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2021/11/18
磨いても歯がぬるぬるザラザラするのはなぜ?
歯を磨いた後に舌で歯の表面を触ると、本来であればキュッキュッと爽やかな感触になるはずです。しかし、しっかり歯磨きができたように思っても、なぜか歯の表面がぬるぬる、ザラザラすることがあります。このぬるぬる、ザラザラはいったい何なのでしょう?
目次
歯のぬるぬる、ザラザラは歯垢の可能性
舌で歯に触れた時に感じるぬめり、ザラツキは歯垢の可能性があります。食べかすが歯間に残っていると、食べかすを栄養として口内の細菌が繁殖します。繁殖した細菌が白くねばねばとした物質を生み出します。これが歯垢です。食べかすから歯垢ができあがるまでには数時間かかるとされています。 歯磨きをしてすぐは口の中がさっぱりしていても、数時間後にザラツキを感じることがあるかもしれません。これは歯磨きやうがいで食べかす取り切れていなかったため、細菌が繁殖し、歯垢が作り出されてしまった可能性があります。 歯垢は細菌の塊で、歯周病や虫歯を引き起こします。綺麗に歯磨きができていたつもりでも、少しでも磨き残しがあれば細菌が集まって歯垢になってしまうのです。ただ、できたばかりの歯垢は歯磨きで除去することが可能です。歯がザラザラするという時には普段以上に丁寧なブラッシングを心がけてみてください。
歯垢は数日で歯石になる
口内から除去できなかった歯垢は、数時間するとバイオフィルムを作ります。バイオフィルムとは細菌が作り出す、ぬめりを伴う膜です。水回りのぬるぬるもこのバイオフィルムが原因です。バイオフィルムはぬめり、粘り気があるため、歯垢以上にうがいだけでは除去できません。バイオフィルムを形成し始めた歯垢を取り除くには正しいブラッシングが必要になります。歯垢をさらに放置すると、2、3日で硬い歯石へと変化します。 歯石は歯垢の細菌が死に、石灰化したものです。歯垢はブラッシングで取り除けますが、歯石は歯科医院でクリーニングをしてもらわなければ除去できません。歯石の表面や中に住み着いた歯垢が毒素を出し、歯周病の原因になることがあります。歯石は表面がざらついているので、歯石の上にさらに歯垢が付きやすくなっている上についた歯垢が取り除きづらくなっています。 また歯石は口臭の原因の一つと言われています。もちろん見た目にも良くありません。定期的に歯科医院でクリーニングをするようにしましょう。
しっかり汚れを取ることができる歯ブラシは?
歯磨きの基本は歯ブラシです。歯ブラシは柔らかすぎるものより「ふつう」あるいは「少しかため」と表記されたタイプがおすすめです。歯茎への負担を恐れて柔らかめのブラシを使うという人もいますが、食べかすや歯垢を取り除くためにはある程度毛先が硬いほうが効率的です。適度な力で磨くようにしましょう。 とはいえ硬ければ硬い方がいい、むやみに力を入れればいいという訳ではもちろんありません。硬すぎる歯ブラシや力の入れすぎは歯茎や歯を傷つけてしまう恐れがあります。市販の歯ブラシの中ではふつう~ややかための表示のものが歯垢を取るのには適しているとされています。
また、歯ブラシは毛先が開いたら早めに交換しましょう。毛先が開いた歯ブラシは歯垢の除去率が6割程度まで下がるという研究結果があります。歯ブラシの毛先はおおよそ1ヶ月ほどで開くとされています。1ヶ月を目安に歯ブラシは取り替えるようにしましょう。 歯と歯の間など、歯ブラシだけでは取り切れない食べかすや歯垢もあります。歯ブラシと合わせてフロスや歯間ブラシを使うとより口内を清潔に保つことができます。歯ブラシと口内ケアアイテムを上手に組み合わせてしっかり歯垢を取り除けるといいですね。
ギザギザは歯にヒビや欠けが発生していることも
舌で歯に触れたときの感覚から判る口内トラブルは歯垢の他にもあります。舌で歯に触れたとき、歯がギザギザしている、なんだか舌に歯が刺さるように感じるという時には歯がヒビ割れたり欠けたりしている可能性があります。歯にヒビや欠けが発生したら痛みで気が付きそうですよね。ですが、ヒビや欠けが起きてもまったく痛みを感じないことがあります。 ヒビや欠けの原因はさまざまですが、気が付かないうちに虫歯が進行していた、寝ている時に歯ぎしりや歯を食いしばっていて歯に過度の負担をかけていた、などが考えられます。例え痛みが無くとも、小さな歯のヒビや欠けが大きな歯の破損に繋がる可能性があります。些細でも口内に違和感があれば歯科医院でチェックしてもらうようにしましょう。
自覚症状が無くても歯科医院で定期クリーニングを受けよう
口内のぬめりやザラツキは自分で気がつくことができる異変ですが、歯石や歯のヒビ、欠けは自覚症状がないことがあります。定期的に歯科医院でクリーニングをしてもらうことで歯石除去ができるのはもちろん、歯のヒビ、欠けの早期発見につながります。もちろん毎日の正しいブラッシングも重要です。歯のぬるぬるザラザラが気になる時には、使っている歯ブラシもぜひ見直してみてくださいね。
筆者:seeker編集部