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2023/02/09
前歯とレジンの『つぎはぎ部分』が目立つ…きれいにする方法とは?

前歯の虫歯にレジンを使って治療を行うと、治療直後は治療跡がほとんどわかりません。しかし、レジンの経年劣化によって、徐々につぎはぎ部分が目立ってくることがあります。 つぎはぎ部分が目立つようになってしまった前歯をきれいにすることはできるのでしょうか。今回は、レジンの特徴について解説するとともに、治療部分が目立つ前歯をきれいにする方法をお伝えします。
レジンとは?
レジンとは、セラミックの粒子と合成樹脂を混ぜ合わせて作られた白いプラスチックの素材のことです。コンポジットレジンとも呼ばれ、ペースト状のレジンを歯に詰めて、専用の光を当てて固めます。削った歯の形状に合わせて使用することができるため自由度が高く、最小限の治療で済むので歯や身体への負担が少ないといわれています。
レジンの特徴
続いて、レジンのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
メリット
レジンを使用して歯の治療を行うメリットの1つに、保険適用内で治療が行える点があげられます。歯の治療には、保険適用内のものと保険適用外のものがありますが、レジンを使った治療は保険適用内となるため、比較的低価格で治療を受けることが可能です。 また、見た目が白いため、目立ちにくく審美性が高いといわれています。レジンの色は、バリエーションが豊富なため、自身の歯にあった色を使用することが可能です。詰め物の色が天然歯に付着することもありません。 保険適用内の治療として銀歯を使用した治療がありますが、銀歯は目立つうえに金属アレルギーのリスクも伴います。また銀歯を装着するために、虫歯部分だけでなく健康な歯まで削らなければなりません。このため、レジンを選択するケースが増えているようです。レジンを使った歯の治療は、費用や審美性の観点からメリットのある治療方法といえるでしょう。

デメリット
レジンはプラスチックであるため、金属の詰め物に比べると強度が弱いといわれています。そのため、歯ぎしりや食いしばりといった癖があると、欠けたり割れたりする可能性があるでしょう。また、歯科医のテクニックによって見た目などが変わってしまうことも考えられます。 加えて、経年劣化によって変色するのも、レジンを使用するデメリットです。長期間使用することで、変色したりツヤがなくなったりすることがあります。定期的なメンテナンスを行うことである程度は維持できますが、経年劣化が起こってしまうことについては念頭に置いておく必要があるでしょう。
前歯とレジンのつぎはぎ部分が目立ってくる理由
前歯に使用したレジンのつぎはぎ部分が目立ってしまう理由の1つは、前述した経年劣化があげられます。紫外線があたるとレジンの構造が変化したり、酸化によって変色劣化が起こったりします。また、熱による膨縮変形も変色の原因です。 さらに、レジンには吸水性があります。カレーや赤ワイン、コーヒー、紅茶などの色素が濃い食べ物を摂取すると、その吸水性により浸透するとされています。ただし浸透量はレジンの種類や劣化状態によって異なるようです。このようなレジンの経年劣化によって、前歯とレジンのつぎはぎ部分が目立ってくるといえます。
▶歯の着色汚れについては、こちらのコラムをご覧ください。 ステインとは?歯に汚れがつきやすい食べ物と飲み物

前歯とレジンのつぎはぎ部分への治療方法
定期的なメンテナンスで、ある程度の経年劣化は抑えることはできるといわれています。しかし、表面の変色や着色に限られるため、レジンの内部に浸透した着色汚れについてはメンテナンスが難しいかもしれません。 ここでは、定期的なメンテナンスで対処できない『つぎはぎ部分』について治療方法を見ていきましょう。
▶治療した歯を長持ちさせる秘訣については、次のコラムをご覧ください。 治療した歯、どれくらいもつ?長持ちさせる秘訣を紹介
ラミネートベニアで治療
ラミネートベニアとは、目立っているつぎはぎ部分の表面を削り、セラミックを貼って見た目をきれいにする方法です。 レジンをはがして詰め直す方法もありますが、詰め物の範囲や大きさによっては歯に負担がかかる可能性があります。表面を削ってセラミックを張り付けるラミネートベニアは歯に負担がかかりにくいです。 レジンを詰め直すか、ラミネートベニアにするかは、状態に合わせて歯科医と決める必要があるでしょう。
セラミッククラウンで治療
セラミッククラウンとは、大きな虫歯の治療や歯がかけてしまった時に使われる被せ物の1つです。セラミックで作られているため、天然歯に似せて作ることができ、自然な仕上がりになるのが特徴です。 目立っているつぎはぎ部分が複数ある場合や、つぎはぎ部分に複数の虫歯ができている場合などに選択されることがある治療方法です。
前歯とレジンのつぎはぎ部分が目立ってきたら
前歯にレジンを使用した場合、まずは定期的にメンテナンスをするようにしましょう。丁寧にケアをすることで、つぎはぎ部分が目立ちにくくなります。 しかし、どんなにメンテナンスを行っても、レジンの経年劣化によってつぎはぎ部分が目立ってきてしまうものです。そういった場合は、歯科医と相談しながら、ラミネートベニアやセラミッククラウンなどの治療を検討するのはいかがでしょうか。

筆者:seeker編集部