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2020/09/28

【歯科医師インタビュー】歯医者さんが怖い…そんな悩みを持つ患者さんのために『歯科恐怖症学会』が設立。 安心できる治療と環境づくりの“今“

歯科恐怖症 歯医者 怖い 歯科恐怖症学会

「歯医者さんに行くのが怖い」「痛い治療を想像しただけで冷や汗が…」等、歯科医院に対してネガティブな印象を持っている人もいるはず。

実際は医学の進歩により治療の痛みはぐっと軽減され、医師も歯科衛生士などのスタッフも優しく親切で、もはや怖い場所というのは昔の話。にも関わらず過去の治療経験や対応が自分に刷り込まれ、知らないうちに反射的に恐怖心を抱いている場合がほとんど。

歯科医院に行くのにどうしても躊躇してしまう、気持ちが滅入る、震えが止まらない…症状のレベルは色々あれど、それって『歯科恐怖症』かもしれません。このような患者さんの悩みを軽減すべく、2020年9月『一般社団法人 歯科恐怖症学会』が設立されました。今回は代表の渡邊マリコ医師に、歯科恐怖症にどう向き合っていけばいいのかを中心にインタビューさせていただきました!


歯科恐怖症とは?

ーーー歯科医院が苦手な人はまだまだたくさんいらっしゃいます。思い当たる節があり、もしかして、『歯科恐怖症』かも…!?と初めて思われる方も多いと思いますが、一体どのような状態を指すのでしょうか。


歯科治療に対する恐怖心や抵抗が強くあり、歯科医院に行きにくかったり、治療を想像するだけで体調が悪くってしまうなどの症状を指します。このように歯科医院に行くのが嫌だ、苦手だというレベルから、極度の緊張から気持ちが悪くなってしまったり、動悸やめまい、大量の発汗や過呼吸、顔面蒼白、反射嘔吐、血圧上昇などを起こしてしまう場合もあります。私の医院でも治療を途中で中断して、うがいをたくさんしたくなったり、手を洗いたくなってしまったりと気持ちが落ち着かなくなってしまう方もいらっしゃいます。

この歯科恐怖症の原因は過去の治療経験、多くは幼少期のトラウマがきっかけとなって起こっています。小さい頃に感じた強い痛みも大人になってからは、大抵は大したことがなくなっていることが多いです。また医師も昔いたような怖〜い先生は少なくなり、みんな優しくなっている(笑)事前にしっかりと会話をして小さな悩みや恐怖心も取り除き、リラックスしていただいた状態で、少しずつ治療を重ねていきます。患者さんも小さい成功体験を積むことで、段々と恐怖心も何もなくなっていきます。


実際の歯科恐怖症の方への対応や治療法

ーーーなるほど。例え軽度であっても、歯医者さんは怖いところ…というイメージはまだまだ30代以降の人たちには根強くあると思います。ちょっと異変を感じても、嫌だから行きたくない方も多いはずです。実際に歯科恐怖症の方にはどのような対応や治療をなさっているのでしょうか?


麻酔などありますが、基本的にはコミュニケーションだと思っています。知らないから怖い、という状態をなくすために事細かに丁寧説明をさせていただきます。口頭だけではなく、紙などを見ていただきながら逐一、説明を行い会話をさせていただきます。

歯の磨き方などはYouTubeなどにもアップしておりますが、その方自身の治療内容については紙に記載されてしてお渡しするようにしています。また歯科恐怖症の方の場合は第一回目のコミュニケーションが非常に重要になりますので、どこが不安なポイントなのかをしっかり聞き取って、しっかり説明を行いながら払拭していきます。

うちは問診票も4枚と多く、かなり面倒だと思いますが(笑)逆にしっかりと患者さんの気持ちを含めて状況を把握できますので深いコミュニケーションができます。逆に最初にしっかり時間をとって会話をしておけば問題なく治療も進んで行くことが多いですね。それでも歯科治療に抵抗がある場合は、「笑気麻酔」で痛みを感じずにリラックスして治療を受けていただくようにしています。


一般社団法人 歯科恐怖症学会の設立背景や目的

ーーー歯医者に対して漠然とした不安を抱えている場合が多いので、じっくりと事前にコミュニケーションしていただくだけでも、治療に対して気持ちが前向きになりそうですね。このような歯科恐怖症の方を救うべく、先日「一般社団法人 歯科恐怖症学会」を立ち上げられたと思いますが、もう少し具体的に設立背景や目的を教えていただけますか?


そうですね、歯科恐怖症の方は過去の歯科治療のトラウマで虫歯になってしまっても足を運べず最終的に手をつけられない状態になってしまうこともあります。治療方法や技術、器具などはどんどん向上しているにも関わらず、日本では20人に1人ぐらいの割合で歯科恐怖症の患者さんがいます。

しかし、なかなか歯科業界全体として、歯科医師がこれにどう対応していくと良いのを学ぶ場がないのを長年課題に感じておりまして、自分の多数の治療症例や勉強会(オドンフォビア研究会)で歯科医師や歯科衛生士に指導してきた経験をさらに多くの歯科従事者に伝えていければと思い発足いたしました。笑気麻酔などで軽減することもできますが、何よりも大事なのは患者さん一人一人に合わせ寄り添ったコミュニケーション>だと確信しているので、そういったノウハウも含めて発信していきたいと思っております。

今後の歯科業界全体の理想

ーーー治療事例やコミュニケーション方法がシェアされていくことで、歯科恐怖症の方が気軽に通院でき、安心して治療できる歯科医院がどんどん増えていくことを願っています。先生ご自身は今後、歯科業界全体としてどうなっていくのが理想でしょうか?


歯科医院は大きな所もありますが、小さな個人プレーヤーが多いのが実態です。どんな患者さんがいらして、どのような治療や対応をしたのかの症例をお互いシェアできるような仕組みができるといいなと思います。

歯科恐怖症の場合は特にコミュニケーション部分で患者さんも歯科医師側も苦労することが多いと思うので、成功だけではなく失敗なども含めて。また将来的には、歯科恐怖症の認定歯科や指導医などの認定を行い、患者さん側が安心して歯科選びを行い、通えるようにできるといいですね。


患者さんへのメッセージ

ーーーありがとうございます。最後に患者さんに向けてメッセージをお願いします。


とにかく怖がらずに、予約ボタンもしくは通話ボタンをポチッとしてみて下さい(笑)後はプロである私たち歯科医師、歯科衛生士が何とかするので、まず一歩を踏み出していただきたいと思います!




■取材した方
マリコ歯科クリニック
歯科医師 渡邊マリコ氏

日本歯科大学新潟歯学部に入学、障害者・有病者・歯科恐怖症を専門に東京医科歯科大学歯学部附属病院でたくさんの経験を重ね、2012年にマリコ歯科クリニックを開業。患者さんとのコミュニケーションを大切にしながら、楽しく心地よくをモットーに診療している。2020年9月に歯科恐怖症学会を設立し、治療方法や症例の共有やノウハウをYouTubeやブログなどから情報発信。今後、歯科恐怖症患者さんの歯科難民を減らすべく活動をしていく予定。



・一般社団法人 歯科恐怖症学会
https://shikakyoufushogakkai.com/

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