1. トップ  > 
  2. コラム一覧  > 
  3. コラム>虫歯 > 
  4. 治療の前に知っておきたい!歯の神経を抜くリスクとは

コラム>虫歯

2021/10/01

治療の前に知っておきたい!歯の神経を抜くリスクとは

お口の中の健康を保つために「神経」は非常に大切な役割を持っています。そのため、歯科治療においてはできる限り神経を残すようにしますが、症状によっては神経を抜かねばならないこともあります。ここで、神経を抜けば症状がおさまると安易に考えるのは誤りです。本コラムでは、神経の役割や神経を抜くリスクについて解説します。


歯の神経の役割

歯の神経は大きく分けて2つの役割を持ちます。ひとつ目は、歯に水分や栄養を運ぶ役割です。水分や栄養は歯の神経に通る血管を通じ、歯に送られます。

ふたつ目は、痛みを脳に伝達し異常を知らせることです。痛みのような刺激を脳に伝達する役割を持つからこそ、むし歯や歯周病などのお口のトラブルを認識させてくれます。



神経があるのとないのとでは、どう違う?

神経は歯にとって重要であることはわかりましたが、神経がある歯とない歯には、どのような違いがあるでしょう。神経がある歯とない歯では、歯の色に違いが出ることがあります。歯は半透明のエナメル質に健康な象牙質の色が透けることで、自然な白さになります。象牙質の健康は栄養が十分行き届いており、更に不要な物質を取り除かれることで維持され、そのどちらも神経の働きによるものです。

そのため、神経を抜いて数ヶ月たつと、神経を抜いた歯はグレーや黄ばんだ色に変色をすることがあります。

また、刺激を伝える神経を抜いてしまうので、神経のない歯では、お口の中の不調を感じにくくなってしまいます。神経があるからこそ、早い段階で異常に気づくことができるのです。




根管治療が必要になるのはどんな時?


進行したむし歯

むし歯が神経に及ぶほど進行している場合や神経が死んでいる場合、神経がひどく炎症し強い痛みがある場合、歯の根を抜く治療を行うことがあります。

進行したむし歯は痛みや腫れが伴うこともあれば、厄介なことに自覚症状が全くないこともあります。そのままにしてしまうと、神経が腐敗することで感染症を起こし、歯の中に膿がたまってしまうこともあります。神経に達したむし歯が炎症を起こすと歯髄炎を引き起こすことがあり、そうなると激しい痛みを伴います。適切な処置をしないと神経が壊死し、神経が腐ってしまう恐れがあります。



亀裂が歯の神経まで到達している

歯の割れが神経まで達していると、菌が神経を侵食し炎症を起こす可能性があります。そうならないためには、歯の内部を清掃し消毒を行います。この治療を行うにあたり、歯の状況に応じて神経を取り除かねばならないケースがあります。



重度の知覚過敏

一般的に知覚過敏の治療で神経を抜くことはありません。しかし、知覚過敏の症状の中でも、日常生活に支障をきたすほどにエナメル質がすり減った重度の症状の場合、まれに根管治療が検討されることがあります。



根管治療の流れ

次に歯の神経を抜く治療の流れをみていきましょう。通常、局所麻酔をして治療中の痛みを抑えます。そして神経のまわりの歯を削って神経部分を露出させ、神経を取り除きます。神経を抜いたのち、神経が通っていた管の中を薬品で洗浄し、殺菌します。治療当日は、再感染を防ぐために仮歯や仮の蓋をして治療を終えます。



1週間前後様子を見て、新たな感染や炎症を起こしていなければ再度消毒をして、むし歯の再侵入を防ぐために薬品を治療部分に入れます。

その後、神経が通っていた管の中の先端まですき間が入らないように詰め物をし、最終的に歯の形状に戻すために詰め物や被せ物の処置を行います。歯科医院によって差はありますが、再感染を防ぐためにこれらの処置を複数回に分けて行います。そのため、根管治療には1ヶ月程度の時間を要します。



このように治療には複数回に及ぶ通院やそれに伴う費用が必要となりますが、神経をとるリスクはこれだけに留まりません。次章から、詳しく説明しましょう。



神経をとるリスク


痛みを感じない

刺激を脳に伝える神経がないと痛みを感じることができず、むし歯や歯周病などの症状が進行しても発見が遅れてしまいます。痛みは人間にとって不快なものですが、異常を伝える大切なサインでもあります。神経を抜いた歯は、これまで以上に丁寧なケアをし、注意深く観察せねばなりません。



歯がもろくなる

神経を抜くと神経の中を通る細かい血管まで失うことになるので、歯の象牙質への水分や栄養分が届かなくなり、歯の内部は固く乾燥し次第にもろくなってしまいます。歯質がもろくなることで、固い物を噛んだ時に割れてしまうケースがあります。

また、被せ物の土台に金属を使用する場合、金属との接触で割れてしまうケースもあります。



メインテナンスが必要

神経を抜く治療をした歯は被せ物のお手入れなど、持続したメインテナンスが必要です。また、ただでさえもろくなっているうえ、自分では痛みを感じることができないため、定期的な検診は必要不可欠です。

神経を抜くことは非常に重大な治療です。そのため、その原因やリスクを正しく理解してから治療を受ける必要があります。しかし何より重要なのは、神経を抜くほど悪化する前に歯の不調を発見することです。健康な歯を1本でも多く保つために、的確なケアや定期検診を心がけましょう。



→虫歯の治療が得意な歯科医院選びはこちらから



筆者:seeker編集部

人気記事ランキング

虫歯ランキング

人気記事ランキング

虫歯治療が得意な歯科医院

こちらもcheck!