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2021/11/02

抜歯?神経を取る?それぞれのメリットとデメリット

歯の内側の神経まで虫歯が達すると、強い痛みが出るだけでなく、歯自体もかなり虫歯によって溶かされ、ボロボロになっています。虫歯が悪化したとき、抜歯をした方が良いのでしょうか。それとも神経を取った方がいいのでしょうか。


虫歯が悪化したら歯を抜かなければならない?

虫歯が悪化すると治療はできず、歯を抜かざるを得なくなるというイメージがあります。確かに虫歯が悪化すると歯の奥まで溶け、歯はボロボロになります。神経まで達した虫歯はたいてい何もしなくてもズキズキと強く痛むようになります。

自分の歯をできるだけ残したいと思う人もいれば、あまりの痛みにいっそ歯を抜いてもらいたいと考える人もいます。しかし歯科医師にもよりますが、進行した虫歯でも歯自体を抜かず神経だけを取る処置を薦めることがあります。抜歯と神経を取る処置はそれぞれにメリット、デメリットがあり、一概にどちらが良いと言い切れるものではありません。それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。



抜歯のメリットとデメリット


抜歯のメリット

抜歯の最大のメリットは痛みがほぼ無くなる可能性が高いことです。痛みを感じる神経や虫歯になった歯をすべて取り去るので、虫歯による痛みは当然なくなります。

抜歯というと施術自体がとても痛いという印象があるかもしれませんが、多くの歯科医院では丁寧に麻酔を行うため、抜歯自体の痛みはほとんど感じないことが多いといわれています。抜歯をして強く痛みを感じるタイミングは、抜歯後数時間して麻酔が切れた時です。抜歯後の痛さも2、3日程度で収まることが多く、痛みがある時も痛み止めを服用すれば抑えられる程度の痛みであることがほとんどです。




抜歯のデメリット

歯が1本でも無くなれば、その歯に代わる人工物を入れる必要があります。歯科ではこの処置を補綴(ほてつ)と呼びます。抜歯後は適切な補綴治療が必要になりますが、補綴治療と補綴のメインテナンスにお金が掛かることが抜歯のデメリットです。

補綴治療では入れ歯やブリッジ、インプラントなどの選択肢があります。いずれの選択肢でも定期的なメインテナンスが必要になり、当然費用がかさみます。補綴方法によっては残った歯に負担が掛かり、痛みが出ることもあります。だからといって補綴をしないわけにはいきません。

歯は他の歯とバランスを取り合っています。たった1本抜くだけでも隣り合った歯が傾いたり、噛み合っていた歯が伸びてきたりすることがあります。適切な補綴治療をしなければ、歯並び、噛み合わせが悪くなり、さらなる口内トラブルを引き起こす可能性が高くなってしまうのです。



神経を取り歯を残すメリットとデメリット

虫歯があまりに進行しすぎている場合など、神経を取って歯を残す治療ができないことがあります。神経を取って自分の歯を残すことができるかどうかの判断基準は歯科医師によって異なります。もしどうしても自分の歯を残したいという人はセカンドオピニオンを考えるのもひとつの手です。



神経を取るメリット

神経を取る最大のメリットは自分の歯を残すことが出来る、つまり噛む機能を維持出来ることです。抜歯後は補綴物を使って抜いた歯のフォローをしますが、もっとも食べ物をよく噛むことができるのはやはり自分の歯なのです。できるだけ自分の歯を残し、しっかり噛めることが口内だけでなく全身の健康を保つカギになっていることがわかっています。

そのため、神経まで達したような重度の虫歯でも、出来る限りは歯を残したいと考える歯科医師が多いようです。神経を抜いたあとは虫歯になった部分を削り、被せものをします。




神経を取るデメリット

神経を取る治療はどうしても神経を取り切れない場合があります。歯の中に神経が残っていると、痛みの原因になります。歯の神経は細いうえ、複雑に枝分かれしているので綺麗に取り切るには高い技術が必要です。そのため、歯内治療を得意とする歯科医院を選ぶといいでしょう。

また、さらに神経の深いところまで虫歯菌の感染が進んでいる場合、内部がきれいな状態になるまで消毒を繰り返さなければならず、通院回数が増えてしまうケースもあります。何度も通院するのが難しい、あるいは神経を取る治療をしても痛みが続くというときには治療した歯科医院で相談をしてみましょう。




抜歯か神経を取るかは歯科医師とよく相談して決めよう

抜歯にも神経を取るのにもそれぞれメリットとデメリットがあります。永久歯は抜いてしまえば二度と生えて来ないため、治療方針に納得が行くまで歯科医師と相談するのが肝心です。疑問点はささいなことでも質問して、前向きに治療を進められるようにしていきましょう。



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筆者:seeker編集部

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