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【歯科医師インタビュー】もはや“白い歯“は身だしなみの一つに。新時代のホワイトニングケアとは?

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2020/09/17

ホワイトニング メリット デメリット
欧米では常識の歯のホワイトニング。日本でもケアの必要性が少しづつ浸透しつつあります。とはいえ、残念ながらまだ生活の一つまではなっておらず、一部の意識高い人が歯科医院で定期ケアしているだけなのが現状。ホワイトニングは見た目の美しさだけで、健康には関係ないからと思ってませんか? ホワイトニングも今や日々進化しており、美容観点だけではなく、虫歯や歯周病などの予防として重要な役割を担うようになってきているのです。
今回はホワイトニング専門医師である末光先生に、最新ホワイトニング事情からホームケア、気になる歯科医院選びのポイントまでインタビューしました。「ちょっとホワイトニングに興味あるかも」という方も、逆に「ホワイトニングなんて自分には関係ないし…」と思っている方も、目からウロコの情報が盛りだくさんなはず。必見です!
 
 
Q.ホワイトニングは以前より少しずつ身近になってきたものの、まだまだ一般的ではないのが現実です。実際に「歯のクリーニング?」ぐらいにしかイメージが湧かない方も多いかもしれません。ホワイトニングとは具体的にどのような施術なのでしょうか?
 
A.ホワイトニングには、『オフィスホワイトニング』と『ホームホワイトニング』の2種類があります。どちらも歯科医師の診断があって処置ができる医療行為になります。
『オフィスホワイトニング』は歯科医院で行うため、使用する薬剤もかなり強力で(分類的には劇物です)高濃度の過酸化水素を使用することになります。取り扱いを間違えると事故になってしまうため、歯科医師や歯科衛生士のみが取り扱うことが許されているものです。患者さんにとっては歯科医師や衛生士に任せられるのでとても楽ですし、すぐに白くなったという実感があり、とても楽しいと思います。
一方で使用する薬剤によって食事制限や痛みがでるケースもあったり、施術できる部分が限定されており奥歯や歯の裏側はできない、白い色も元に戻りやすいなどのデメリットがあります。
『ホームホワイトニング』は、マウスピースに薬剤を入れて、患者さん自身が家で行うものです。本人が行うために事故が起こるような強力な薬剤は使用できないため、安全性の高いマイルドなものを使います。
そのため回数、時間がとてもかかり、毎日2時間、2週間して、ようやく白くなったかなと実感する程度。色戻りはしにくく、自然な白さになりますがとても根気が必要なのです。しかも自分で行うため非常に面倒という難点があり、結果が出るのを待ちきれず途中でギブアップしてしまう方も。オフィスホワイトニングと比較して金額も安く、処置する範囲も限定なく親知らずまで全部できるので、完璧主義者には向いていますがまるで修行(笑)。どうしてもオフィスホワイトニングの方が楽だし、白さをすぐに実感できる楽しさがあります。
 
 
Q.修行…(笑)どちらも一長一短ありますが、ホームホワイトニングは、かなりストイックな方でないと完遂することは難しそうですね。ちなみに『セルフホワイトニング』というものも
耳にしますがホームホワイトニングとは別物なのでしょうか?
 
A.はい、全く別物ですね。ホームホワイトニングは、先ほどお話ししたように歯科医師が処方する効果効能が認められた医薬品を取り扱うことになります。しかしセルフホワイトニングの場合は医師が関与するわけではないので、強い薬剤が使用できません。
ホワイトニングは歯の漂白を行うものになりますが、セルフホワイトニングは歯の表面の着色を落とすクリーニング、つまり汚れ取りに近いです。主に酸化チタンという薬剤を使っており、オキシドール程度の過酸化水素を併用する場合もあるようですが、低濃度なので、歯の色が抜けるまではいきません。漂白効果は極々浅い部分になるため、歯の本来の色に戻す着色取りになります。歯の本来の色自体を漂白して白くするのは、やはりオフィスホワイトニングやホームホワイトニングになります。
 
 
Q.なるほど。ホワイトニングという名前が一緒なので同じ効能かと思ってしまいますが、全然違うものなのですね。先生はホワイトニングのみ専門になさっているのが非常に珍しいですが、どのような背景で歯科医師になり、専門を選ばれたのでしょうか?
 
