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2024/10/24
顎関節症予防のために効果的な方法を解説|5つの生活習慣で改善!
顎関節症の代表的な症状は顎関節の痛み、開口障害、関節雑音の3つ。ひどくなると日常生活に支障をきたしかねませんが、適切な生活習慣で予防が可能です。 この記事では、顎関節症の主な原因と、予防法を5つ紹介します。生活習慣を見直して顎関節症を予防しましょう。
▶具体的な顎関節症の症状については、次のコラムもご覧ください。 「口が開かない」「開けるときに痛む」これって顎関節症?
顎関節症の原因
顎関節症は、顎の関節や筋肉に負担がかかることで引き起こされます。発症すると、痛みや不快感により、生活の質が低下してしまうこともあるでしょう。 原因は大きく分けて習慣的な要因、身体的な要因、精神的な要因に分類されます。ここでは、それぞれの原因について詳しく解説していきます。
習慣的な要因
日々の生活の中で無意識に行っている習慣が、顎関節症の発症に大きく影響を与えることがあります。例えば、以下のような行動が顎に負担をかけているかもしれません。
歯ぎしりや食いしばり
無意識の食いしばりや、睡眠中の歯ぎしりなどの癖があると、顎の筋肉や関節に長時間圧力がかかり、大きな負担がかかってしまいます。ストレスや不安が一因になっている人も多いようです。
偏った噛み方
片側だけで食べ物を噛む習慣によって、顎の筋肉が一方に偏り、関節に過度な負荷がかかります。その結果、関節の歪みや痛みが発生してしまうのです。
長時間ガムやグミなどを噛む
ガムやグミなどの弾力ある食品を長時間、日常的に噛んでいると、顎の筋肉が過度に働き、関節負担が掛かり、顎関節症の発症リスクが高まる恐れがあります。
身体的な要因
身体の構造や健康状態が、顎関節症の発症に関与することがあります。
噛み合わせの悪さ
噛み合わせが悪いと、食事するたびに顎の関節に不自然な力が加わり、関節の摩耗や炎症を引き起こします。これにより、慢性的な痛みや顎の動きの悪さに繋がるのです。
顎の筋肉の緊張
肩や首の筋肉が緊張していると、影響が顎にまで波及することがあります。特に姿勢が悪い人は、首から顎にかけての筋肉が常に緊張状態になってしまい、顎関節に負担がかかりやすいです。
顎の関節の異常
外傷や加齢によって関節自体に問題が発生することがあります。例えば関節円板(顎関節のクッション機能を果たす部分)のずれや変形によって、動きの不調や痛みが起こりえます。
精神的な要因
精神的なストレスや不安も、顎関節症の発症に関連していることがあります。現代の忙しい生活の中で、以下のような精神的要因が顎に影響を与えるケースが増えています。
ストレス
長期間のストレスは、無意識の歯ぎしりや食いしばりを引き起こします。ストレスが多い人ほど、顎の筋肉が常に緊張状態に陥り、顎関節症のリスクが高まりかねません。
睡眠不足
睡眠が不足すると、身体の回復力が低下してしまいます。そうすると顎の筋肉や関節も十分にリラックスできず、顎の痛みやこわばりが増す可能性があるでしょう。
顎関節症の予防方法5選
顎関節症は、日常の習慣や生活スタイルの改善によって予防できます。日常生活に取り入れることで予防効果が期待できる5つの方法を紹介します。これらの方法を実践することで、顎への負担を軽減しましょう。
①悪習慣の見直し
顎に負担をかける悪習慣を見直すことが予防の第一歩です。以下のような日常的な習慣を改善することで、顎関節へのストレスを減らせます。
歯ぎしりや食いしばりの改善
歯ぎしりや食いしばりは、顎関節症の主要な原因の一つ。これらの癖に気づいたら、深呼吸するなど意識的にリラックスを心がけましょう。睡眠中の歯ぎしりに関しては、歯科医院でマウスピースの装着を検討するのも有効です。
片側だけで噛む癖を直す
食事の際に片側だけで噛む習慣がある場合、バランスを意識して両側で均等に噛むよう心がけましょう。また、食べ物をよく噛むことで、顎に負担をかけずに食事ができます。
②ストレスの管理
ストレスは顎の緊張を引き起こし、顎関節症の悪化を招きます。そのため、日常生活でのストレス管理は予防の重要な要素です。 ヨガや瞑想、深呼吸などのリラクゼーション法や軽い運動、散歩を取り入れて、心身の緊張をほぐし、日常のストレスを軽減しながら顎関節の緊張を防ぎましょう。
③適切な姿勢を維持
姿勢が悪いと、首や肩の筋肉が緊張し、それが顎にも影響を及ぼすことがあります。日常生活で正しい姿勢を保つことが、顎関節症の予防に効果的です。 長時間のデスクワークやスマホの使用では、いつの間にか顎や首に負担をかける姿勢になってしまうことが多いです。 猫背になったり、頭の位置を前に出したりせずにすむよう、専用のスタンドなどを使用し、パソコンやスマホを目の高さに合わせるようにしましょう。
④顎関節のケア
顎関節のケアで、関節の健康を維持し、痛みを予防できます。毎日少しずつでも実行し、習慣化していきましょう。
顎のストレッチ
顎の筋肉をリラックスさせるために、軽いストレッチを取り入れましょう。口を大きく開ける・閉じる、顎を左右にゆっくり動かす、頭を前に倒して首の後ろを伸ばすなど、優しい運動で、顎だけでなく首と肩の筋肉を緩めると症状が改善していきます。
⑤食生活の改善
噛みやすさや栄養バランスを意識した食生活は、身体全体の健康にはもちろん、顎関節症予防にも重要です。
顎に負担のかからない素材や調理法を選ぶ
するめやナッツ、生のにんじん、フランスパンなど噛むのに時間がかかる固い食材や、大きく口を開けなければならないサイズの料理は、顎に過剰な負担をかけかねません。固い食材は予め細かくしておく、口に運ぶ前に一口サイズにしておくなどの工夫をしましょう。
栄養バランスを整える
カルシウムやマグネシウム、ビタミンDなど、骨や筋肉の健康を支える栄養素を意識的に摂取しましょう。バランスの取れた食事が、結果的に顎の関節や筋肉の健康維持に繋がります。
生活習慣の見直しをして顎関節症を防ごう!
顎関節症を防ぐためには、日常の生活習慣の見直しが鍵になります。 上記の予防法を日々の生活で少しずつ取り入れて、顎関節症を予防しましょう! また、顎関節症は歯の状態や噛み合わせの問題が原因となることが多いです。そのため、定期的に歯科検診を受けて、異変がないかチェックしましょう。 既に症状が現れている場合や、上記の予防法を試しても改善が見られない場合にも、放置せずに専門医に相談することをお勧めします。
▶具体的に何科を受診すれば良いかについては、次のコラムもご覧ください。 顎が痛い、ガクガク鳴る時の原因は?その他の症状と受診する診療科
筆者:seeker編集部