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2022/03/15

虫歯じゃないのに親知らずが痛むのはなぜ?

親知らずが痛む原因は虫歯だけではありません。智歯周囲炎や萌出時の痛みであることも考えられます。急に痛み出したり疲れている時に腫れたり、親知らずはトラブルが起きやすい歯でもあります。どんな時に痛むのかや、痛みが出た時の対処法などをお話しします。


親知らずの特徴を知ろう

親知らずは1番奥にはえてくる永久歯であり、前から数えて8番目の歯です。先天的に欠如している場合や、歯があっても顎の中に埋まったままではえてこない場合もあります。

また、一番奥に位置しているため、はえてくるスペースが足りず斜めにはえたり、水平で半分歯肉が被っていたりと、正常にはえてこないことも珍しくありません。そのため、歯ブラシが届きにくく汚れがたまりやすい親知らずは、虫歯や歯肉、歯周組織などのトラブルが多い歯でもあります。



虫歯以外に親知らずが痛む原因

親知らずが痛む原因は虫歯以外に、智歯周囲炎や萌出時の痛みが考えられます。



智歯周囲炎

智歯周囲炎とは、親知らず周辺の歯肉や歯周組織で起きている炎症のことを言います。親知らずの特徴でお話ししたように、親知らずは、はえ方の影響やお口の一番奥に位置していることで、歯ブラシが届きにくく磨きづらい歯です。汚れが取りきれていないと、細菌が繁殖し、炎症や痛みを引き起こしてしまいます。

智歯周囲炎は段階的に悪化していくと言われています。はじめは鈍い痛みや噛んだ時に痛みを感じる程度ですが、悪化していくとズキズキするような痛みが続き、歯肉が腫れたり、膿が出たり、口が開けられないといった症状が現れます。ひどくなると周りから見てもわかるくらい腫れたり、発熱や全身の倦怠感が現れたり、水を飲むことが困難になることもあります。

また、智歯周囲炎は、体調の悪い時や免疫力が低下している時に悪化しやすいとされています。忙しさで疲労がたまっていたり、睡眠や栄養が十分に取れていなかったりしている方は注意が必要です。悪化しないためにも、早めに歯科医院を受診しましょう。




萌出時の痛み

親知らずがはえる時、外に出てくる力が周りの歯肉や隣の歯を押すことにより、痛みが生じます。親知らずがはえる分のスペースがあれば、親知らずがはえれば痛みは改善しますが、スペースがなく隣の歯を押している状態だと、痛みも強くなります。

萌出時の痛みは、親知らずがはえていない状態で起こるので、痛みの原因がどこなのかわかりにくいことがあります。まずは歯科医院でレントゲンを撮って診断してもらいましょう。




痛みがある時の対処法

親知らずに痛みがある場合は早めに歯科医院で診てもらいましょう。受診までの間、自宅での対処が必要であれば、痛い部分を冷やすことで痛みを軽減することができます。市販の痛み止めを飲むのも良いでしょう。

また、細菌により炎症を起こしていることも考えられるので、お口の中を清潔にすることが大切です。痛みが軽い場合は、柔らかめの歯ブラシを使って親知らずの周囲を綺麗にしましょう。痛みが強く歯が磨けない場合は、殺菌作用のあるうがい薬でうがいをして細菌を抑えましょう。アルコールを含む刺激が強いものは避けてください。他にも、血流が良くなると痛みも増してしまうので、運動や入浴などは控え、安静に過ごしましょう。

萌出時の痛みの場合は、歯磨きやうがいでは改善しにくいといえます。親知らずがはえていないと原因がわかりにくいため、歯科医院で確認してもらいましょう。歯科医院では、レントゲンを使って親知らずのはえ方や位置などを確認し、処置の判断をします。親知らずの炎症がひどい場合、すぐに歯を抜くことができないケースがあります。炎症が強いと麻酔が効きにくく痛みも増してしまうからです。

まずは親知らず周辺を洗浄、消毒したのち、抗生物質や痛み止めを処方して、痛みや炎症が引くのを待ちます。痛みに対する処置の判断は、その後に行います。



親知らずは抜くべき?抜かないべき?

トラブルになりやすい親知らずですが、正常なはえ方をし、お口の中を清潔に保てるのであれば、抜かずに様子を見るケースは少なくありません。

また、完全に顎の中に埋まっていて、はえてくる可能性がない親知らずも同様です。逆に、抜いたほうがいい親知らずは、虫歯や炎症を起こし痛みがある親知らずです。

また、はえてきている歯に相対する歯がない場合や、矯正治療など歯並びに関係する場合も抜く可能性があります。隣の歯が虫歯になりやすかったり、炎症の原因になりやすい状態だったりする時も、後々のトラブルの予防として抜くこともあります。

もし親知らずを抜く場合は、2、3日ゆっくりできるように時間に余裕がある日を選びましょう。抜いた場所にもよりますが、腫れや痛みが1週間くらい続くことも考えられます。抜くか抜かないかの判断は、歯科医院でレントゲンを撮り、親知らずの有無やはえ方を確認してもらい歯科医師と相談しましょう。



親知らずのケア方法

親知らずをケアするアイテムとしておすすめなのが「ワンタフトブラシ」という毛先が束になった歯ブラシです。普通の歯ブラシでは磨きにくい奥歯や孤立した歯、歯並びの悪い部分など、汚れがたまりやすいところをピンポイントで磨けるアイテムです。

普通の歯ブラシで全体を磨いた後、親知らずをワンタフトブラシで磨きます。持ち方は、鉛筆を持つようにすると力加減をコントロールしやすいでしょう。頭の部分が小さく細いので、親知らずまでしっかり届きます。また、斜めの部分や段差などがあってもブラシの毛先が当たりやすいので、目的の歯をしっかり磨くことができるでしょう。



親知らずは、智歯周囲炎や虫歯など様々なトラブルの原因になることがあります。症状が落ち着いても、炎症の原因となる親知らずがある限り、汚れや体調の不調により繰り返し炎症が起きてしまいます。歯磨きが難しい場所にある親知らずですが、自宅での歯磨きや定期的な歯科医院のクリーニングで清潔を保つ必要があります。また、ストレスや疲労なども関係するので、十分な睡眠や栄養を取り、免疫力を下げないようにしましょう。

歯科医院のレントゲンでは、親知らずの有無やはえ方、炎症を起こしやすい状態なのか、今後はえてくるのか、トラブルの有無等を、事前に知ることができます。定期的な検診でトラブルを防ぎ、健康な歯を手に入れましょう。



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筆者:seeker編集部

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