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2021/09/01

歯科治療の前に知っておきたい!治療期間や通院回数

歯科治療を受けるにあたり、「どうして一度に全部治療してくれないの?」と疑問に思ったことはありませんか?複数回にわたる治療は、通院や費用の面で負担になります。でも、歯科治療において、一度に治療せず治療期間を長くとることには理由があります。治療期間や通院回数の疑問にお答えしましょう。


段階的な治療

歯科治療は身体の治療と違って、薬のみで治せる治療がほとんどありません。歯を削る、汚れを落とす、歯型をとるなど、どれも手間のかかる処置ばかり。一回の診療でできる処置は限られていて、段階をふまねば治療ができません。

例えば、歯石がこびりついた歯には被せ物はできないし、むし歯を消毒せずに詰め物をつめることはできません。被せ物や詰め物も一人ひとりにあったサイズが必要なので、型をとって作ることから行います。 また、きちんと段階をふまないと菌が残り、治療後であっても再度菌に感染してしまい治療のやり直しや悪くすると抜歯を必要とするケースもあります。症状が重いほど、そして治療する箇所が多いほど段階は多くなり、その分通院回数や治療期間を要します。



むし歯治療は1本ずつ

久しぶりに歯科検診を受けると、むし歯が複数本見つかることは少なくありません。しかしながら、治療は一本ずつ行われることがほとんどです。むし歯治療では、むし歯になった部分だけを見るのではなく、お口の中の状況を総じて判断し治療を行っています。

例えば、噛み合わせへの影響を考慮し、上下で噛み合う歯をまとめて削ることはほとんどありません。1本のむし歯でも、全体の噛み合わせやお口全体のバランスを考えながら治療します。また、むし歯が神経まで達している場合は、歯の根の治療が必要になりますが、内部に入り込んだ細菌をしっかり除去しなければ再発の恐れがあるため、神経や周辺組織を取り除き消毒をして治りを待たねばなりません。



さらに、まとめて複数のむし歯を治療すると、長時間口を開け続けることや治療の痛みが患者にとって負担になるという点も1本ずつ治療を行う理由のひとつです。複数の歯を一気に治療してしまうと、治療の後に痛みが発生してもどこが痛みの発生源なのかがわからないことがあります。治療経過を適切に観察するためにも、1本ずつ複数回に分けて治療を行うのです。



保険治療の制約

一度で治療を終わらせることができない理由には、保険治療のルールも関係しています。歯科治療に保険を適用するには、細かな規定を守らねばなりません。そのため1度の通院でできる治療は制限され、複数回に分けて治療を行います。



歯科治療を途中でやめるリスク

治療が複数回、長期間になると、途中で通うのをやめてしまうこともあるでしょう。しかし治療の途中で通院をやめてしまうと、これまでの治療が全て水の泡になり、再び治療を始める時にはゼロからのスタートになることがあります。また、治療途中の歯はもろく、非常に不安定です。治療途中の歯を放置してしまうと、症状が悪化する恐れがあります。

歯科治療のほとんどは、放っておいて自然と治ることがなく、歯科治療を途中でやめることにはリスクが伴います。治療の途中でこまめな通院ができなくなった場合は、黙って通院をやめるのではなく、歯科医師や歯科衛生士に相談してみましょう。




短期集中治療とは

複数回にわたる通院が難しい場合、短期集中治療という選択肢もあります。短期集中治療とは一回の診療時間を長くして、可能な限り治療期間や通院回数を短縮する方法です。一度の診察時間は2〜3時間ほどで、数回分の治療を1回にまとめて行います。

しかし前章にもあるように保険診療には制約があるため、短期集中治療は自費診療扱いになります。通常の診療に比べ短い期間で治療ができるものの、治療費は高くなります。忙しく通院が難しい人はもちろん、海外赴任前や一時帰国中など、限られた期限で治療を終わらせたい人は検討するのもいいでしょう。




治療期間や回数を少なくするために

そもそも歯科治療を受けることになったのはなぜでしょう。治療期間や通院回数が多くなってしまうのは、それだけ症状が悪化しているということになります。症状が軽ければ、少ない通院回数や治療期間で治すことができます。

もし定期検診を受けていたら、症状の悪化を防ぐことができたかもしれません。定期検診は数ヶ月に1度、1時間ほどで済みます。お口の中が治療を必要とする状態になってしまっても、早期発見ができるので治療期間は短くなります。治療期間や通院回数を最小限にするには、定期検診を受け、お口の清潔や健康を維持することが最良の方法といえるでしょう

またしっかり診察を行い、効率の良い治療計画を立てることも治療回数や通院期間の減少につながります。信頼できる歯科医院を探し、治療のプランを相談しましょう。



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筆者:seeker編集部

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