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コラム>小児歯科

2021/08/05

歯がくっついている?子どもの癒合歯、治療が必要?

他の歯に比べて妙に大きな歯があったり、歯の本数が少ないことに気がついたりすることで癒合歯は発覚します。子供に多くみられる症状であることから、乳児歯科健診や歯科相談会で見つかることもあるでしょう。

癒合歯には定期的な検診と経過観察が必要不可欠です。子供の癒合歯について詳しくみていきましょう。


癒合歯とは

癒合歯(ゆごうし)とは、隣り合う複数の歯がくっついて1本の歯のように生えることをいいます。永久歯よりも乳歯に起こることが多く、子供によくみられる症状です。下アゴの乳側切歯と乳犬歯、下アゴの乳中切歯と乳側切歯、上アゴの乳側切歯と乳中切歯が癒合歯になるケースが多く、主に隣り合う歯が2本くっついた状態で生え、治ることはありません。



子供の癒合歯、原因は?

そもそもなぜ癒合歯が生えるのでしょう?アゴが小さいため歯を形成するスペースが足りず、複数の歯がくっついた状態で生えるという説や、胎児の時に作られる乳歯の芽がくっついてまま発育するという説など、原因は諸説ありますが、癒合歯の原因は未だ明らかにされていません。しかし癒合歯が生えている場合、いくつかのトラブルが想定されるため定期的な検診が必要となります。



癒合歯のトラブル

歯の機能として正常に噛むことができれば、癒合歯自体に問題はありません。しかし、癒合歯が生えることでお口の中で起こりうるトラブルがあります。



むし歯のリスク

癒合した歯と歯の境目には、溝があることがほとんどです。溝にはプラークが溜まりやすく、歯ブラシできれいに落とさないとむし歯になってしまうことがあります。癒合歯の治療は通常の歯よりも難しい場合があります。シーラントというプラスチックで溝を埋めたり、フッ素塗布などの対策をしたりし、むし歯を防ぎましょう。




永久歯の本数が少ない

癒合歯の下の永久歯が先天的に欠如していることがあります。永久歯が足りないと、その部分の歯列には隙間が生じ、その隙間を埋めるように他の永久歯が移動してしまい、歯並びや噛み合わせに影響が出てくる恐れがあります。

また癒合歯と生えかわる永久歯の大きさが正常な歯に比べて小さい可能性もあります。そのような場合、将来的に矯正治療が必要になる可能性があることは覚えておきましょう。



正常な生えかわりができない

乳歯が癒合歯である場合、自然に生えかわりが起こらない場合があります。通常、歯が生えかわる時期になると乳歯の歯根がだんだんと体内に吸収されます。頭の部分だけになった乳歯は、グラグラ揺れて抜けることで生えかわりが起こります。

ところが癒合歯の乳歯の歯根は、生えかわる時期が異なる2本の歯が癒合していることから、片方の歯根が吸収されたのにもう片方の歯根は吸収されずに残ってしまうケースがあります。そうすると、癒合歯は自然に抜けることなくその場所にいつまでも残ってしまい、永久歯が適切に生えることができません。



癒合歯の生えかわり

前章でもお伝えした通り、癒合歯がある場合、歯が生えかわる時期には特に注意が必要です。永久歯に生えかわりはじめる5〜6歳になったら、治療計画を立てるためにレントゲンを撮って、歯茎の中にある永久歯の状態を確認するといいでしょう。レントゲンを撮ると、永久歯が適切に形成されているか、本数は足りているのかを確認することができます。



永久歯は生える準備が整っているのに歯根が吸収されないまま残っていると、癒合歯は生えかわる時期になってもグラグラしない場合があります。これもレントゲンを撮ることで自然な生えかわりが可能かがわかります。歯が抜けないまま永久歯が育ってしまうと、歯並びを悪くする原因になります。そのため、永久歯のためにも抜歯を検討することになるでしょう。



治療は必要?

では癒合歯にはどのような治療が必要なのでしょうか?癒合歯そのものに行う治療は、むし歯予防のシーラントやフッ素塗布のみで、大切なのは定期的に観察をすることです。

永久歯の萌出状況や乳歯の癒合状態、アゴの成長を観察し、歯の本数や状態により起こりうる噛み合わせや歯並びのリスクを踏まえ、矯正治療が必要かどうか判断します。全ての永久歯が生え揃うまで、歯並びや噛み合わせの状態を観察し続けましょう。



継続して歯科医院での経過観察を行っていれば、癒合歯が生えていても深刻になる必要はありません。自宅では丁寧にブラッシングを行い、むし歯にならないよう気をつけましょう。特に小さな子供の場合、自分で適切な歯みがきをすることは困難です。大人がサポートし、歯科医師とともに歯の経過を観察することが重要です。



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筆者:seeker編集部

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