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2025/03/06
歯のうずきの原因は?原因と対処法を徹底解説

「歯がズキズキと痛む」、「何もしなくても歯がうずく」そんな不快な経験をしたことはありませんか?歯のうずきにはさまざまな原因があり、放置するとさらに深刻な口内トラブルを招く可能性があります。
本記事では、歯のうずきが起こるメカニズムから主な原因、自宅での対処法、そして歯科を受診する重要性について徹底的に解説します。
歯のうずきが起こるメカニズム
歯のうずきや痛みは口内トラブルの発生を知らせる警鐘です。軽いうずきだからといって放置すると、状況が悪化しかねません。
歯の神経や周囲の組織が刺激される仕組み
歯のうずきは、歯の神経やその周囲の組織が刺激されることで発生します。歯には歯髄と呼ばれる神経や血管が通っている部分があります。
この歯髄が炎症を起こしたり、圧力を受けたりすると、脳に信号が送られ、痛み・うずきとして認識されるのです。
痛みを増幅させる要因もいくつかあります。
具体的には、
- 1. 温度の変化(冷たいものや熱いものを食べた際に感じる痛み)
- 2. 物理的な刺激(食事中に固いものを噛んだときの圧力)
- 3. 細菌感染(虫歯や歯周病による歯髄の炎症)
このような刺激が蓄積されることで、ズキズキとしたうずきが強まることがあります。
痛みが放置されるとどうなるか
歯の痛みやうずきを放置してしまうと、状況は悪化する一方です。以下のようなリスクが考えられます。
①痛みが慢性化する
初期段階では軽い痛みやうずきでも、治療を受けないことで炎症が進行し、痛みが持続する、あるいは悪化する可能性があります。
②他の健康被害に発展する
例えば、歯周病が進行すると歯を支える骨が溶けて歯が抜ける原因になります。また、炎症が全身に波及して心臓病や糖尿病の悪化を招く可能性も高まりかねません。
③緊急治療が必要になる
歯のうずきを我慢し続けると、ある日突然耐えられない激痛に襲われることがあります。この場合、急患対応の治療が必要になり、費用や完治までの日数が倍増するでしょう。

歯のうずきの主な原因
歯のうずきの主な原因には、虫歯の放置や根管内の細菌感染、歯周病の進行などがあります。
これらの問題が進行すると、歯の神経に炎症が広がる「歯髄炎」や、歯を支える歯根膜に負担がかかる「歯根膜炎」が起こることがあります。
また、歯ぎしりや噛み締めも症状を悪化させる要因です。特に、これらが複合的に影響すると、歯の根の先に炎症が起こる「根尖病巣」につながる場合があります。
根尖病巣(歯の根の先の炎症)
根尖病巣とは、歯の根の先端部分に炎症が起こり、膿が溜まっている状態です。
虫歯や根管治療が必要な場合に起こることが多く、膿による圧力が神経を刺激し、ズキズキとした痛みを引き起こします。
虫歯の放置や根管内の細菌感染
初期の虫歯を放置することで、やがて歯の奥深くにまで細菌が侵入します。
結果として、歯髄(神経)が細菌に感染し、強い痛みや炎症が起こります。
適切な根管治療が行われない場合も同様に、歯の根元に問題が残り、痛みが継続することがあります。
歯周病の進行
歯周病は歯を支える組織に炎症を引き起こす病気で、進行すると歯茎が下がり、歯が揺れやすくなります。 進行した状態では、ちょっとした刺激でも歯やその周辺に痛みを感じることが増えます。
歯髄炎(歯の神経の炎症)
虫歯や外傷が原因で歯髄が炎症を起こすと、耐えがたい痛みが発生します。炎症が進むと、痛みは断続的に起こるようになり、特に夜間に強まる傾向があります。
歯根膜炎(歯ぎしりや噛み締めによるもの)
歯ぎしりや過剰な噛み締めが続くと、歯を支える「歯根膜」に負荷がかかり、炎症が発生します。 これが歯の痛みや違和感の原因となることがあります。

自宅での対処法と注意点
突然痛みだした時の自宅での対処法と注意点を知って症状を軽減できるポイントをいくつか紹介します。
冷やす/温めるのどちらが適切か?
冷やすことが推奨されます。冷たいタオルや氷のうを頬に当てることで炎症が抑えられ、痛みが和らぐことがあります。
温めると血流が増えて炎症が悪化する恐れがあるため、避けるようにしましょう。
痛みがある部分を触る、刺激するのはNG!
痛みがあるからといって患部を舌や指で触れると、細菌が広がる可能性があります。
また、無理に硬いものを噛むことも、さらに痛みを悪化させる要因となるので注意が必要です。
痛みが和らいだと感じても自己判断で放置しない
一時的に痛みが引いたからといって安心してはいけません。
根本的な問題が解決されていない場合、再び症状が現れる可能性があります。
早期に歯科を受診することが大切です。

歯科受診をためらわないで!
歯のうずきは、体からのSOSサインです。
痛みの原因を特定し、適切な治療を受けることが何よりも重要です。「痛みがあるときだけ歯科に行く」ではなく、定期的な検診で歯の健康を保つことが理想です。
また、最近の歯科医療では痛みを最小限に抑えた治療法が普及しており、リラックスして受診できる環境が整っています。
「怖い」「時間がない」などの理由で先延ばしにせず、ぜひ近隣の歯科医院を予約しましょう。
筆者:seeker編集部