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コラム>歯科トレンド

投稿日:2025/08/04

更新日:2025/08/04

在宅介護での口腔ケア、正しくできていますか?家族のために知っておきたい基本

高齢の家族を自宅で介護する中で、日々の食事や排泄、身体の清潔保持には気を配っていても、口腔ケアはつい後回しになることはありませんか?
しかし、口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防や、全身の健康状態の維持にも大きく関わっています。

本記事では、在宅介護における口腔ケアの基本から、実践に役立つグッズなどをご紹介します。


高齢者の口腔ケアは健康寿命に直結

高齢者の健康を守るうえで、口の中のケアは重要です。年齢を重ねると、歯や歯茎の状態が悪くなったり、唾液の分泌が減ったりすることで、口腔内の衛生環境が悪化しやすくなります。

この状態を放置してしまうと、歯周病菌や虫歯菌などの細菌が増え、唾液や食べ物とともに気道に入り込むことで、「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こすことがあります。

誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が誤って気管に入ることで肺が炎症を起こす病気です。肺炎及び誤嚥性肺炎は、厚生労働省の調査によると高齢者の死亡原因の中でも上位という結果が出ています。
特に、飲み込む力(嚥下機能)が低下している方は、わずかな食べかすでも肺炎を引き起こすリスクが高まります。

また、虫歯や入れ歯の不具合、口内炎などで口の中に痛みがあると、食事をするのが苦痛になり、食欲が低下します。その結果、栄養不足や脱水症状を引き起こし、体力や免疫力が落ちてしまうのです。


▶口腔機能の衰えが見られ始めた状態「オーラフレイル」については、こちらのコラムをご覧ください。
オーラルフレイルの原因と予防方法|健康を守る口腔ケア




口腔ケアの基本と種類

「口腔ケア」と聞くと歯磨きだけを思い浮かべがちですが、実際には、舌・頬の内側・唇・入れ歯など、口の中全体を清潔に保つことを指します。
特に高齢者は唾液の分泌が減り、口の中が乾燥しやすくなるため、虫歯や歯周病、誤嚥性肺炎といったリスクを防ぐためにも、より丁寧なケアが必要です。

日常のケアとしては、歯だけでなく、舌や粘膜も含めてやさしく清掃し、必要に応じて保湿ケアも行います。また、入れ歯の方は毎日の取り外しと清掃が欠かせません。



在宅介護の口腔ケアの基本

在宅介護では、家族が口腔ケアを担う場面も多くなります。まずは、ケアを受ける方の体調や気分に配慮しながら、無理のない範囲で毎日続けましょう。


歯・舌・粘膜のケア

口腔内は、歯だけでなく、舌や粘膜も含めてトータルにケアする必要があります。それぞれの部位に合った道具と方法を使うことが、トラブルの予防につながります。

歯茎が弱っている方には、毛の柔らかい歯ブラシやスポンジブラシが安全です。力を入れすぎず、小刻みに優しく動かしましょう。

舌の表面には、細菌や食べかすが溜まりやすい「舌苔(ぜったい)」ができます。舌ブラシを使って、奥から手前に一方向にやさしくなでるように取り除きます。

頬の内側や口の天井、唇の裏側などの粘膜部分は、口腔ケア用ガーゼやスポンジブラシで軽く拭き取るとよいでしょう。摩擦や刺激が強すぎないように注意し、清掃後は必要に応じて保湿ケアも併用します。


誤嚥を防ぐためのケアのタイミングとケアする時の姿勢

歯だけでなく、舌や頬の内側などの粘膜も含めて、口の中全体をやさしく清掃することが大切です。
歯は柔らかい歯ブラシやスポンジブラシで、小刻みに優しく磨きます。
舌は専用の舌ブラシで奥から手前に軽くこすり、粘膜部分は清潔なガーゼなどでやさしく拭き取りましょう。

こうした基本ケアに加え、実施するタイミングや姿勢にも気を配ることで、より安全な口腔ケアが行えます。


嫌がられない・安全なケアのコツ

高齢者が口腔ケアを嫌がるのには、不快感や痛み、過去の嫌な経験、羞恥心などが原因になっていることが多いです。嫌がるなかで無理に進めると、ケアがさらに苦痛となり、拒否感が強くなってしまいます。

そのため、はじめは口をゆすぐだけ、保湿ジェルを塗るだけといった、負担の少ないステップから始めましょう。徐々に慣れてきたら、歯ブラシやスポンジブラシを使ったケアへと移行するとスムーズです。

また、「ちょっとだけきれいにしようか?」といった、相手の気持ちを尊重する声かけをすることで、ケアへの抵抗感が軽減します。本人の意志を尊重しながら、少しずつ慣れてもらいましょう。



在宅介護で口腔ケアに役立つおすすめグッズ

在宅介護の口腔ケアでは、扱いやすく安全な道具選びが大切です。代表的なアイテムを紹介します。


スポンジブラシ…柔らかく、歯や歯茎、粘膜の清掃に適しており、歯茎が弱い方にも安心です。

口腔保湿ジェル・スプレー…乾燥しやすい口内を潤し、話しやすさや飲み込みやすさをサポートします。

吸引機能付きブラシ…汚れや水分を吸引しながらケアでき、誤嚥リスクのある方に効果的でしょう。

使い捨て清拭シート…外出時にも口の中を拭くだけで汚れを除去できるため、衛生的です。


使う人の状態や場面に合わせて、無理なく使えるものを選ぶことが大切です。




在宅介護の口腔ケアで困った時は専門家の力を借りる

在宅で口腔ケアをしていると、「これで合っているのかな」「むせてしまったらどうしよう」と不安を感じる場面も少なくありません。そんなときは、一人で抱え込まず、専門家に相談しましょう。

近年では、外出が難しい高齢者でも利用できる訪問歯科診療や訪問歯科衛生士のサービスが充実しています。歯科医師や歯科衛生士が自宅を訪問し、口腔内の状態を確認しながら、適切なケアやアドバイスをしてくれます。

相談先がわからない場合は、かかりつけ医や地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。各自治体には在宅医療や訪問サービスに関する窓口があり、信頼できる医療機関を紹介してもらえることが多いです。

また、介護保険を活用して訪問歯科を導入することも可能です。ケアマネジャーと連携することで、スムーズな手続きが行えます。

口腔ケアは、家族だけで頑張りすぎなくて大丈夫です。ちょっとした不安でも、専門家の視点でアドバイスをもらえば、より安全で安心なケアにつながります。



大切な家族の健康を守るために、口腔ケアを始めよう

在宅介護は、体力も気力も必要とされる日々の連続です。食事や入浴、排せつの介助といった大きなケアに比べて、口腔ケアはつい優先順位が下がってしまいがちかもしれません。

けれども、口の中を清潔に保つことは、食べる・話す・笑うといった「日常の幸せ」を支える、とても大切なケアです。目に見える効果がすぐに出るとは限りませんが、続けることで確実に健康を支える土台になります。
家族の健康と笑顔のために、今からでもできることを行っていきましょう。



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筆者:seeker編集部

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