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2021/11/16

お口の中のポコッとした塊。「骨隆起」って何?

骨隆起は上アゴや下アゴ、歯茎などのお口の中にできる塊のことをいい、外骨症(がいこつしょう)とも呼ばれています。お口の中にポコっとした塊ができていると、病気ではないかと慌ててしまいますが、骨隆起は身体に悪い影響を与えることはありません。


骨隆起とは

上アゴ、下アゴの内側や歯茎の骨が異常に発達し盛り上がり、 コブのようにふくらんだものが骨隆起です。お口の中を鏡で見たり舌で触れたりすると、ぽこっとした出っ張りに気がつきますが、それ以外に自覚症状はありません。

触ると固く、表面はツルツルしています。腫瘍や粘膜の炎症ではないので、触れても押しても痛みを感じることはありません。また、自然に小さくなることもありません。骨隆起は、できる部位によって呼び方が変わります。それぞれの特徴をみていきましょう。



下顎隆起(かがくりゅうき)

下アゴの内側、舌の下にできるコブが「下顎隆起」です。主に小臼歯の舌側、左右対称にできるケースが多いため、骨隆起が大きくなるにつれて舌が持ち上げられるような位置になり、しゃべりにくさや発音のしにくさを感じることがあります。




口蓋隆起(こうがいりゅうき)

「口蓋隆起」は上アゴの中央にできるコブのことを指します。お口の中を鏡で見ても映りにくい場所なので、大きくなってから気付くケースが多いでしょう。下顎隆起と同じようにしゃべりにくさや発音のしにくさを感じたり、食べ物をすりつぶしにくく食事が摂りづらかったりすることがあります。また、総入れ歯を作る時にも影響する場所です。




歯槽隆起(しそうりゅうき)

歯を支える骨(歯槽骨)にできる「歯槽隆起」は、上下の歯茎にできる骨隆起です。歯茎に歯槽隆起ができると、歯が常に揺さぶられるため、歯周病が悪化しやすいとされています。



骨隆起の原因

骨隆起ができる原因は現在でもはっきりわかっていませんが、非常に強い力がアゴや歯茎にかかることで接触する部分が骨を守るために過剰発達し、骨隆起ができると考えられています。

そのため、歯ぎしりや食いしばり、噛みしめなどの癖がある人は、骨隆起ができやすい傾向にあります。骨隆起の予防や進行を防ぐには、骨への負担の軽減が求められます。骨隆起が気になる人はマウスピースを寝る前に装着するなどし、歯ぎしりや食いしばりを防止し、歯茎にかかる力を軽減するといいでしょう。

また、遺伝も骨隆起ができる原因と考えられています。遺伝によるものの場合、予防策はありませんが、骨隆起は病気ではないため、過剰に不安を感じる必要はありません。



骨隆起は病気ではない

骨隆起は痛みや違和感を引き起こさないので、その存在に気がついた時には大きくなっていることがあります。骨隆起が小さいうちは気付くことなく、年齢がいってからや歯科医師に指摘されて初めて知る、というケースも少なくありません。

お口の中にボコっとした塊ができると、病気ではないかと心配になるかもしれませんが、骨隆起はアゴの骨の形が変化したものなので、身体に害を及ぼすことはありません。しかし、状況に応じて治療を検討するケースがあります。



どんな時に治療が必要?

生活に支障をきたさないのであれば、骨隆起を治療する必要はありません。しかし、状況によっては切除するための外科的手術が必要となるケースがあります。まず、食べ物が当たって傷ついたり、コブが気になって必要以上に触ってしまったりすることで痛みが出るケースです。骨隆起のふくらんだ部分は粘膜が薄いので、固い食べ物が当たると擦れて傷付いてしまうこともあります。

また、骨隆起の大きさや場所によって、お口の中が狭くなってしまい言葉を正しく発しにくくなることもあります。そのほかに、下アゴに入れ歯を入れる場合、骨隆起が妨げになりきっちりとした入れ歯が作成できないことや、入れ歯の床と骨隆起が接触することで痛みが発生する場合も治療が必要になります。これらの症状に心当たりがあれば、骨隆起を除去する手術を検討してもいいかもしれません。骨隆起の大きさにもよりますが、骨隆起の手術には保険が適用されます。



また、治療をする必要はないものの、骨隆起によって歯ブラシやデンタルフロスがお口の中でうまく動かせないことがあります。さらに、骨隆起によって食べ物の流動性が悪くなると、歯の根元にプラークがたまりやすくなり、歯周病が進行するケースもあります。そのため、定期的なメインテナンスは欠かすことができません。骨隆起に限った話ではありませんが、お口の中の状態は徐々に変化します。痛みや異常を感じた時は、歯科医院で相談すると安心ですね。



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筆者:seeker編集部

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