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2022/02/24

慌てず対処!歯が折れた時の応急処置と治療方法

転んだ、ぶつけたなど、外傷的な要因で歯が折れてしまったら…。考えるだけで血の気が引きますが、誰にでも起こりうること。そんなもしもの怪我をしてしまった時に慌てないためにも、歯が折れた時の応急処置やその後の治療方法について知っておきましょう。


なるべく早めに歯科医院を受診

まず覚えておいてほしいのが、例え歯が折れてしまっても、折れ方によっては元の位置に戻せる場合があるということです。歯が折れた時には、折れてしまった歯の破折を探し、できる限り早く歯科医院を受診してください。歯を元に戻すには、折れてからの時間が1分でも早い方がいいのです。

次に重要なのは、歯の保存状態です。歯を元に戻せるかどうかは、折れた歯の周りの組織細胞の状態にかかっています。歯の保存状態が良好であれば、歯は再び定着します。次章から歯が折れた時の応急処置として、歯の保存方法を解説します。



歯科医院受診までの応急処置


歯を適切に保存

必要な時以外は洗わない
折れて地面に落ちた歯や折れた断面を見ると、ついきれいに洗い流したくなってしまいますが、歯を元に戻すのであれば必要以上に洗ってはなりません。

折れてしまった歯に砂や泥などの汚れがついてしまっている時だけ、水道水で軽く洗い流します。その際、ゴシゴシと洗うのは絶対に避けてください。歯根膜組織が削れてしまい、折れた歯を元の場所に戻すことができなくなってしまうかもしれません。




乾燥させない
折れた歯を乾燥させてしまうと、元に戻す治療の成功率がぐんと下がります。歯が折れた時、元々あった場所に歯を戻せるのならそっと戻し、負荷をかけないよう注意して保存します。

戻すことができなければ、お口の中に含んでおくのも有効です。その際は、飲み込んでしまうことのないように、舌の裏におさめておくといいでしょう。小さな子供など、お口に入れておくことが難しければ、ラップにくるんでタッパーに入れたり生理食塩水に浸けたりし、乾燥させないようにします。



牛乳に浸ける
もし折れた歯の歯根まで見えているようなら、歯の乾燥を防ぐためにも牛乳に浸けておきましょう。ここで牛乳が出てきたことに驚く人もいるかもしれませんが、牛乳はお口の中に近いpHを持つ液体なので、歯根の表面についた歯根膜組織を正常な状態のまま維持することができます。




お口の中の怪我

歯が折れると同時にお口の中を怪我していたら、優しくうがいをしましょう。血が出ていればガーゼで押さえて止血します。折れた歯を消毒したり、患部にガーゼをつめたりするなどの処置は不要です。というのも、知識なしに応急処置を行うと、かえって雑菌が繁殖し炎症を起こすこともあります。

できるだけ折れた時の状態のまま歯科医院に向かいましょう。また、歯が折れたことによって強い痛みがある場合、無理はせずに市販の鎮痛剤を服用しても構いません。



歯が折れた時の治療方法

折れた歯の治療は、歯の折れ方や保存状態によってさまざまです。見えている部分の歯だけが小さく折れている場合、歯科用接着剤を用いて折れた歯を接着修復できることがあります。もし折れた歯を紛失してしまった場合は、歯と同じ色のコンポジットレジンなどで足りない部分を補って治療します。歯根部分から折れていたら、歯の神経まで破折している可能性が高く、抜髄治療が必要になるかもしれません。

また、これから歯が生え変わる子供の場合、経過観察となるケースもあります。どんな治療方法になるかは診察をしないとわかりませんが、早急な受診と適切な保存により、治療手段の幅が広がることは間違いありません。



折れた歯を放置するとどうなる?

歯が折れてしまった時、痛みがないと歯科医院の受診を後回しにしてしまうかもしれません。しかし、折れた歯の放置にはデメリットしかありません。


  • ・細菌が繁殖し、膿んでしまう
  • ・折れた歯がお口の中を傷つける
  • ・食べ物を正しく噛むことができず消化器官に負担をかける
  • ・歯の寿命が短くなる
  • ・後々に治療を行った時に費用や時間が余計にかかる

など、さまざまなケースが考えられます。


また、子供の場合、折れた歯をそのまま放置してしまうと、後に生えてくる永久歯に悪い影響を与えることもあります。



かかりつけ医がいると安心

歯が折れるのは歯科医院の診療時間内とは限りません。突然の歯のトラブルが起きた時に安心できるのが、かかりつけ医の存在です。かかりつけ医がいれば、急患枠での診察や適切な病院を紹介してもらえることがあります。



また、これまでの治療歴や薬剤のアレルギーなども記録しているので、歯が折れて慌てている時にも安心して治療を受けることができるでしょう。



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筆者:seeker編集部

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