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2024/02/29
自臭症とは?原因や症状、治療法について解説
自分の口臭や体臭を必要以上に気にしていませんか。他人は気にしていないにもかかわらず、自分だけが自分のニオイを気にしている状態を「自臭症」とよびます。 今回は、自臭症の原因や症状、治療法についてお伝えします。
自臭症とは?
自臭症とは、「自分が他人から臭いと思われている」と思い込む症状のことです。別名「自己臭恐怖症」「自己臭症」ともよばれています。対人恐怖症のひとつで、嗅覚に起こる幻覚とも考えられているようです。
▶口臭については、次のコラムをご覧ください。 やっぱり気になる口臭…原因や改善策はあるの?
自臭症になる人の特徴
自臭症には、几帳面な人やキレイ好きな人、完璧主義な人がなりやすいという特徴があります。自臭症の患者さんは、自分のニオイを非常に気にしていますが、他人に相談することを恥ずかしく感じており、なかなか相談できないケースも多いようです。
自臭症の原因
自臭症の原因として、他人から「臭い」と言われた経験が挙げられます。自臭症の患者さんの多くが、他人からニオイについての指摘を受けたことで、以下のような感情を抱くようになるようです。
自臭症の患者さんは、過去の体験などから「自分が臭い」と思い込んでいます。その結果、「他人の視線や行動が自分のニオイに関連するものなのではないか」と感じてしまうのです。
自臭症の症状
自臭症の症状には、次のようなものがあります。
自臭症の人は、他人が気になるほどのニオイではないにもかかわらず、自分が臭いと思い込んでいます。その思い込みからさまざまな症状が現れ、ひどい場合には日常生活にも影響が出ることもあります。
自臭症の治療法
自臭症の治療法には、心理療法と薬物療法があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
心理療法
自臭症は心が原因の病気として位置づけられています。そのため、自分の口臭や体臭は他人に迷惑をかけるものではないことや、自分の口臭や体臭が強いニオイではないことを本人に自覚させることを目的に、会話や訓練などの心理療法を行います。 この時、デオドラントや制汗剤、マウススプレーといったグッズを使用することで恐怖心や不安が軽減されるのであれば、積極的に使用するのも良いでしょう。
薬物療法
自分のニオイが気になりすぎることで精神的なダメージを受け続けると、うつ状態やパニック障害を発症することもあります。このような場合には症状を抑えるために、抗うつ剤や精神安定剤などを服用します。 ただし、ここでの薬物治療は、実際に口臭や体臭を抑えるものではありませんし、口臭や体臭の感じ方を和らげるものでもありません。恐怖心や不安を抑えるためのものであり、自臭症に対する根本的な治療でないことは念頭に置いておきましょう。 うつ症状などが現れた際には薬物治療を行いながら、心理療法で自分のニオイに対する考え方を時間をかけて変えていきます。
自臭症のチェックリスト
自臭症かもしれないと思った時は、次の自臭症のチェックリストを活用してみてください。
- □ニオイの対策を行っても安心できない
- □他人から臭くないと言われても信じられない
- □他人の行動が自分のニオイのせいだと思う
- □ニオイが気になり、1日に何度もお風呂に入ったり着替えたりする
- □ニオイが気になり、デオドラントや制汗剤を必要以上に使用する
- □自分のニオイが気になり外出するのをためらう
多くの項目にあてはまる場合は、ニオイに対する意識が過敏になっているのかもしれません。
自臭症かもしれない時は
自臭症かもしれないと気になる場合は、自分のニオイを客観的に判断することが大切です。 まずは本当に口臭や体臭があるのか、家族などに確認してみましょう。相談しにくい場合は、市販の口臭・体臭チェックグッズを使ってみるのも良いでしょう。口臭が気になるのであれば、口臭チェックができる歯科クリニックを受診するのもおすすめです。 ニオイに関するお悩みは非常にデリケートなことではありますが、ひとりで抱え込まず、できるだけ誰かに相談するようにしてください。
筆者:seeker編集部