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2024/01/11

インプラント周囲炎とは?症状や治療法、予防方法を解説

インプラント周囲炎は、インプラント治療を行った人に起こり得る歯のトラブルのひとつです。インプラントが抜け落ちることもあるため、インプラント治療を行った人や治療を検討している人は、インプラント周囲炎について知っておく必要があります。

今回は、インプラント周囲炎について原因や特徴、症状をお伝えするとともに、治療法や予防法について解説します。


インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎とは、インプラント治療を行った部分に炎症が起こることによって引き起こされるトラブルのことです。

インプラントをした部分の歯茎に炎症が起こり、あごの骨が溶けることで、インプラントがグラグラするといった天然歯における歯周病と同じ症状が現れます。

まずは、インプラント周囲炎の原因と特徴、症状について見ていきましょう。



インプラント周囲炎の原因

インプラント周囲炎の原因は歯周病菌です。歯垢やプラークに住み着く歯周病菌は、インプラントと歯茎の間に入り込み、歯茎の炎症を引き起こします。増殖することで歯周ポケットを広げ、最終的にはインプラントを支える歯槽骨を溶かします。



インプラント周囲炎の特徴

インプラント周囲炎は、天然歯における歯周病と比べて早いスピードで進行するといわれています。その理由は、通常、歯とあごの骨の間に存在する歯根膜が、インプラントを埋め込んだ部分にはないことが関係しています。

歯根膜には炎症を抑えるための免疫細胞があるため、天然歯であればある程度、歯周病菌の増殖を抑えることが可能です。しかし、インプラントを埋め込んだ部分には歯根膜がないため、歯周病菌の増殖を抑えられません。そのため、通常より進行が早くなることが考えられています。



インプラント周囲炎の症状

インプラント周囲炎の症状として、次のようなものがあげられます。

  • 歯茎が腫れる
  • 歯茎が赤くなる
  • 歯茎から出血する
  • 歯茎がやせる
  • 歯茎から膿が出る
  • 歯茎周辺に痛みがある
  • インプラントがぐらつく
  • インプラント周囲炎の初期症状は、歯周病の初期症状と同様に、ほとんど自覚症状がありません。進行することで明らかな症状が現れ、治療が必要と感じるほど症状が進んだ時には、重症度が高い可能性があります。


    ▶歯周病の初期症状については、次のコラムをご覧ください。
    もしかして歯周病?こんな症状に要注意



    インプラント周囲炎の治療法

    インプラント周囲炎の治療法は、進行状況によって異なります。インプラント周囲炎の初期段階は「インプラント周囲粘膜炎」と呼ばれており、インプラント周囲炎とは異なる治療が行われます。

    ここでは、インプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎、それぞれの治療法について見ていきましょう。



    インプラント周囲粘膜炎

    インプラント周囲粘膜炎とは、炎症が歯茎にとどまっている状態のことです。歯茎の腫れや出血に加え、歯茎がやせるといった症状が現れることがあります。インプラント周囲粘膜炎は、天然歯における歯肉炎と同じ状態のため、歯肉炎と同様の治療が行われます。

    具体的には、歯周ポケットと呼ばれる隙間に、歯垢やプラークがたまりやすくなっているため、それらを取り除き洗浄するといった治療です。症状が重い場合には、抗生剤を投与することもあります。

    インプラント周囲粘膜炎では、インプラントがぐらつくことはありません。しかし症状が進行するとインプラント周囲炎となり、インプラントが抜け落ちる可能性が高まるため、早めの治療が大切です。



    インプラント周囲炎

    インプラント周囲炎の場合は、天然歯における歯槽膿漏と同じ治療を行います。


    ▶歯槽膿漏の治療については、次のコラムをご覧ください。
    歯槽膿漏とは?歯肉炎、歯周炎との違いや症状、治療法を解説


    主に行われるのが、以下の2つの方法です。

  • スケーラーなどを使った除去
  • レーザー照射
  • 症状や状況に合わせて適切な治療を選択します。

    インプラント周囲の骨が溶けている場合には、切開をしてインプラント表面に付着している歯周病菌などの細菌を除去する外科的な治療を行うケースもあります。



    インプラント周囲炎の予防法

    インプラント周囲炎を予防するには、丁寧なセルフケアと定期的なメンテナンスが必要です。それぞれ見ていきましょう。



    丁寧なセルフケア

    インプラント周囲炎を予防するには、毎日のブラッシングはもちろんのこと、デンタルフロスなどの補助用具を使い、歯垢をしっかり落とすことを意識しましょう。お口全体を清潔に保つ心がけが大切です。



    定期的なメンテナンス

    インプラント周囲炎の予防には、セルフケアだけでなく、歯科クリニックでの定期的なメンテナンスも必要です。歯科クリニックでは、セルフケアでは落としきれない歯垢や歯石を除去してもらうようにしましょう。

    また定期的なメンテナンスは、インプラント周囲炎の早期発見にもつながります。1~2ヶ月に1回程度、定期検診を兼ねたメンテナンスを行うのがおすすめです。



    インプラント周囲炎を予防しよう

    インプラント周囲炎になってしまうと、時間と費用をかけたインプラント治療がムダになってしまうこともあります。インプラントの状態を良好に保つには、正しいセルフケアや定期的なメンテナンスが必要です。インプラント周囲炎のリスクを知り、予防を心がけましょう。



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    筆者:seeker編集部

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