A.私の実家は歯科医院ではない一般家庭で、歯に対する知識も乏しかったので幼い頃から乳歯が虫歯だらけで歯科医院にばかり通っていました。肝が座っていたのか恐怖心も全くなく、ユニット台で口を開けたまま寝てるような子で、診療室から出てくるときには先生に抱っこされながら来るという(笑) なので、その頃から歯のことは歯医者さん(歯科医院)という構図をしっかり認識していました。高校生になって自分の進路を考える時に、これといった目標もなかったのですが、医療系の仕事であれば人が生きている限り困る方もいてニーズがあるのではないかと興味を持ちました。
ちょうどそんな時期に歯科医院に定期検診に行っていて、担当の先生が歯の話だけではなく、唇や粘膜の話なんかもしてくれて、歯科っていうのは歯だけではなく口から全身を診ることができるんだとその奥深さに興味が湧いたのです。それを一つのきっかけにして歯学部を受験して進学することになりました。
 
 
Q.高校生の時の定期検診で、その先生からお話を聞けたのは運命ですね。
それで、どうしてホワイトニングを専門に?
 
A.歯の治療はインプラントや矯正など色々ありますが、ホワイトニングが最初に一番みんなが興味を持ちやすい分野だと思ったのが大きいですね。とにかく歯の予防を推進するためには、今後の入り口となるのがホワイトニングだと思ったのです。
私は歯学部に入学したときにすごいカルチャーショックを受けたんです。同級生が歯科医師の2世3世が多かったので、小さい頃から歯を大切にされていて虫歯の痛みなど知らずに育ってきている子ばかりだったので。一方、私は幼少期から虫歯だらけで、何でもっと予防できなかったのか、逆に虫歯は予防ができるものだったのかということを身をもって感じ、自分みたいな子をこれ以上作りたくないなと考えました。
そのためにTV番組や雑誌、CMなどで予防の啓蒙するという方法もありますが、実際は聞き手は、ふむふむと知識を得るだけで終わってしまうのがほとんどです。
今やらないと後でどんなことが起こってしまうのか、正しく認識されている方はあまりいません。歯の予防をすることは、マクロな視界で見ると、医療費削減や健康寿命を長くすることなど、良いことがたくさんあるので本気で取り組むべきなんですが、みんな歯科医院に行くのに腰が重い。TVや雑誌を見て動く人は感度が高いので、サポートせずとも勝手に動いてくれますが、どうやっても動かない人にどうやったら一歩を踏み出してもらえるのか、その方々が動きたくなる良い飴になるようなものはないかと考えたんです(笑)。
補綴(虫歯治療)だと施術が完了すると、もう予防のためには来院しないことが殆ど。継続的に来院してもらうにはなんだろうと考えた時にホワイトニングだったんです。そして、嫌々来るのではなくポジティブなアプローチをするために、効果が目に見えて楽しい!面白い!と思ってもらえるようなストーリーを考えたいと思いました。
自分の専門が補綴などだと、治療もそちらに引っ張ってしまいそうだったので、中立の立場での治療をするためにホワイトニング一本に絞ってしまいました。周りからはあまりの決断に、心臓に毛が生えている、なんて言われてましたね(笑)。実際に決意したのは一般歯科に勤務している時代で2009年ごろ。そのころは街の一般歯科に勤めていたので、歯がボロボロな人が来ることが多く、とにかく削ることばかりでした。心の中で、ごめんねと思いながら処置することが多く、もっと前に出会っていれば別の方法で治療できたのに…となんとも言えない気持ちでおりました。
予防の大事さをただ唱えるだけではダメなので、ホワイトニングを入り口にして歯をしっかりケアしていくことはこんなに楽しい!ということをポジティブに伝えながら予防を実現していこうと決意したんです。
 

Q.北風と太陽の“太陽“のようですね。きちんと歯をケアしないと痛い目に合ってしまうよという少し脅しのような北風アプローチではなく、歯をケアしていくことはこんなにも楽しく面白いんだという。ちなみに、学生時代はどんなことを専門にしていたのですか?
 
