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2021/09/10

その怖さ、歯科恐怖症かも?歯科でも痛くない治療がある

むし歯を始めとした口内のトラブルは放置して治ることはあまりありません。しかし歯が痛いけれども歯医者に行くのは絶対嫌だという人は案外多いものです。この記事では歯科治療が怖い理由や歯科恐怖症について、歯科医院で行える無痛治療をまとめていきます。


どうしても歯科治療が怖い、その理由は?


歯科治療特有の音や振動による恐怖

歯科治療といえば歯を削る際の『ウイーン』という高音や、口内に差し込まれた機材からの振動がイメージされます。この音や振動は多くの人にとっては決して快いものではありません。歯科治療では硬い歯を削らなければならないため、機材特有の音や振動がある程度発生することは避けられません。

ですが、最近の歯科治療用機材は一昔前の機材より音も振動もかなり静かになっています。もし年単位で歯科医院に行っていないのであれば、一度行ってみると変化に驚くかもしれません。



以前の痛みによる怖さ

痛覚は身体にとって異常を知らせる信号のようなものです。だからこそ人間の脳は痛みを忘れないようになっているという研究結果があります。痛い歯科治療を経験すると、痛みの記憶が強く残り、結果的に治療に恐怖を覚えるのは脳の仕組みからすると仕方ないことといえるようです。

ただ、最近の歯科治療はできるだけ患者さんの負担が少ないように工夫されています。昔の歯科治療は痛かったけれど今はまったく痛くないという感想も珍しくありません。




麻酔が効かなかった経験

治療による強い痛みが予想されるとき、歯科治療でも麻酔を使います。ところが歯科治療で麻酔をしたのに効かなかったという経験をしている人は少なくありません。「麻酔をしていたのに痛かった!」となることで、より痛みの記憶は強くなります。歯科治療の麻酔が効きづらくなる理由はいくつかあります。進行したむし歯には麻酔が効きづらい、治療する歯の位置によっては麻酔が浸透しづらい、そもそも歯科治療で緊張しているので麻酔が効きづらいなどです。



歯科恐怖症に陥っている恐れも

なかには歯科医院に行くことを考えるだけで恐怖で冷汗が出る、呼吸や動悸が早くなる、身体が震えるなどといった身体症状が出ることがあります。口内に治療器具を入れられると吐き気を催し、治療が続けられなくなってしまうなどという症状が出る人もいます。これらはれっきとした歯科恐怖症という病気です。歯科恐怖症になると、むし歯が進行して痛みが強くなっても歯科医院に行けなくなってしまいます。



むし歯を放置した場合のデメリット

むし歯を放置すると日夜を問わず激痛が発生します。最終的には歯が失われるだけでなく、命に危険が及ぶことがあります。むし歯はむし歯菌が出す酸によって歯が溶かされる病気です。むし歯の進行には激痛を伴います。進行した重度のむし歯の痛みは痛み止めが効かないこともあります。激痛を抱えたままの生活は想像を絶するストレスです。



さらにむし歯が進行するとむし歯菌が血液の中に入り、全身に回ることがあります。脳や心臓にむし歯菌が辿り着いた結果、脳梗塞や心筋梗塞の原因となることもあるのです。昨年国立循環器病研究センターの研究グループが、むし歯菌の一種が口内に存在することによって脳卒中リスクが高くなったという研究結果を発表しています。歯科医院で治療することなくむし歯が治ることはありません。痛みを感じた時はもちろんですが、口内に違和感を覚えたタイミングで歯科医院に行くようにしたいですね。



歯科医院で行う無痛治療の主な種類


注射の前に行う表面麻酔

麻酔注射は治療の痛みを軽減してくれますが、そもそも注射自体に痛みがあります。近年は多くの歯科医院で、注射の痛みを感じないようにするため先に歯茎表面に麻酔薬を塗るようになっています。無味無臭の麻酔薬もあれば、イチゴやバナナなど子どもが喜びそうな香りの麻酔薬が用いられることもあります。表面麻酔薬の種類にもよりますが、表面麻酔は数十秒~数分の短い時間で麻酔の効果が表れるので治療が長引くこともありません。



静脈鎮静法

特に過度の歯科恐怖症であれば、静脈鎮静法による治療が可能な歯科医院を選ぶことをおすすめします。静脈鎮静法とは精神安定剤を静脈に点滴する治療方法です。深くリラックスしてほとんど眠った状態で歯科治療を受けられます。痛みを感じにくくなるだけでなく、治療器具の音や振動に対しての恐怖心も薄れるというメリットがあります。

静脈鎮静法と表面麻酔、局所麻酔を組み合わせることでほとんど痛みのない歯科治療を行うことが可能です。静脈鎮静法は全身麻酔と違って自発呼吸を保ったまま行います。身体への負担も全身麻酔より軽いとされています。麻酔効果が抜けるのも全身麻酔より早いので日帰りでの手術も可能です。デメリットは症状や歯科医院にもよりますが保険適応外になることがあること。自費負担で数万円程度費用が掛かる可能性があります。



歯科医師や歯科スタッフとの信頼関係も重要

人間は不安を感じるとより痛みや恐怖が増すようになっています。歯科医師や歯科スタッフに対して不信感があると歯科治療への恐怖心が増し、結果として治療の痛みをより強く感じることもあります。反対に歯科医師、歯科スタッフを信頼することができれば治療への恐怖が薄れ、リラックスして治療を受けることができるはずです。

治療に対する不安や恐怖、疑問はぜひ歯科医師や歯科スタッフに相談してください。コミュニケーションを取ることで患者さんと歯科医師、スタッフとの信頼関係が築けます。結果として痛みや恐怖の少ない治療が叶うはずです。





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筆者:seeker編集部

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