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2024/11/28
歯科でレントゲンを撮る理由!種類や安全性などの基礎知識を解説
歯科でときどき撮る「レントゲン」。なぜ必要なのか、安全性はどうなのか、疑問に思ったことはありませんか?
この記事では、歯科のレントゲンについての基礎知識を詳しく解説します。レントゲンで何がわかるのか、レントゲンの種類、そして安全性に関する情報まで、疑問にお答えします。
歯科のレントゲンとは
歯科のレントゲン撮影は、わたしたちの口腔内の状態を詳しく調べるために行います。X線を使用すると、肉眼では見えない歯や顎の内部の状態が明らかになるため、虫歯・歯周病・顎の異常など、さまざまな口腔内のトラブルに対し、適切な治療計画を立てることができます。 レントゲン撮影は、定期的な歯科検診の一部として行われることが多く、口腔内の健康維持に欠かせない役割を果たしてるのです。
歯科のレントゲンでわかること
虫歯(う蝕)の有無と進行状態
レントゲン画像では、虫歯は黒い影で映ります。虫歯が進行すると、その影はより大きく、より黒くなります。虫歯の進行度がわかるため、詰め物や被せ物などの処置が必要か判断できるのです。
歯周病の進行状態
歯周病が進行すると、歯を支える顎の骨が溶けて下がってしまいます。レントゲンに映った顎の骨の高さで、歯周病の進行度がわかるのです。また、歯肉の下に隠れた歯石(縁下歯石)は肉眼では見えないため、レントゲンは不可欠です。
親知らずの位置と向き
親知らずは、生えてくる位置や向きによってトラブルを起こすことがあります。レントゲン撮影により、親知らずの正確な位置と向きを確認することができます。レントゲンを撮ることによって親知らずが周囲の歯に与える影響や、抜歯の必要性、さらには抜歯の難易度を判断することができるのです。
顎の骨の異常
レントゲン画像で、顎の骨の中に影が見つかることがあります。影は、嚢胞(のうほう)や腫瘍(しゅよう)の可能性があります。嚢胞や腫瘍は、初期段階では症状がないことが多いため、レントゲン撮影で偶然発見されることも多いです。歯科の定期検診で見つかった場合は、早期発見・早期治療に繋がるでしょう。
過去治療の状態確認
レントゲン画像で詰め物や被せ物の状態、根管治療の経過、インプラントの状態などがわかります。現在の口腔内の状態を正確に把握したり、必要であれば今後の治療計画を立てたりするために非常に重要です。
歯科のレントゲンの種類と安全性
デンタルX線写真
デンタルX線写真は、最も一般的な歯科のレントゲンです。口の中にフィルムを入れて撮影するため、口内法とも呼ばれます。1枚で2〜3本の歯の状態を詳しく知ることができ、虫歯の進行度や歯の根の状態を確認するのに適しています。撮影時間が短いだけでなく、防護服を着用するため、ほぼ被爆の心配はありません。
パノラマX線写真
パノラマX線写真は、上下の歯列全体と顎の骨を一枚の画像で撮影する方法です。10~15秒かけて顔の周囲を撮影します。歯並び、親知らずの位置、顎関節の状態などを一度に確認することができます。また、顎の骨の異常や嚢胞なども発見しやすいのが特徴です。被ばく量は、デンタルX線写真と同様、非常に少ないです。
セファロX線写真(セファログラム)
セファロX線写真は、頭部全体を側面から撮影します。顎の形や歯並びを確認するのに役立ち、治療効果も確認できるため、主に矯正治療で使用されます。被ばく量は、デンタルX線写真やパノラマX線写真と同程度で、非常に少ないです。
歯科用CT
歯科用CTで撮影すると、歯や顎の立体的な構造が3D画像で確認できます。ほかの歯科レントゲン写真よりも口腔内の詳細な状態がわかり、インプラント治療の計画や、複雑な根管治療の際に撮影されることが多いです。被ばく量は他の方法よりもやや多いため、撮影の必要性は患者の状態に応じて慎重に判断されます。
歯科のレントゲンの安全性
歯科のレントゲンは1回あたり0.01~0.03シーベルトと被ばく量がとても少なく、安全性が高いとされています。最新のデジタルレントゲンでは、従来のフィルム式と比べてさらに被ばく量を抑えることができます。
ただし、不必要な被ばくを避けるため、歯科医師の判断に基づいて適切な頻度で撮影を行うことが重要です。妊娠中の方や小児の場合は、担当の歯科医師に相談することをおすすめします。
▶歯科のレントゲンの安全性については、次のコラムもご覧ください。 歯科のレントゲンって安全?何が分かる?
まとめ
歯科のレントゲンは、虫歯、歯周病、親知らずの状態など多くの情報を得ることができます。適切な診断と治療計画を立て、私たちの口腔内の健康を維持するための重要なツールと言えるでしょう。
安全性についても、技術の進歩により被ばく量が大幅に低減されています。歯科のレントゲンについて不安や疑問がある場合は、遠慮なく歯科医師に相談し、安心して必要な検査を受けるようにしましょう。
筆者:seeker編集部