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2022/03/29

歯茎が腫れている?放置してはいけない歯茎の変化

歯茎の腫れは、放置してしまうと歯を失うことにもなりかねない怖い症状です。歯茎が腫れる原因には、ブラッシング不足で起こる歯肉炎や歯周病が多くみられますが、それだけではありません。今回は歯茎の腫れについて解説していきます。


歯茎の異常サイン

健康な歯茎には、腫れや出血がありません。淡いピンク色で引きしまっていて、弾力があり歯面と密着しています。また、歯茎の表面にはミカンの皮の表面に似た凹凸(スティップリング)があり、歯と歯の間の歯茎は三角形に尖っているのが特徴です。

しかし、歯茎の赤い腫れや出血、歯茎を押すと膿が出る、白いできものがあるなどの症状は、歯茎の異常サインです。主に歯肉炎や歯周炎が疑われますが、それ以外の原因も考えられるので、まずはお口の中の変化に気づくことがとても大切です。



歯肉炎や歯周炎の症状と治療法

歯肉炎や歯周炎は、ブラッシング不足によって歯に汚れが残ることで起こります。歯の汚れの歯垢(プラーク)という細菌の集まりが、歯と歯茎の境目に付着することで、歯茎は炎症を起こします。歯垢(プラーク)は柔らかいので歯ブラシで取ることができますが、取り除かなければ硬くなり歯石へと変化します。

歯石になると、歯ブラシでは簡単に取ることができません。歯石が歯茎の中についてしまうと、歯茎の炎症を進行させる原因にもなってしまいます。



症状

初期症状では、歯茎が赤く腫れ、歯磨きの時に出血が見られます。この時、歯を支える骨には異常がなく、歯茎だけが腫れている状態を「歯肉炎」といいます。歯の汚れを放置し歯肉炎が進行していくと、歯茎がブヨブヨした状態になることもあるでしょう。

また、歯を支える骨が溶かされると、歯がぐらつく「歯周炎」になってしまう恐れもあります。歯茎を押すと膿が出たり痛みを感じたりする場合もあり、酷くなると、最後には歯を抜かざるを得なくなるケースもあります。



治療法

初期症状の歯肉炎の場合、適切な歯磨きをして歯垢(プラーク)を取ることで、歯茎を健康な状態に戻すことができます。歯周炎に進行してしまった場合は、適切な歯磨きに加え、歯垢(プラーク)や歯石を歯科医院で取る治療が必要です。

歯と歯茎の中に歯石が残っていると、いくら歯茎の周りをきれいに磨いていても、歯茎の中の歯石により炎症が続いてしまいます。歯科医院で歯茎の検査やレントゲン撮影をすれば、歯茎の状態や骨の状態、歯石の有無を知ることができます。歯茎が腫れている、出血しているなど変化があれば、歯科医院で診てもらいましょう。



歯肉炎や歯周炎以外の可能性1 歯根嚢胞


症状

歯根嚢胞は、神経を取った歯や神経が死んでいる歯にできます。歯の根の治療をした後、不十分な処置や劣化により神経が入っていた空間に細菌が入ることで、膿の袋ができてしまいます。歯の根元に嚢胞ができ、歯茎が腫れたり、痛みが出たりします。症状がない場合もあり、レントゲンを撮って初めて発覚することもあります。

歯茎に白いニキビのようなできものがある場合、いずれ膿が出る穴になるので、嚢胞を疑います。歯根嚢胞があると、歯の周りの骨が溶かされてしまうこともあり、歯が浮いた感じがしたり、噛んだ時に違和感を覚えたりします。また、膿を外に排出できずに大きくなると、内圧が高まって腫れや痛みが強くなることもあります。



治療法

歯の根の中に細菌が繁殖しているので、細菌を取り除く根管治療を行います。嚢胞が大きい場合は、嚢胞の摘出で歯茎を切開し膿を出す場合もあります。歯の状態が悪い場合は、体調に影響を及ぼしたり再発したりして悪化することもあります。症状によっては、歯を抜く可能性もあります。




歯肉炎や歯周炎以外の可能性2 口内炎


症状

歯茎やお口の粘膜に起こる、痛みを伴う炎症です。栄養バランスや生活習慣の乱れ、疲れによる免疫力の低下、合わない義歯ややけどなどの傷が引き金になります。その他にも、加齢や抗生物質の長期服用といった薬による影響もあり、

まれに重い病気が原因であるケース
もあります。口内炎の場合、食べ物がしみる、歯磨きの時に痛むなどの症状が出てきます。赤い腫れや、白や黄色の米粒のような潰瘍が見られることもあります。酷い口内炎の場合、びらんと呼ばれるただれやえぐれた穴、水泡ができることもあり、食事や会話ができないほど痛みが出ることもあります。



治療法

塗り薬を塗布したり、ビタミン剤の服用をしたりして改善を試みます。口腔粘膜には、ビタミンB群を摂るとよいとされているので、食事を意識してみるのも良いでしょう。栄養バランスの良い食事や、きちんと睡眠をとるといった生活習慣の見直しが口内炎を悪化させないポイントです。

しかし、口内炎は種類も原因も様々なので、安易に自己判断せず、なかなか治らなかったり痛みが酷かったりする場合には、歯科医院で診てもらいましょう。



歯肉炎や歯周炎以外の可能性3 悪性腫瘍


症状

歯茎にできるガンです。なかなか治らない口内炎や、白くいびつなできものが大きくなる場合は、悪性腫瘍の場合があるので早めに歯科医院を受診しましょう。

症状や発症部位は様々ですが、白く隆起している、ブツブツしている、コブのように盛り上がっている、粘膜が剥がれたようになっているなど、見た目が汚かったりしこりがみられたりします。時に痛みや出血もみられ、進行すると発音障害や飲み込むことが困難になったり、口が開けづらくなったりします。リンパ節転移があると全身に症状が出てきます。



治療法

腫瘍の検査をし、治療方針を決めます。手術や放射線治療、抗がん剤による化学療法を組み合わせて治療していきます。



健康な歯茎を維持するために

健康な歯茎を維持するためには、毎日の歯磨きがとても大切です。一生懸命に磨いていても、きちんと汚れが取れていなければ意味がありません。正しい磨き方で汚れを取ることが重要になります。歯科医院では、歯磨き指導を受けることができます。正しい磨き方を習得し、お口の健康につなげていくことをおすすめします。



また、体調によって歯茎の状態も変化することがあります。毎日の歯磨きは、汚れを取ることだけでなくお口の中の変化に気づくきっかけになります。いつもと違う変化があれば、放置せず歯科医院へ相談してみるとよいでしょう。



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筆者:seeker編集部

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