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2020/05/21
歯医者さんでの麻酔の安全性と副作用

麻酔は100%安全性を確保されているというわけではありません。しかし日々進んでいる医療技術の向上や、薬の安全性が高くなってきていることなどにより、麻酔の安全性は以前よりとても高くなっています。

局所麻酔
歯科で最も多く使われている麻酔の方法が局所麻酔です。歯を治療する際に痛みを取り除く時に用いることが主な使用方法となります。局所麻酔は麻酔の量も多くはないので安全性は高い部類に入ります。
安全性
- ・意識を保ったまま痛みを取り除くことが出来る
- ・全身に及ぼす影響が少ない
- ・麻酔に必要な機器が少ない
- ・呼吸や体の調子が安定している
- ・使用される局所麻酔薬はアレルギーが少ない
- ・日帰り手術にも有用で手術後の鎮痛にも優れている
副作用
- ・意識がある(全身に影響しない)
- ・麻酔の効果が不確実であること
親知らずの場合
親知らずの歯を抜く際などは局所麻酔だけでなく伝達麻酔と呼ばれるものを注射します。局所麻酔と同じ麻酔薬ですが伝達麻酔は深くに打つため神経を傷つけたり局所麻酔中毒が生じる恐れがあります。伝達麻酔をすると神経を大きく麻痺させるため数時間は麻痺が残り食事などが摂りづらいでしょう。また子供の場合、麻酔で痺れているところ(特に唇)を咬んで傷つけてしまう恐れがあります。

全身麻酔
歯科で「手術」を行う場合、手術を行うところは「お口の中」がほとんどですので局所麻酔が選択されるケースが多いですが、お口の中の手術でも舌などの癌などケースによっては全身麻酔を用いて手術を行う必要があります。全身麻酔は身体に大きく影響するため、手術前に安全を確認することが必要となります。血液検査などによる術前検査を行い、麻酔を適切にまた安全に使用するために行います。
安全性
- ・手術で伴う大きな刺激やストレスを受けても意識がなく、痛みもない。また身体は動かない
- ・記憶に残らない(手術中のことを覚えていない)
- ・患者さんのストレスがない
副作用
- ・全身麻酔の軽度の合併症 →喉の痛み、声の嗄れ、頭痛、吐き気、嘔吐、めまい、震え、など
- ・全身麻酔の中等度の合併症 →歯の損傷、アレルギー、血圧の上昇、神経障害、肝障害、術後の肺炎
- ・全身麻酔の重度の合併症 →最も重いと脳障害、心停止

まとめ
歯科治療においてはほとんどの場合が局所麻酔ですが、以前に比べると痛みや副作用は少なくなっています。昔の治療で麻酔の痛みが原因で歯医者さんへの苦手意識を持っている方も、今の治療技術であれば乗り越えられるかもしれませんので、お口の事で気になる事があれば勇気を出して一度歯医者さんに相談してみてはいかがでしょうか。
(seeker編集部)