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2024/04/11
歯の詰め物が取れた!自分で処置する前に知っておきたい対処法

「治療した歯の詰め物や被せ物が取れてしまった。取れたものは捨ててしまってもいいのか、あるいは自分で何か処置をしたほうが良いのか……」と悩んだ経験がある人も多いのではないでしょうか。 今回は、歯の詰め物や被せ物が取れてしまう原因や、取れてしまった時の対処法について詳しく解説していきます。
詰め物や被せ物が取れる原因
詰め物や被せ物はなぜ取れてしまうのでしょうか。まずはその原因を見ていきましょう。
二次カリエス
歯の詰め物や被せ物が取れてしまう主な原因の一つが「二次カリエス」です。二次カリエスとは、一度治療した部分の詰め物や被せ物の隙間にプラークが溜まるなどして、二次的に虫歯ができることをいいます。 詰め物や被せ物の間に虫歯ができると、虫歯菌によって歯が徐々に溶かされ、詰め物や被せ物の適合性が悪くなります。結果として詰め物や被せ物が外れてしまうのです。

経年劣化
歯の詰め物や被せ物に使われている材料が劣化・腐食したために、突然詰め物や被せ物が外れてしまうことがあります。 詰め物や被せ物を歯に接着する際に使用する一般的な歯科用のセメントは、少しずつですが唾液によって溶ける性質を持っています。そのため、治療から長期間経過すると接着力が弱くなってしまうことがあるのです。
噛み合わせの変化
噛み合わせの変化も、歯の詰め物や被せ物が取れてしまう原因の一つとして考えられます。 詰め物や被せ物を装着した直後はしっかりと歯に合っていても、姿勢の悪さや頬杖を突く癖などが原因で、少しずつ噛み合わせが変わってしまうことがあります。その結果、詰め物や被せ物が外れやすくなってしまうのです。

歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は歯に大きな負担がかかっている可能性が高く、日常的に歯へのダメージが続くと、詰め物や被せ物も取れやすくなってしまいます。 歯ぎしりや食いしばりなど無意識のうちに行っている癖がある場合は、詰め物や被せ物が割れたり欠けたりといったトラブルに繋がることも多いため注意が必要です。
詰め物や被せ物などが取れた場合の対処法
ここからは、詰め物や被せ物が取れてしまった時の具体的な対処法を見ていきましょう。
すぐに歯科医院へ連絡する
詰め物や被せ物が取れてしまったら、まずは歯科医院に連絡しましょう。 痛みもないし反対の歯で噛めるからといって、詰め物や被せ物が取れたままの状態にしていると、虫歯や歯周病などが悪化するなどトラブルが起こることもあります。 詰め物や被せ物をしてもらった歯科医院で診てもらうことができなくても、近くの歯科医院などに連絡し、受診することが大切です。
取れた詰め物や被せ物があれば保管する
取れてしまった詰め物や被せ物が手元にある場合は保管し、歯科医院を受診する際に持参しましょう。再利用できることもあります。 詰め物や被せ物はそのまま放置すると、乾燥により変形することがあります。保管する際はそのまま放置せず、蓋つき容器やチャック付きの袋などの容器に入れておくと良いでしょう。
自分で付け直さない
自分で無理に付け直すと詰め物や被せ物が変形したり、歯を傷つけてしまったりすることがあります。また、歯と詰め物や被せ物の間に隙間ができ、そこから虫歯になる可能性もあります。 さらに歯科医院では、詰め物や被せ物を装着する時に噛み合わせを調整しているため、自分で付け直すことで噛み合わせが悪くなってしまうこともあるでしょう。 歯科用の接着剤は家庭用のものとは異なります。自己判断で市販の接着剤などを使用すると再治療が難しくなることもあるため注意が必要です。
詰め物や被せ物が取れた歯は特にしっかりと歯磨きをする
詰め物や被せ物が取れてしまった歯は、食べ物のカスが詰まりやすいです。また、歯の内側のやわらかい部分がむき出しになっているため、虫歯になりやすくなっています。 すぐに歯科を受診できない場合は、しっかりと歯磨きを行い清潔な状態を保つことが大切です。
詰め物や被せ物が取れた歯を使わないように意識する
詰め物や被せ物が取れてしまった歯を使うと、噛む時に歯にかかる力でひびが入ったり割れてしまうこともあります。これは、詰め物や被せ物が取れてしまうと歯が弱くなってしまうためです。 最悪の場合、抜歯することになりかねないため、詰め物や被せ物が取れてしまった歯で硬いものなどを噛まないように注意しましょう。
熱いもの・冷たいものを摂取しない
詰め物や被せ物が取れてしまった歯は、刺激に非常に敏感な状態になっています。熱いものや冷たいものを飲んだり食べたりすると、温度差が刺激となってしみたり痛みを感じたりすることがあります。 特に飲み物は口の中全体に広がるため、詰め物や被せ物が取れている間は避けるのが無難でしょう。

詰め物や被せ物が取れた歯をそのままにしておくとどうなる?
詰め物や被せ物が取れた歯をそのままにしておくことで、どのような影響があるのでしょうか。
うまく噛めなくなる
詰め物や被せ物を付ける際は、詰め物や被せ物が入っている状態で噛み合わせを調整します。そのため、詰め物や被せ物が取れてしまうと噛み合わせが合わなくなり、うまく噛めなくなってしまうのです。 また噛む力が弱くなってしまったり、顎や頭に痛みを感じたりするなど、様々な不調につながることもあります。
虫歯や歯周病になりやすくなる
詰め物や被せ物が取れたままの状態にしておくと、取れた部分に汚れが溜まりやすくなり、虫歯や歯周病に繋がることがあります。詰め物や被せ物が取れてしまったら、そのままにせず早めに治療することが大切です。
筆者:seeker編集部