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2024/03/14

横向きで寝るのは良くない?寝姿勢と咬合(こうごう)の関係について解説

左向きまたは右向きといった、横向きの姿勢で寝るとリラックスできる方も多いのではないでしょうか。しかし、横向き寝の習慣によって顎がズレたり、歯並びを悪化させてしまったりすることがあります。

今回は、寝姿勢と咬合(こうごう)の関係について解説します。

「咬合(こうごう)」とは?

咬合とは、顎関節が適切な位置にあり、上顎の歯と下顎の歯が正しい位置で合わさっている状態のことです。「咬み合わせ」ともいいます。

同じような言葉に「噛み合わせ」があります。「咬み合わせ」は顎関節に、「噛み合わせ」は歯並びに注目した言葉です。

しかし、「咬み合わせ」が悪くなると「噛み合わせ」も悪くなってしまいますので、両者を明確に区別することなく「咬み(噛み)合わせ」ということもあります。

普段の生活では、咬合についてあまり意識することはないかもしれません。しかし、咬合は私たちの健康に大きく関係します。

咬合が悪化すると、口腔内に影響が出るだけではなく、全身のバランスを崩してしまい、肩こりや頭痛などの症状が表れることもあるのです。



「横向き」の寝姿勢が咬合に影響する理由

どうして「横向き」の寝姿勢は、咬合に良くないのでしょうか。その理由を説明します。



歯並びに影響が出る

左右どちらかの側を下にして横向きで寝る場合、下になっている側の歯に頭の重みが加わります。私たちは寝ている間に何度も寝返りを打つので、もちろん横向きになることはありますし、短時間であればそれほど影響はないでしょう。

しかし、いつも同じ側を下にして寝る習慣があると、同じ場所に長時間力が加わり続けます。そうなると下になっている側の歯が、内側に押し込まれ、歯並びに影響が出てしまうケースもあります。

歯の根は骨の中にあるので、頭の重みが加わるくらいで動くのだろうかと思われるかもしれません。しかし、歯は持続的に弱い力を加えると少しずつ動きます。たとえば矯正治療では、そのような歯の性質を利用し、持続的に弱い力を加えることで歯を動かしています。

横向きで寝た場合の歯にかかる力は、矯正治療で加える力よりはるかに大きいです。横向きで寝ることで歯が動き、歯並びに影響が出ることもあるのです。



顎へ負担がかかる

横向きで寝ると頭の重みが顎関節にかかり、顎関節が少しずつズレていく危険があります。

口を開閉するたびにカクカクと音がする、痛みがあって口が開けにくいなどの症状を「顎関節症」といいます。頭片方の顎関節に長時間負担がかかることが、顎関節症を引き起こす原因となることもあります。横向きで寝る習慣がある人は、注意が必要です。

また、横向き寝で歯並びが悪くなってしまったことが原因で、顎関節症を引き起こす恐れもあります。顎の関節は、回転運動のほかに前後左右にも動くことができるなど、複雑な動きをする不安定な関節です。顎の関節を守るためにも、なるべく横向きで寝る習慣を卒業しましょう。


▶顎関節症については、次のコラムをご覧ください。
「口が開かない」「開けるときに痛む」これって顎関節症?



「うつぶせ寝」も咬合に良くない?

では、「うつぶせ寝」はどうでしょうか。うつぶせ寝も横向き寝と同様、歯や顎には良くない寝方です。うつぶせで寝ると顔面が下になるため、前歯に頭の重みがかかります。その状態が長く続くと前歯が圧迫され、前歯が内側に入り込んだ歯並びになる恐れがあります。

また、うつぶせで寝るときは、顔を下に向けた状態で首を左右どちらかに捻って寝ることがほとんどです。この体勢は顎にも負担がかかり、顎関節症を起こす原因にもなります。

加えて、うつぶせ寝は呼吸がしづらい姿勢です。いつもは鼻呼吸ができている人でも、うつぶせ寝によって口呼吸になってしまうこともあります。

口呼吸になると、舌の位置が正しい位置から下がってしまうことが多く、舌に押されて歯並びが悪くなってしまうことがあります。

うつぶせ寝は寝返りを打ちづらいため、横向き寝よりも長時間同じ姿勢をとってしまう可能性があり、さらに注意が必要です。


▶口呼吸による歯並びへの影響については、次のコラムをご覧ください。
口呼吸から鼻呼吸へ。口呼吸の原因や治し方を解説



咬合を意識するなら「仰向け寝」がおすすめ

歯並びへの影響や顎への負担が少ないのは、まっすぐ上を向いて寝る「仰向け寝」です。仰向け寝には次のようなメリットがあります。

  • 咬合への影響が少ない
  • 鼻呼吸がしやすく、睡眠中の口の乾きを防げる
  • 体に余計な負担がかからない
  • 血流の妨げにならない
  • 自然な寝返りが打てる
  • 歯や顎に負担の少ない寝姿勢を維持するには、寝返りをしやすい寝具を選ぶなどの工夫も大切です。 ぜひ今日から寝姿勢を意識してみてくださいね。



    →顎関節症治療に対応した歯科医院選びはこちらから



    筆者:seeker編集部

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