A.とにかく知識がないと色々なことが理解できないし、話すこともできないと思っていたので、麻酔、インプラントなど貪欲に様々な教室に入り浸って、保存治療なども見学したりしていました。自分の興味がある予防を極めるために、その当時は広く浅く知識を得ようと動いていましたね。その後、一般歯科で勤務していたのですが、院長が治療もオールマイティでいらっしゃったので、最後は自分がフォローするから矯正でもインプラントでも何でもやってみていいよ、と。普通はあまりないと思うのですが、1年目から矯正を任されていました。そんな頼もしく守備範囲の広い院長のもとで働けたので、どんどん経験値も上がり、治療の腕も磨くことができました。

Q.院長のもとで働きながら自分の方向性をはっきりと見つけ、経験をスピーディにどんどん積むことができたのですね。
少しホワイトニングの話に戻るのですが、日本と海外での差はありますか?
 
A.これは言わずもがなですが、歯に対する意識が違います。海外では、矯正は子供のうちから治療するのが当たり前で、大人になってからはホワイトニングを薬局で薬剤を購入して自分でケアします。しかし日本の場合は、本当は矯正をしたいのだけど高くて手が出ないから、まず見た目を良くするためにホワイトニングをするという大人の方が多いです。ホワイトニングも、とりあえず結婚式などのイベントのためにという方が多く、日常に溶け込んでいるわけではありません。海外だと法律の違いはあれど、自分の歯を自分でホワイトニングしてメンテナンスすることが日常のルーティーン。歯の白さ、歯並びはいいのが当たり前で、虫歯があるなんてあり得ないという世界です。日本ではホワイトニングに対するハードルが高く、やるために何か理由が必要だと思っている人が多い。何かするためには、理由が必要だという日本人特有の考え方が影響しているかもしれませんね。
 
 
Q.確かにホワイトニングを特別なものと捉えている傾向が強いと思います。もっと日常生活の中に組み込んでいくことが必要ですね。
ホワイトニング自体の変化や進化はありますか?
 
A.使用する薬剤の痛みの軽減や、歯の漂白効果は日々上がっています。また周辺機器である照射機自体の性能も上がっており、照射時間が短くなったりしています。
さらに薬剤も進化しています。私たちの歯科医院で導入しているのが『ポリリンホワイトニング』というものでして、他のホワイトニングとは若干違います。
従来のホワイトニングと比較して痛みが出にくく、施術中に眠っていらっしゃるぐらいです。
飲食制限も一切なく、直後からコーヒー、カレー、イカ墨なんでも食べられます(笑)
そして歯の表面の細かい傷を治したり、質を強くするという効果も期待できるので、歯を白くするだけではありません。虫歯や歯周病予防になるだけではなく、細菌がつきにくくなるので口臭予防にもなる多目的なホワイトニング剤です。まさにホワイトニング自体が予防にもなるという
私の求めていたものになります。
 
 
Q.歯の予防にもなりながら、白く美しくなるのは魅力的です。実際にホワイトニングする前にリスクについても知っておいた方がいいと思いますが、どんなことでしょうか。
 
A.一般的なホワイトニングには年齢制限があります。照射機の熱はとても高温なので、歯が薄く根が弱い乳歯や、根がまだ完成していない幼若永久歯の場合はまだ処置できません。
しかしポリリンホワイトニングは、体温に近い温度、38度〜40度までしか上げないので歯髄を火傷する心配もないために年齢制限はありません。
なので、ホワイトニングによって歯が白くなることでお口の中に既にある詰め物や被せ物との色が合わなくなってしまうということ位がデメリットですかね。
 

Q.そうなのですね。せっかくなら質の良いホワイトニングをしたいものですが、
歯科医院選びのポイントはありますか?
 
A.ホワイトニングの結果は確定事項ではなく、患者さんの歯の質によっても変わってしまうので
どうしてもやってみないとわからないことが多いのです。どれぐらい白くなるかは歯科医師も歯科衛生士も断言はできません。自費診療になるので、そういったところもしっかり説明してくれるかどうかは大事です。後は術前と術後の色確認をしっかりしてくれるのか?料金も「●●円〜」というような不明瞭な書き方ではなく、明確な料金をホームページ等に記載してあるか?ですね。
また先ほど述べたようにホワイトニングは結果が歯の質などによっても変わってくるので、丁寧に説明をしたとしても一定は患者さんにご満足いただけない場合もあります。そうした際にどう対処するのかの「対応力」も大切になります。なので、それなりにホワイトニングの件数をこなしているところしか、私自身もおすすめはできません。一般歯科だとホワイトニングをすすめないことがありますので、積極的にホワイトニングを行っている医院は自信があるという裏返しなので良いと思います。
 
