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2022/01/17

授乳中の歯科治療 麻酔は使える?お薬は?

授乳中であっても、歯や歯茎の痛みは容赦なくやってきます。一刻も早く痛みから解放されたいものですが、気になるのが歯科治療による麻酔や投薬です。レントゲンや麻酔、薬の服用は、母乳を通し赤ちゃんに影響を与えるのでしょうか?授乳中の歯科治療について、詳しくまとめてみました。


授乳中の歯科治療、いつからできる?


授乳中に歯科治療はできるのか?

授乳中であってもお口の中に痛みや違和感を覚えたら、歯科治療を受けることは可能です。

授乳中はホルモンバランスが崩れ、唾液の分泌量が減ったり嗜好に変化が起きたりし、むし歯や歯周病になりやすい体質になるといわれています。


また赤ちゃんのお世話に追われ、自分の歯を磨かないまま眠ってしまったり、きっちりとした食事の時間が確保できず食べる回数が増えたりするなど、生活習慣の乱れによりむし歯や歯周病になりやすい環境に置かれます。むし歯や歯周病の放置はとても危険です。お口の中の痛みは我慢せず、歯科医院を受診しましょう。初期のむし歯や歯周病であれば、短期間で授乳中の身体への影響を考慮した治療ができますが、放置したために症状が悪化してしまうと、治療における母体への負担も大きくなってしまいます。



出産直後の治療

出産直後の場合、身体が元に戻っていないため歯科治療の負担が大きくなります。急ぐ必要のない軽度のむし歯や歯周病などの軽い治療であれば治療可能ですが、抜歯などの治療後に強い痛みや腫れを伴う治療は、体力の回復を優先し応急処置にとどめたほうがよいでしょう。



授乳中であることを加味した治療計画を

通常、産後1ヶ月程経ってからであれば、通常の歯科治療を行うことができます。歯科医院を受診する時には、授乳中であることを歯科医師にしっかり伝えましょう

それによって赤ちゃんの月齢や授乳間隔を考慮し、母乳に影響のないような方法やスケジュールで治療をすることができます。そうはいっても、麻酔やレントゲン、薬の服用には不安があるかもしれません。そこで、それぞれが母乳に与える影響について掘り下げてみましょう。



麻酔やレントゲンが母乳に与える影響

一般的に歯科で使用するレントゲン撮影は、放射線量がわずかで散乱も少ないため、歯やアゴを撮影したとしても、母乳に影響を及ぼす恐れはほぼないと考えられています。



また、レントゲン撮影をする際には防護エプロンを着用することで、身体をカバーすることができます。加えて、歯科治療で使用する局所麻酔薬は極少量です。局所麻酔の場合、その作用が全身に広がることはなく、注射した部位で吸収・分解されます。麻酔の作用時間も短いため、母乳に影響を及ぼす心配はほとんどないとされています。

しかし、代謝機能が未熟な3ヶ月くらいまでの乳児に授乳をしている場合、麻酔は控えた方が良いとされるケースもあるので、歯科医院でむし歯や歯周病の進行度合いなどを踏まえて相談をすると良いでしょう。



授乳中のお薬の服用

歯科治療では、痛みが強くなった時の痛み止め(鎮痛剤)や歯茎の腫れを抑える腫れ止め(抗生物質)を服用するケースがあります。授乳中の歯科治療自体は可能ですが、鎮痛剤や抗生物質の中には成分が母乳に移行する恐れがあり、授乳中には服用できないものがあります。授乳中であることをあらかじめ伝えておけば、安心して服用できる薬を処方してもらえるので、歯科医師や薬剤師としっかり相談して薬を選びましょう。



市販薬を勝手に飲むことは絶対に避けてください。もし授乳中に痛みや腫れを伴う大規模な治療が必要になったら、薬の服用を避けるためにも応急処置に留める場合もあります。



授乳は続けてもいいの?

授乳中に歯科治療を受けても、授乳をやめる必要はありません。身体に与える影響を最小限に抑えるとはいえ、心配であれば授乳を済ませてから歯科治療を受けたり、治療後の授乳分まで搾乳して保存をしておいたりすると、時間を開けての授乳ができるのでより安心して治療が受けられるのではないでしょうか。またお薬を服用している間は授乳をやめ、ミルクで代用するのもいいでしょう。



母子感染に注意

授乳中に治療が必要になった場合、特に気をつけて欲しいのは母子感染による赤ちゃんのむし歯です。

また、むし歯を悪化させないこと、これ以上増やさないことも大切です。様々な心配事があるかと思いますが、授乳中でも安心できる方法を選び、お口の健康を守りましょう。こまめなうがいやデンタルリンスの使用、キシリトール入りのガムを間食にするなども有効です。



乳幼児を育てていると自分のことは後回しにしてしまいがちですが、デンタルケアは子供のむし歯を防ぐためにも必要なメインテナンスになります。これまで以上にしっかりと取り組みましょう。


▶赤ちゃんにむし歯が移る仕組みについては次のコラムをご覧ください。
赤ちゃんにキス、虫歯ってうつる??



→小児歯科の治療が得意な歯科医院選びはこちらから



筆者:seeker編集部

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