1. トップ  > 
  2. コラム一覧  > 
  3. コラム>歯の豆知識 > 
  4. 歯の治療を途中でやめてしまった・・・どうなる?

コラム>歯の豆知識

2021/06/11

歯の治療を途中でやめてしまった・・・どうなる?

「歯の痛みや症状が治まった!」「仮歯が入ったからとりあえずこのままで大丈夫かな~」「治療の時の痛みがどうしても苦手で足が遠のく…」など、さまざまな理由で、治療が完了していないのに、歯科医院への通院をやめてしまった経験はありませんか?

もし歯の治療を途中でやめてしまったとしたら、どのようなリスクがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。治療中のまま放置している歯がある人は、心してご覧ください。


むし歯治療中の場合



むし歯の悪化

歯に痛みがあり歯科医院を受診した際に、むし歯による炎症の応急処置を受けると、一時的に痛みが緩和されることがあります。基本的にむし歯治療では、むし歯になってしまった箇所を一度で取り除く処置が行われていますが、炎症の度合いなどにより何度かに分けて治療を進めることがあります。治療の途中であるにもかかわらず次の処置を受けないまま放置すると、炎症が進んでむし歯が悪化する原因になってしまいます。



型の取り直し

むし歯治療の終盤になると、詰め物や被せ物を作るために型取りが行われます。型をとった後、治療の日程を大幅に遅らせてしまうと歯の移動などが起こり、仕上がった詰め物や被せ物が入らず、調整が必要となるケースがあります。場合によっては新しく型を取らねばならず、詰め物や被せ物自体作り直しになってしまうこともあり、通常よりも余計に時間や費用がかかってしまいます。



歯周病治療中の場合



病状の悪化、治療が振り出しに

歯周病の治療は、主にプラーク(歯垢)や歯石の除去を行います。歯石が取れて歯茎の腫れや痛みが緩和されはじめると、治療をやめてしまう人がいます。歯周病治療を途中でやめてしまうと、お口の中に残っていた細菌によって炎症が再び進行し、治療を再開した時には振り出しに戻ってしまうこともあります。悪くすると歯肉炎などで腫れた歯茎から出血したり、膿が出てきたりすることも…。

腫れて治って、また腫れて...を繰り返した歯茎は、正常な歯茎のラインから下がってしまうため歯が長く見えてしまったり、歯周ポケットが深くなったり、歯を支える骨を溶かしているということもあるのです。歯周病が悪化すると器具が届かない所にまでプラークが入り込み、外科治療が必要となってしまう恐れもあります。



神経治療中の場合

神経を治療する場合、歯の中の神経に通じる部分である根管の治療と消毒が行われます。これはとても繊細と言われている作業です。歯の内側の汚染された神経などを、丁寧に除去し消毒する必要がありますが、放置してしまうとせっかくきれいになった根管が再び汚れてしまい、消毒のやり直しになる可能性もあります。 通院回数が多くなるため、治療の途中で放置しがちですが、歯の内部はとても抵抗性が弱く、途中で治療をやめてしまうと最悪な結果を招くかもしれません。



膿の袋(根尖病巣)

根管を消毒し密閉していないまま治療を中断すると、細菌が奥へ奥へと侵入し身体の防衛反応によって、歯の根の先に膿がたまることがあります。酷くなると、あごの骨にまで細菌が侵入する恐れもあります。これが「最悪の結果」の一つめです。



抜歯の可能性

「最悪の結果」の二つめは、歯の内側にむし歯菌が入り込んだり、残っていた細菌によって感染箇所が増えてしまったりするケースです。歯の神経を取ったまま何も被せていない状態で放置すると、歯がもろくなり割れる可能性があります。治療中の歯を放置すると、治療を受けはじめた時よりも悪化していることが多く、本来であれば残せた歯も、抜歯しなければならないこともあるのです。



歯列矯正治療中の場合

歯列矯正を受けている人は、口内環境にも気を配る必要があります。クリーニングが不十分だと、むし歯や歯肉炎などのリスクが高くなり、歯列矯正に加えて別の治療が必要になることもあります。 また、毎回通院時には、どのくらい歯が動いているかを予測して治療が進められることがありますが、計画通りに通院せず放置してしまうと、予定通りに矯正治療を進められないかもしれません。そうすると、定期的に受診している人に比べて時間がかかってしまい、治療の効果を十分に得ることは難しいかもしれません。



矯正治療は1年や2年など、ある程度長いスパンでの治療プランを必要とします。長いからこそ、ライフスタイルの変化に伴い通いにくくなったり、日程調整が難しくなったりするかもしれません。そんな時は、治療中の歯をそのままにせず、一度歯科医院に相談しましょう。治療内容や期間、スケジュールなどの都合を考慮した治療計画を立てられれば、無理せず治療を受けられるかもしれません。

どの治療においても自己判断による治療の中断は、非常にたくさんのリスクが伴うことが分かりました。忙しくてついそのままになってしまった!など、中断している治療がある人は、なるべく早く治療を再開し、改善を目指しましょう。



→歯科医院探しはこちらから



筆者:seeker編集部

人気記事ランキング

歯の豆知識ランキング

人気記事ランキング

歯科医院PICK UP

こちらもcheck!