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2021/07/06

長引くマスク生活で激増!?口呼吸のリスク

マスクをつける毎日が続き、呼吸への注目が集まっています。人は無意識に呼吸をしていますが、自分の呼吸が鼻呼吸か口呼吸か意識したことはありますか?どちらも息が吸えているならいいと思いきや、呼吸と健康は密接につながっています。本当は怖い口呼吸…。口呼吸が身体に与えるリスクについて考えてみましょう。


鼻呼吸と口呼吸

口呼吸は口から息を吸い、口から吐いている状態を言います。空気を吸い込むと同時に、ウイルスやほこり、花粉などの異物も直接喉を通して体内に取り込んでしまいます。

鼻呼吸は鼻から空気を吸って鼻から吐き出す呼吸のことです。>ほとんどの異物が鼻毛や線毛によってろ過され、副鼻腔で加湿、加温されて体内へと送り込まれています。つまり鼻から入った空気は、数々のフィルターを通って異物を取り除き、肺に届く仕組みとなっているのです。

最近ではマスクをしている息苦しさから、口呼吸の人が増えていることが問題視されています。呼吸は無意識に行っているもの。時々自分の呼吸に意識を向けてみましょう。



こんな時は口呼吸に注意!

もし、以下のような癖や症状がある場合は、無意識に口呼吸をしている場合があります。

  • ・唇が乾燥しやすい
  • ・口内炎ができやすい
  • ・朝起きた時に喉が痛い
  • ・口が半開きになっている
  • ・舌足らずな話し方をしている
  • ・クチャクチャ音をたてながら食事をしている
  • ・口を閉じた時にあごに梅干しのようなシワができる

テレビやパソコンを集中して見ている時や睡眠中は特に口呼吸になりがちですが、自分では気がつくことは困難です。もし、当てはまるものがあれば、口呼吸を疑ってもいいかもしれません。



口呼吸のリスク

口呼吸の弊害は多岐に渡りますが、その中でも歯科の観点から考えられるリスクをまとめてみました。



口臭

口呼吸をしているとお口の中が乾燥し、唾液の持つ抗菌作用や殺菌作用が発揮されなくなります。また、唾液の分泌が減ると、歯や歯のすき間にたまった食べカスやプラークを流すことができません。そうすると菌が増殖してお口の清潔が保たれなくなり、口臭を発生させます。



むし歯や歯周病

むし歯や歯周病も唾液の影響を大きく受けます。口呼吸によって唾液の分泌が減ってしまうと、むし歯菌や歯周病菌が洗い流されることなく、お口の中で増殖します。また、唾液はお口の中のpHを調整する機能も持ちますが、それもうまく機能しなくなり、酸によって弱った歯の補修が行われなくなるのです。



歯並びが悪くなる

呼吸と歯並びは一見結びつかないように思えますが、口呼吸は歯並びを悪くする原因のひとつです。鼻呼吸ができている場合、お口周りの筋肉が外側から歯を締め付けていますが、口呼吸をすると、その圧力がかからなくなります。それにより、頬に押された歯が飛び出して出っ歯になるリスクがあります。

また口呼吸をする場合、呼吸がしやすいように、舌の位置が本来あるべき場所よりも下になっていること多くあります。上顎を支える舌の圧力がかからなくなり、頬からの圧力は変わらずかかり続けるため、歯にかかる力のバランスが崩れて上あごが狭くなってしまいます。

さらに下あごに舌をつけていると、下の歯を内側から押しだすような、余計な力がかかった状態になります。悪化すると、下の歯が上の歯よりも外側に出てしまう不正咬合になるリスクもあります。




咀嚼力

歯並びが悪くなると歯の噛み合わせが悪くなり、食べ物を噛んだりすりつぶしたりする咀嚼機能が低下することがあります。さらに舌の筋力が弱くなると、舌を丸めて食べ物を噛みやすい形に整えたり、口蓋に食べ物を押し付けて食べ物をすりつぶしたりしにくくなってしまいます。

だからと言って食べ物を十分に噛まないまま飲み込んでしまうと、消化器官に負担がかかります。さらに口呼吸をすることでお口周りの筋肉が衰え、お口を閉じた状態での咀嚼ができなくなることもあります。クチャクチャと音をたてて食べたり、食べ物をこぼしやすくなったりするのです。




発音がうまくできない

本来舌は前歯の少し後ろに位置するものとされていますが、口呼吸により正しい位置に舌が置かれていないと、舌の筋肉が衰えてしまいます。また筋肉が衰えた影響で舌の動きのコントロールが難しくなると、滑舌が悪くなることがあります。タ行やナ行のような口蓋に舌をつける発音は特に影響が出やすく、聞き取りづらい発音になってしまうのです。



健康のために

今回は歯科の観点における口呼吸のリスクをとりあげましたが、身体全体からみるとリスクはこれだけにとどまりません。風邪をひきやすくなったり酸素の摂取量が減ってしまったり、口呼吸は健康に大きな影響を与えます。

口呼吸をやめ鼻呼吸をするためには、お口周りの筋肉を鍛えることが必要です。一番身近な方法はよく噛んで食べる習慣です。食事をする時に姿勢を正し、口をしっかり閉じたまま、左右均等に噛むようにします。また、歯科医院ではキシリトールガムなどを使って行うガムトレーニングの指導やマウスピースによる治療などを受けることができます。




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筆者:seeker編集部

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