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2024/04/25
不正咬合の原因や治療法、健康リスクを徹底解説

不正咬合についてご存じでしょうか。 不正咬合を放置すると、虫歯や歯周病になりやすくなったり、言葉がうまく発音できなかったりすることがあります。さらに、めまいや頭痛といった全身症状が出る可能性もあるといわれています。 不正咬合の治療をすることで、お口や体の健康を守ることに繋がるため、症状がある場合には、早めに歯科クリニックで相談するのがおすすめです。今回は、不正咬合の原因や種類、治療方法について解説するとともに、健康上のリスクについてお伝えします。
不正咬合とは
不正咬合とは、歯並びが悪かったり、上あごと下あごの位置がズレていたりすることで、歯のかみ合わせが悪くなっている状態のことをいいます。不正咬合の原因や種類にはさまざまなものがあり、状態に合わせて治療を行います。
不正咬合の原因
不正咬合の原因には、先天的なものと後天的なものがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
先天的な原因
先天的な原因として挙げられるのが、次のようなケースです。
あごが十分に発育せず乳歯や永久歯があごに入りきらないケースや、歯が大きくあごと歯の大きさのバランスが悪いケースは不正咬合になりやすいです。 また、上唇や舌のスジに異常があることで不正咬合となるケースもあります。
後天的な原因
後天的な原因として挙げられるのが、癖や虫歯、外傷などです。指しゃぶりやおしゃぶり、頬杖などで、歯の位置がズレてしまうのも不正咬合の後天的な原因です。 虫歯や外傷などで、通常より早く乳歯を失ってしまう場合にも、歯並びが悪くなる傾向にあります。
▶歯に影響するクセについては、次のコラムをご覧ください。 気になる歯並び、そのクセが原因かも?歯に影響を及ぼすクセとは?

不正咬合の種類
不正咬合には、以下のような種類があります。それぞれの違いについてお伝えします。
不正咬合では、症状や状況に合わせた治療が行われます。続いて不正咬合の治療方法についてお伝えします。
▶口ゴボについては、次のコラムをご覧ください。 口(くち)ゴボの原因と治し方
不正咬合の治療方法
不正咬合の治療方針は、不正咬合になった原因について検査・診断してから決定します。 乳歯が残っている小学生や中学生などの場合には、骨格の成長を活用した治療方法を選択するのが一般的です。永久歯が生えそろっている大人の場合は、マルチブラケット装置などを使った歯列矯正が行われます。 骨格の成長を活用した治療方法を「1期治療」、歯列矯正をする治療を「2期治療」と呼びます。
不正咬合の1期治療
子どもの不正咬合の原因が、あごの形や広さ、位置などの場合、次のような装置を使用して骨格矯正を行います。
いずれも取り外しが可能な装置で、歯科医師の指示に従って装着します。 これらの装置を使う目的は、あごの形や広さ、位置を矯正することで、永久歯が正しい位置に生えるよう促すことです。骨格矯正によって、永久歯がスムーズに生え変わった場合、2期治療を行わないケースもあるようです。
不正咬合の2期治療
不正咬合の2期治療は、マルチブラケットやマウスピースを使って通常の歯科矯正と同じように歯並びを整えていきます。歯科矯正については次のコラムをご覧ください。
▶矯正治療方法については、次のコラムをご覧ください。 矯正治療には、どんな方法があるの?

不正咬合の健康上のリスク
不正咬合には健康上のリスクがあることが分かっています。不正咬合の場合は、早めに歯科クリニックに相談して、治療の必要性を確認するのがおすすめです。
虫歯や歯周病のリスクを高める
不正咬合は歯並びが乱れている状態であるため、歯ブラシの毛先が歯や歯茎の隙間に届きにくくなりやすいです。通常の歯磨きでは、十分に歯垢や食べかすを取り除けないことがあり、虫歯や歯周病のリスクを高めます。
口腔内を傷つける
かみ合わせが悪いため頬の内側を誤って噛んでしまったり、転倒や接触の多いスポーツで前歯をぶつけてしまったりすることがあります。口腔内を傷つけたり、前歯を失ったりする危険性が高まるといわれています。
発音障害が起こりやすくなる
不正咬合の方は、歯の隙間から空気が漏れ出ることで、言葉がうまく発音できないことがあります。これを「発音障害」といいます。たとえば開咬の場合、舌が前歯にできた隙間を埋めるように位置しやすいため、サ行やタ行が発音しにくくなるようです。

体に不調をきたす
歯のかみ合わせは、口周りの筋肉や神経にも関係しています。口周り周辺の筋肉や神経が不正咬合によって疲労しやすくなり、頭痛や肩こり、めまいといった症状を起こすことがあります。
不正咬合の場合は早めに歯科クリニックを受診しよう
不正咬合を放置すると、虫歯や歯周病、体調不良などさまざまなリスクが高まる可能性があります。不正咬合の場合は早めに歯科クリニックを受診して、お口と体の健康を守りましょう。
筆者:seeker編集部