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2022/06/28

熱中症とむし歯予防、どちらも叶える水分補給の方法とは

夏は熱中症を予防するための水分補給が欠かせない季節。実は歯科の観点から見ても、水分不足は口内環境を悪化させるため、注意が必要です。しかし、やみくもに水分を摂ればよいわけではありません。今回のコラムでは、歯科の観点から見た水分補給について解説します。


水分補給の効果


お口を中性に保つ

通常お口の中は中性ですが、食べたり飲んだりするとすぐに酸性に傾き、お口の中のむし歯菌の動きが活発になります。お口の中を中性に戻すのは唾液の緩衝作用によるものです。中性に戻ればむし歯菌の活動が止まるのです。

しかしお口の中の唾液が少ないと緩衝作用の働きが弱まり、お口を中性に保つことができなくなってしまいます。水分をしっかり摂ることで唾液の分泌が促され、お口の中が中性に保たれます。



口臭予防

体内の水分量と唾液の分泌量は比例しています。水分不足になると人間の身体は唾液の分泌量を減らし、水分を逃がさないようにします。すると唾液の自浄作用や殺菌作用が正しく働かなくなり、口臭の原因となる雑菌の増殖を引き起こします。そこで唾液の分泌量を減らさないためにも水分補給をし、体内の水分量を維持する必要があるのです。



水分補給のタイミング

一度に大量に水分を補給すると身体に負担がかかったり、吸収しきれなかった水分が尿などで排出され、頻尿を招いたりします。水分はゆっくりとこまめに、少しずつ飲むようにしましょう。朝起きてすぐと夜寝る前、食事中、入浴前後、汗をかいた後、飲酒時には意識的に水分補給を行います。

また、「喉が渇いた」と感じる前に水分補給を行うことがポイントです。喉の渇きを感じた時には、すでに体内の水分は不足しているのです。




お茶よりも水をすすめる理由

カフェインを含むお茶には利尿作用があり、せっかく摂った水分が排出されてしまうため、水分補給には適していません。また、お茶に含まれるポリフェノールは唾液の分泌を抑える作用を持ちます。

また、ポリフェノールは歯の着色の原因にもなります。しかし、水分補給をする際、時に味がついたものが飲みたいと思うこともあるでしょう。そんな時はノンカフェインのお茶やポリフェノールの含有量の少ないお茶を選ぶことをおすすめします。



スポーツドリンクの適切な摂り方

砂糖を多く含む飲み物は、糖分を摂取することでむし歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。水分補給のポイントは「こまめに飲むこと」です。しかし、糖分を含む水分をこまめに飲んでしまうと、お口の中が常にむし歯や歯周病の危険に晒されてしまいます。お口の健康を維持するためにも、スポーツドリンクなどの糖分を含む飲み物は過剰に摂り続けないよう注意しましょう。

しかし、スポーツドリンクは絶対に飲むべきではないのかというと、そうではありません。猛暑の中大量に汗をかき、体力を激しく消耗した時には、ナトリウムと少量の糖質を含んでいて、より効率的に水分を吸収しやすいスポーツドリンクを飲むべきです。

しかし、短時間の運動や室内にいる時などの水分補給は水を選ぶことをおすすめします。また、スポーツドリンクを飲んだ後には、うがいや歯みがきをするのもいいでしょう。さらに、炭酸水は無糖であれば良いのかというと、そうではありません。炭酸水によって歯の表面のpH値が酸性に傾くので、歯が溶けてしまう恐れがありますので飲みすぎには注意が必要です。




熱中症対策のアメやタブレットの摂取方法

新型コロナウイルス感染症拡大防止のためにマスクが推奨される昨今、これまで以上に熱中症に気をつけねばなりません。そこで広く推奨されるのが熱中症予防のアメやタブレットです。

その反面、むし歯を防ぐためには糖質の摂取を控える必要があります。長時間お口に含み続けるアメやタブレットは、歯にとっては良いものではありません。大切なのは、適切に取り入れることです。絶えず口に入れているとむし歯を誘発する原因になりますが、適度に取り入れて熱中症予防に努めましょう。

また、日常的に摂るのではなく、必要な時だけにとどめ、アメやタブレットを選ぶ時にはシュガーレスやキシリトール100%配合の製品を選ぶといいでしょう。熱中症予防に塩分を補給するには、梅干しやナッツもおすすめです。

さらに、アメやタブレットを口に入れた後には、水を飲んで洗い流すのも効果的です。暑い時期には熱中症対策と並行してむし歯対策もしっかり行いましょう。



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筆者:seeker編集部

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