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2021/09/24

熱いものが歯にしみる!この痛みどこから?

「冷たいものが歯にしみる」とはよく聞くものの、今回のテーマは「熱いもの」が歯にしみるケースです。実は、熱いものが歯にしみた時は危険信号です。お口の中では、一体どのようなことが起きているのでしょう。


歯がしみて痛みを感じるメカニズム

歯がしみて痛みが発生する場所は、主に象牙質や歯髄です。象牙質は最表層であるエナメル質の内側にあり、象牙細管という中空構造をしています。通常、歯の表面を覆うエナメル質は、刺激を受けてもしみや痛みを感じることはありません。

しかし、エナメル質が傷ついて削れ象牙質が露出すると、歯はしみや痛みを感じるようになります。象牙質を通り抜け、内部にある歯髄に到達した熱いものによる刺激は、ズキンズキンとした猛烈な痛みを引き起こすと考えられています。この症状は、治療の緊急性が高い場合が多く、注意が必要です。では、熱いものが歯にしみる原因をひとつずつみていきましょう。




熱いものが歯にしみて痛い!その原因とは


神経まで近づいたむし歯

むし歯菌が歯のエナメル質を溶かしはじめた初期のむし歯の場合、冷たいものがしみる傾向にありますが、象牙質の奥にある神経まで達するほど進行したむし歯の場合、熱いものが歯にしみることがあります。その場合、神経を抜く治療をしなければならないほど重度のむし歯であるケースもあります。



銀歯

治療後の銀歯が原因で、熱いものがしみることがあります。それもそのはず。銀歯の素材である金属には熱を伝えやすいという特徴があります。お口に入った熱は銀歯を通ってその奥にある神経にまで伝わり、痛みが引き起こされているのです。すでに治療した歯だからといって痛みを放置することなく、歯科医師に相談しましょう。



根管治療の影響

広く「歯の根の治療」と呼ばれるものが「根管治療」で、菌に感染した神経などを除去する治療のことをいいます。治療をした時に菌を除去しきれず歯の根に菌が残ってしまうと、熱いものが歯にしみることがあります。その場合、再度根管治療を行うか、歯の神経を完全に除去する治療を行うことがあります。



歯周病

歯茎が炎症を起こす歯周病は、初期の症状であれば熱いものがしみたり痛みを感じたりすることはほとんどありません。しかし、歯周病が進行すると歯根の表面が露出することがあります。本来歯茎に埋まっているはずの歯根は象牙質がむき出しになっているため、熱いもので歯がしみてしまうのです。

初期の歯周病であれば、歯みがきの改善や表面のコーティングをして痛みを抑えます。しかし歯周病が進行し、露出している部分が多くなると被せ物や神経の治療が必要になります。



知覚過敏

歯根がむき出しになっていたり歯の根元がえぐれていたりする場合、知覚過敏が疑われます。エナメル質が傷つき象牙質がむき出しになることで熱いものがしみてしまいます。

再石灰化を促すように丁寧にセルフケアをしたり露出した象牙質をコーティングしたりし治療を行いますが、生活に支障をきたすほどの激しい痛みを伴う場合、歯の神経を取り除く治療を選択することもあります。



歯髄炎

歯髄とは歯の神経のことを指し、「歯髄炎」は歯の神経が炎症する病気です。重度のむし歯や歯周病が原因で起こることがあります。熱いものがしみるのは歯髄炎の初期症状であることが多く、放置するとさらに悪化することが考えられます。軽い歯髄炎であれば詰め物をして刺激を遮る治療で済むことがありますが、悪くすると歯の神経を抜く治療が必要になることがあります。



冷たいものが歯にしみる時との違いって?

冷たいものが歯にしみる時と熱いものが歯にしみる時、一体何が違うのでしょう。それぞれの症状を比べると、冷たいものが歯にしみる時と熱いものが歯にしみる時は、症状の進行度合いが異なります。 冷たいものが歯にしみる場合、むし歯や知覚過敏症、酸蝕歯など、エナメル質が溶けることで発生するしみや痛みであることがほとんどです。




一方、熱いものが歯にしみる時は、歯の表面が痛いのではなく、歯の神経、歯髄まで炎症が進み、歯がしみているケースが多いと考えられます。そのままにしてしまうと、熱いものをお口に入れた時にしみるだけでなく、日常的に激痛を伴う事態にもなりかねません。



痛みがおさまったらもう大丈夫?

熱いものが歯にしみても、しばらくすると痛みはなくなります。しかし、それは痛みの原因となる症状が治ったわけではありません。また、熱いものが歯にしみて痛みを感じても、どの歯が痛いのか、自分で判別することは困難です。




熱いものが歯にしみるのはお口になんらかの不具合が起きているサインです。「もう少し早く受診していれば…」と後悔しないためにも、なるべく早く歯科医院で検査をすることをおすすめします。



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筆者:seeker編集部

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