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2023/06/22
歯科治療で起こる金属アレルギーとは?症状や対策を紹介
歯科治療で金属アレルギーが起こることがあるのをご存じでしょうか。歯科治療による金属アレルギーの原因として最初に思い浮かぶのは、虫歯治療などに使われる銀歯かもしれません。しかし、歯科治療に使用される金属は銀歯以外にもあります。 今回は、歯科治療によって金属アレルギーが起こる仕組みのほか、金属アレルギーを起こす可能性のある歯科治療や、金属アレルギーの症状をお伝えします。金属アレルギーを起こしにくくするための対策についても見ていきましょう。
歯科治療で起こる金属アレルギーとは?
歯科治療では、さまざまな金属を使用します。虫歯治療に使用される銀歯は、銀などの金属を使って作られているため、金属アレルギーを起こす可能性があります。 まずは、歯科治療で金属アレルギーが起こる仕組みと、銀歯以外に金属アレルギーが起こる可能性がある歯科治療について見ていきましょう。
歯科治療で金属アレルギーが起こる仕組み
歯科治療では、さまざまな金属を使用します。虫歯治療に使用される銀歯は、銀などの金属を使って作られているため、金属アレルギーを起こす可能性があります。 まずは、歯科治療で金属アレルギーが起こる仕組みと、銀歯以外に金属アレルギーが起こる可能性がある歯科治療について見ていきましょう。
金属アレルギーが起こる可能性のある歯科治療
金属アレルギーは、口の中に装着した金属が少しずつ金属イオンとなって溶けだすことが原因で起こります。口の中はだ液などで常に湿っているため、金属が金属イオンとして溶解しやすい環境です。 溶けだした金属イオンは、体内のタンパク質と結合して新たなタンパク質になります。この変性したタンパク質を体が異物と判断するため、アレルギー反応を起こすのです。
金属アレルギーが起こる可能性のある歯科治療
金属アレルギーが起こる可能性のある歯科治療は、被せ物や詰め物に使用される銀歯だけではありません。例えば、メタルボンドと呼ばれる被せ物は、金属アレルギーが起こる可能性があります。 メタルボンドとは、金属で土台を作り、表面をセラミックなど審美性の高い素材で覆ったものです。オールセラミックなどに比べて安価で、天然歯とほぼ変わらない見た目になるメリットがあります。しかし、内側の金属が溶けだすことで金属アレルギーを起こしたり、歯茎が黒くなったりする可能性があることが知られています。 金属を使用した入れ歯や差し歯を装着する場合は、金属アレルギーが起こるリスクを頭に入れておきましょう。
歯科治療における金属アレルギーの症状
ここからは、歯科治療で起こる金属アレルギーの症状について見ていきます。
口腔内の症状
口の中の症状には以下のようなものがあげられます。
歯茎の着色については、金属アレルギーの直接的な症状ではありません。しかし、金属イオンが溶解することによって歯茎が黒く着色することがあるため、歯茎の着色は金属アレルギーの症状の指標となります。
▶歯茎が黒くなる症状については、次のコラムをご覧ください。 差し歯の根元が黒い?これって虫歯?
全身に起こる症状
全身に起こる症状として以下のようなものがあげられます。
全身症状は皮膚症状以外にもさまざまなものがあり、症状に悩んでいたとしても原因が金属によるものと気が付かない場合があるでしょう。
その他の症状
金属アレルギーの症状ではありませんが、歯科治療で金属を使用することで「ガルバニックショック」が起こる可能性があります。 フォークやアルミ箔など金属製のものを噛んだ時に、ピリッとするような感覚を経験したことはありませんか。これがガルバニックショックとよばれるものです。 ガルバニックショックは、金属と銀歯がだ液を通じて接触し、ガルバニー電流が発生することで起こる現象。ガルバニー電流は、嫌な感覚を得る以外に、自律神経の乱れといった悪影響を及ぼすともいわれています。
歯科治療でできる金属アレルギー対策
金属アレルギーの可能性がある人が歯科治療を行う場合、まずはアレルゲンの特定が必要です。歯科医に金属アレルギーについて伝え、検査を受けるようにしましょう。金属アレルギーであることが確定したら、体質に合った素材で歯科治療を行います。 歯科治療に使う金属以外の材料として、以下のようなものがあります。
歯科医とよく相談して歯科治療を受けるようにしましょう。
▶メタルフリーの詰め物については、次のコラムをご覧ください。 奥歯の被せ物、セラミックと金属どちらを選ぶ?メリット・デメリット徹底比較!
歯科治療で金属アレルギーを起こさないためには
金属アレルギーを起こさないためには、金属を使わない歯科治療を受ける必要があります。それと同時に、そもそもそういった治療を受けなくてすむよう、毎日のセルフケアをしっかり行うことも大切です。日頃から口腔内をきれいに保ち、虫歯や歯周病などにならないようにしましょう。
筆者:seeker編集部