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2023/12/05

オールオン4とは?

オールオン4(All-on-4)とは、歯がほぼなくなってしまった方に対し、4本のインプラントを上か下の顎の骨に埋め込んで歯の機能を回復させる治療法のことです。

この記事では、オールオン4の特徴をさまざまな角度から解説します。治療方法や費用に関してもお伝えしますので、歯がなくなった場合の治療法のひとつとして参考にしてください。


オールオン4の特徴

オールオン4では、顎の骨に4本のインプラントを固定して、12本の連結した人工歯を支えます。

つまり、歯がなくなった箇所にインプラントを1本ずつ埋めていくのではなく、顎の骨に埋め込んだ4本のインプラントで複数のまとまりになった人工歯を支える仕組みです。



通常のインプラントとのちがい

通常のインプラントは、歯を失った箇所の顎の骨に1本ずつ人工歯根を埋め込む治療法です。ここでは通常のインプラントとオールオン4のちがいをみていきましょう。


▶通常のインプラントについては、次のコラムをご覧ください。
一般的にも知られるようになった「インプラント」治療の流れを解説!



体への負担を軽減できる

複数の歯がなくなった箇所に対し、通常のインプラントでは1本ずつ顎の骨に穴を開け、インプラントを埋めていく必要があります。

一方、オールオン4では4カ所にインプラントを埋めるだけなので、通常のインプラント治療より少ない本数ですみます。体への負担が減らせるため、高齢者の方でも治療を受けやすいでしょう。



治療期間が短い

通常のインプラントでは治療期間に数カ月かかりますが、オールオン4なら即日で仮歯の取り付けが可能です。治療した当日でも問題なく食事をとれます。



治療費が抑えられる

通常のインプラントでは本数が増えるほど、治療費がかさみます。オールオン4はインプラントの埋め込みが4本ですむため、4本以上のインプラントと比較すると費用を抑えられます。



顎の骨が少なくても対応できる

一般的にインプラント治療は、顎の骨が少ないと治療が受けられないケースがあります。

一方オールオン4は、骨の量が多い箇所を選んで治療できるため、顎の骨が少なくなっている箇所があっても対応できる場合が多いでしょう。

ちなみに、顎の骨が少ないために治療を断られた場合でもインプラント治療を行える「ザイゴマインプラント」という方法もあります。


▶ザイゴマインプラントについては、次のコラムをご覧ください。
インプラントを断られた方も治療が可能!ザイゴマインプラントとは?



総入れ歯とのちがい

入れ歯とは、取り外しが可能な人工の歯のことです。総入れ歯は、上下いずれか、もしくは両方の歯がまったくない場合に使われます。

ここでは総入れ歯とオールオン4のちがいをみていきましょう。



天然に近い噛み心地が得られる

総入れ歯で噛む力は、天然の歯と比べて半分ほどと言われています。

一方、オールオン4の場合、噛んだときの力を顎の骨がしっかりと受け止めてくれるため、天然の歯と同様の力で噛めます。そのため、総入れ歯と比べると、天然に近い噛み心地が得られるでしょう。



口元の老化を防げる

総入れ歯の場合、噛んだときの力は歯肉にとどまり顎まで到達しないので、顎の骨が痩せやすくなります。

一方オールオン4の場合、噛んだときに顎の骨に刺激が加わります。顎の骨が痩せにくくなり、口元の印象を若々しく保てるでしょう。



外れたりズレたりしない

総入れ歯は取り外し式のため、安定性には優れているとは言えません。外からの刺激で外れる場合もあるでしょう。
一方オールオン4は、顎の骨に固定したインプラントで人工歯をしっかりと支えるため外れることはありません。話をする際にズレることもないので、自然に発音できるでしょう。



オールオン4のデメリット

ここまで、通常のインプラントや総入れ歯とのちがいから、オールオン4のメリットをお伝えしてきました。しかし、もちろんオールオン4にもデメリットはあります。

どのようなデメリットがあるのかみてみましょう。



治療できる歯科医院が限られている

オールオン4は外科手術を伴います。そのため、専門的な技術と経験、治療のための設備が必要です。通常のインプラントや総入れ歯に比べると、対応している歯科医院が少ないという現状があります。



残っている歯を抜歯しなくてはならない

オールオン4は歯がない状態が前提です。そのためオールオン4を始めるには、残っているのがたとえ状態がよい健康な歯であっても抜歯しなければなりません。抜歯に伴う心身負担を苦痛に感じる方もいるでしょう。



治療できない場合がある

オールオン4は手術を伴うため、健康状態によってはオールオン4を選択できない場合もあります。

例えば、麻酔が使えない心臓病の方や血圧が安定しない高血圧の方、傷が治りにくい糖尿病の方などはオールオン4を受けられない場合があります。持病がある場合は主治医に相談してみましょう。



保険が適用されない

オールオン4は自由診療となり、保険が適用されないため全額自己負担です。患者さんのお口のなかの状態や歯科医院によって費用には幅があります。費用に関しては後ほどくわしくお伝えします。



オールオン4の治療の流れ

オールオン4の治療の流れについて紹介します。



1.カウンセリング・検査・治療計画

まずはカウンセリングや、歯周検査やCT検査、レントゲン検査などを行います。これは顎の骨やお口のなかに異常がないかを調べ、治療の精度を高めるための検査です。

その後、費用や治療期間や治療方針を含めた治療計画を立てます。



2.外科手術

自分の歯が残っている場合はまず抜歯します。その後、顎の骨にインプラントを埋め込み、仮歯を装着します。



3.人工歯の取り付け・アフターメンテナンス

インプラントと骨が結合するためには3~6カ月かかりますが、その間は仮歯で過ごします。インプラントと骨が結合したら、人工歯を取りつけます。

インプラントと骨が結合するまでの間も、抜糸や歯の型取りなどで通院が必要です。通院の回数や頻度は、患者さんによって異なります。



4.アフターメンテナンス

治療後にはアフターメンテナンスも重要です。不具合があった際の通院はもちろん、定期的にメンテナンスを受けるようにしましょう。



オールオン4の費用

先に述べたように、オールオン4は自費診療となります。そのためオールオン4の費用相場は、上顎もしくは下顎のいずれかの顎だけで200万~300万円程度と高額です。支払い方法を含めて費用面の不安は手術前に解消しておくようにしましょう。

ちなみに通常のインプラントの費用は1本あたり30万~50万円が相場です。インプラントをしたい箇所が多い場合は、オールオン4のほうが安くすむ可能性もあります。納得した上で治療を開始できるよう、十分に検討しましょう。


▶インプラント治療の費用については、次のコラムをご覧ください。
インプラント治療の費用はどのくらい?



まとめ

オールオン4は、歯がなくなってしまった方の治療法のひとつとして有効です。気になる方は、対応している歯科医院を探して相談してみてください。

アフターメンテナンスも重要になるため、歯科医院とは長い付き合いになるでしょう。歯科医院を選ぶ際は、オールオン4の治療実績のほか、通いやすさや相談のしやすさなども考慮し、慎重に選んでくださいね。



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筆者:seeker編集部

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