Q.ありがとうございます。良い歯科医院を選んでも、合わせて自宅でのケアがきちんとできていないと意味がないですよね…。具体的にどんなことをすれば良いのでしょうか。
 
A.基本は歯磨きです。美しさも健康の裏打ちがあってこそ成り立ちます。まずは健康であることが第一なので、食後の歯磨きとフロッシングがとにかく重要です。「歯磨き粉は何を使えば良いですか?」という質問をされることがありますが、実際は使わなくても良いくらいなんです。歯ブラシでしっかりと汚れを擦り落とすことが何より大事。そのためにも歯ブラシには拘って欲しいなと思います。違う角度から汚れを落とせるように1日3回歯磨きをするならば、形の違う3本を用意していただきたいです。歯科医院の歯磨き指導などで、縦磨きとか横磨きとか教わると思うのですが、もともとの磨き方の癖もあるので、なかなか部位ごとに縦とか横とか角度を変えて難しいものです。私も毎日完璧にはできないので。歯ブラシを変えることで、物理的に当たりどころを変え、磨き残しを減らすことができます。電動歯ブラシの場合もヘッドを変えると大丈夫です。
もしお気に入りの形があってどうしても変えたくない場合は、毛の硬さを柔らかめ、硬めと変えるだけでも歯に対する当たり方が違ってきますので是非やってみてください。
また、歯ブラシはバイ菌を擦り落としているものなので、細菌がたくさんついています。
バイ菌は口の中以外でも生きることができるので、歯ブラシを使用後しっかり乾かすことが必要なのですが、これも3本の歯ブラシを使い分けることで間に24時間ほど時間が確保できますので、1本で日々の歯磨きを完結するよりも理想的な状態を保てます。


Q.お昼のランチなど外出用歯ブラシはすでに別だったりすることもあるので、朝と夜だけ使い分ければ1日3本の歯ブラシも実現できそうな気がします。
先生が思い描く、ホワイトニングの理想の未来を教えていただけますか。
 
A.ホワイトニングで虫歯予防や歯質も変えることは実現できてきたので、それ以外だと…ホワイトニングを施術する前の段階で患者さんの唾液や歯の質などからホワイトニングの結果を予測できるようになると計画をしっかり立てられるようになって良いですね。今現在ではホワイトニングの結果は確約できないので、結果を予測できるキッドなどがあったらお互いにとても安心することができると思います。
また料金も出来高制で、この結果になったらこの料金、のような仕組みができたら理想的ですよね。
 
 
Q.出来高!そのシステム、とても良いですね!
最後に皆さんへのメッセージをお願いいたします。
 
A.予防は大事だと思っている人は多いですが、実際に歯科医院に行っている人はわずか5%とも言われています。歯科医院は基本的には怖くない場所です。嫌な思いをしてきたり見てきた場所なので、どうしてもネガティブなイメージが付きまとってしまう。歯のクリーニングや定期検診など、外向けの理由ではなく自分が美しくなりたいから、などの気持ちで来ていただき楽しく通える場所になって欲しいです。また何でも相談できる場所としてより身近に感じていただきたいです。
よく赤ちゃんのいるお母さんから「いつから歯医者に行って良いんですか?」と質問されることがあるのですが、歯が生える前から来ていただいても良いのです。粘膜や唇なども全部見るので、産婦人科だとできないことも歯科医院で診れることが多い。口腔内のことであれば何でも気軽に歯科医師や歯科衛生士に聞いていただければと思います。
 
 
■取材した方
ミュゼホワイトニング
医療法人財団 匡仁会 理事長
歯科医師  末光妙子 氏
 
日本大学松戸歯学部附属病院勤務後、一般歯科医院にてインプラント・矯正を軸に診療を行う。2010年4月よりホワイトニング専門歯科医師として勤務。現在は医療法人財団 匡仁会の理事長を務めながら、ホワイトニングの技術や知識を全国の歯科医院に広める活動を行う。ホワイトニングのスペシャリストとして、お口のケア全般について幅広い知識があり、「必白仕事人」の異名を持つ。メディアにも多数出演。

・ミュゼホワイトニング特設ページ
https://seeker-dental.com/info/0537/

・恵比寿駅前デンタルクリニック
https://seeker-dental.com/dent/21176

・池袋駅前デンタルクリニック
https://seeker-dental.com/dent/16744

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