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2022/10/12

私の口ってクサい?口臭は誰にでもある?

生理現象として発する臭いのことを「生理的口臭」といいます。年齢・性別問わず誰にでもあるもので、習慣や精神状態、生活リズムに起因します。

通常、口臭は唾液の自浄作用によって抑えられていますが、唾液の分泌量が減ると細菌が増殖し、口臭の原因物質となる揮発性硫黄化合物が増えてしまいます。こうして生理的口臭が起こりますが、ほとんどの場合、歯みがきや食事によっておさまります。


生理的口臭が起こるのはどんな時?


起床時の口臭

朝目が覚めた時に、お口の臭いを感じたことがある人は少なくないでしょう。寝ている間は唾液の分泌量が減り細菌が増加しやすい環境になります。すると、お口の中は臭いを発するようになります。

夜、眠っている間は唾液の分泌量が減少し、咀嚼・嚥下運動も停止します。そんな中で増殖した細菌は揮発性硫黄化合物を作り出し、口臭が発生します。寝ている間に口呼吸をしている人は、さらにお口の中が乾燥して口臭がきつくなります。



空腹時の口臭

空腹になるにつれて、口臭は強くなります。食事を摂らずに栄養が足りなくなったりエネルギー源が必要になったりすると、人間は身体に蓄えている脂肪やタンパク質を分解しますが、同時に代謝産物としてケトン体を作り出します。すると、ケトン体特有の甘酸っぱい臭いが発生します。



緊張や疲労、ストレスによる口臭

強い緊張や疲労、大きなストレスを抱えている時には、自律神経の中枢に影響を及ぼし、唾液の分泌が減って細菌が増加します。すると、お口の中の自浄作用が低下し、口臭を発生させることがあります。

唾液の分泌は自律神経と深い関わりを持ちます。副交感神経が優位な時は、唾液はサラサラしていて分泌量も増えます。交感神経が優位になると、唾液はネバネバしていて唾液の分泌量も減ってしまい、口臭が強くなります。

緊張や疲労、ストレスを感じている時は、交感神経が優位な状態なので、口臭を引き起こしているのです。




ホルモンのバランスによる口臭

思春期になると男女関係なく性ホルモンが分泌されるので、口臭が強くなることがあります。女性の場合、生理前や妊娠中、更年期などに女性ホルモンのバランスが崩れて、口臭が発生することもあります。成長や老化に伴う一時的な口臭や、避けようのない口臭なので、深刻になる必要はありません。



生理的口臭は予防できる?


お口のケアをする

ほとんどの口臭はコントロールが可能です。何より、お口の中を清潔に保つことが重要です。生理的口臭を予防するためにも、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスやタフトブラシ、舌ブラシ、マウスウォッシュなどを併用し、お口の中の汚れを丁寧に落としましょう。



食事をしっかり摂る

食事を摂ると咀嚼運動によって唾液の分泌が促され、お口の中の自浄作用がはたらきます。もちろん、食後の歯みがきもお忘れなく。空腹時にはお水を口に含んだりガムを噛んだりすることで、口臭が改善されます。



リラックスする

口臭を気にしすぎることでかえってストレスを感じたり、しゃべるのを控えたりすると、唾液の分泌量が減り、口臭を強めることになりかねません。

十分な睡眠やバランスのよい食事はもちろん、リフレッシュの時間を作って気持ちにゆとりを持つなどし、リラックスした気持ちで日々を過ごしましょう。生理的口臭は日頃の心がけで予防できますが、口臭の中には、これらの予防策では解決しないものがあります。これは、注意すべき口臭です。




注意すべき口臭とは


むし歯や歯周病

よくあるケースが、むし歯や歯周病による口臭です。むし歯はむし歯菌が出す酸が歯のエナメル質を溶かし、歯に穴を開けます。その穴の中で食べかすが腐敗したり、神経が腐敗したりすることで、臭いが強くなります。

歯茎が歯周病菌に感染する歯周病は、膿が発生するので臭いを発します。むし歯も歯周病も進行するにつれて、次第に臭いが強烈になります。




喉や鼻の疾患

咽頭炎や喉頭炎、副鼻腔炎などの炎症が喉や鼻で起きていると、口臭が発生します。タンパク質を含む膿や血液が上気道にできると、口臭を感じるのです。



被せ物や入れ歯

被せ物や入れ歯の樹脂が臭いを吸着させ、口臭となるケースもあります。被せ物はさまざまな素材で作られますが、保険適用の歯科用プラスチックは特に臭いや汚れを吸着しやすいといわれています。



まとめ

生理的口臭は誰にでも起こりうること、そして気にしすぎる必要はないことがわかりましたが、もし口臭の原因が口腔トラブル由来・全身の病気由来というケースであれば、治療が必要です。
適切なケアをしても治らない場合には、歯科医院を受診しましょう。

また、気にしすぎるあまり、臭いを発していないのにクサいと思い込んでしまう、精神的な口臭であるケースもあります。お口のケアをすること、規則正しい生活習慣を心がけることなど、整った暮らしをしていれば、神経質になる必要はありません。



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筆者:seeker編集部

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