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2021/06/22
くりかえすお口のトラブル、ストレスや疲れが原因かも?
ストレスは健康の敵。お口の中でもそれは変わらず、むしろお口はストレスの影響を受けやすい場所と言われています。お口の中の腫れや痛みのような不快な症状は、ストレスや疲れが原因かもしれません。
ストレスや疲れからくるお口のトラブル
歯茎の腫れ
疲れがたまっていたり寝不足が続いていたりすると、身体がストレスを感じ免疫力が低下します。免疫力が低下している時にお口の中にみがき残しやプラークがあると、健康な時は抑え込めていた細菌の動きが活発になり、歯茎に炎症を起こすことがあります。歯茎が赤く腫れ、歯みがきをすると痛みがあったり血が出たりします。
歯の痛み
むし歯ではないはずなのに、歯の痛みを感じることがあります。このようなストレスがたまると起こる歯の痛みを、非定型歯痛と呼びます。身体がストレスを感じると、カテコールアミンというホルモンが血液中に広がり、歯のまわりの血管が充血するため痛みが発生します。 また、ストレスによっていつも以上に食べしまったり、歯みがきをした後、夜寝る前にもかかわらず我慢できずに何かを口に入れてしまったり、そんな食生活の乱れにも注意が必要です。知らず知らずのうちにむし歯ができ、歯の痛みを引き起こしているかもしれません。
口内炎
不規則な生活が続いて代謝が悪くなると、お口の粘膜が弱ってしまい口内炎ができることがあります。特に食生活や生活習慣が乱れると、ビタミンB群が不足し始め、口内炎ができやすい身体になってしまいます。
歯ぎしりや噛みしめ
歯ぎしりをするメカニズムは、未だ原因が明らかになっていないものの、歯ぎしりのほとんどが、ストレスによるものだと考えられています。寝ている間、無意識に歯ぎしりをすることで、ストレスを解放しているのだそうです。 また、ストレスやイライラ、強い緊張を感じていると、自覚なしに歯を噛みしめていることがあります。歯ぎしりや噛みしめが癖になると、歯の健康にも悪影響を及ぼします。家族など身の回りの人を不快にしてしまう恐れもあるので、注意が必要です。
歯が浮いた感じ・揺れる
歯が浮いた感じや揺れるような違和感も、ストレスが原因で起こる症状です。これは歯周病や歯を支えている歯周組織のトラブルが影響しており、いずれもストレスの影響で免疫力が低下すると起きやすい症状です。 また、ひとつ前で挙げた食いしばりが癖になると、その弊害として歯が浮いたような感覚を感じることもあります。そのほかにも、歯根嚢胞と呼ばれる歯の根本のあたりにできるおできのようなものが、歯が浮いたような違和感を与えることがあります。大きくなったり歯を押し上げようとしたりすると、痛みや歯が浮いたような感覚がするのです。
口臭
マスクをつけているからこそ、自分の口臭に気が付くことがあります。口臭を感じた時は、身体がストレスを感じている時かもしれません。ストレスを感じると唾液の分泌が減ってしまうことがあります。唾液にはお口の中を清潔に保ち口臭を抑える働きがあります。唾液の分泌が減少すると、口内環境が悪化し口臭が発生するのです。
手軽にできる毎日のケア
残念ながらストレスをゼロにすることは困難です。ストレスをなくすことにばかり注力するよりも、毎日のケアでお口の健康を守ることを意識しましょう。 まず大切なのは、丁寧な歯みがきでプラークを取り除くことです。歯と歯の間や、かみ合わせ、歯茎の境目のようなプラークが付着しやすいポイントは、特に意識してみがきましょう。デンタルフロスや歯間ブラシ、フッ素入りの歯みがき粉を使用することも効果的です。
しかしながら、ストレスでいっぱいの時は、丁寧な歯みがきをする気力がわかないことがあるでしょう。疲れて歯をみがかないまま眠ってしまうことさえあるかもしれません。そんな時はうがいがおすすめです。デンタルリンスを使ったうがいなら、より効果が期待できます。日常的にお口の中の環境を整えておきましょう。
休息や趣味でリフレッシュが大事
お口のトラブルは本人も気づいていないようなストレスや疲れのサインかもしれません。お口のトラブルが続いた時は、心と身体がケアを欲している時。力を抜いて深呼吸をするのもいいでしょう。ストレスをなくすことはできなくとも、できるだけ少なくして健康的な生活を送ることでお口のトラブルを予防できることがあります。そのためには、ゆっくり身体を休める日を作ったり、趣味やリフレッシュの時間を持ったりし、疲れやストレスを溜めない環境作りをしましょう。
それでもお口のトラブルが長引くようであれば、トラブルの原因がどこかに隠れているかもしれません。不安を抱えていてはストレスがたまります。なるべく早く歯科医院を受診して不安を取り除き、健康なお口を手に入れましょう。
筆者:seeker編集部