歯の萌出を妨げている場合、外科手術による除去が検討されます。この処置は一般的な歯科医院の他、歯科口腔外科で行われます。
術後に一時的な腫れや痛みが出ることがありますが、適切なケアを行うことで早期に回復します。
気になる場合は早めに歯科医へ相談を!
過剰歯は、余分な歯が生えてくる以外の症状が現れないことも多いため放置されがちです。
しかし、見た目や口腔内環境に影響を及ぼす可能性がある場合、早期の対応が求められます。特に、歯並びや噛み合わせに悪影響が出る前に歯科医に相談することが、口腔の健康を守るために重要です。
筆者:seeker編集部