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2022/08/02

歯を抜かなくても矯正できる?どんな時に歯を抜くの?

「歯を抜く」といわれると、歯科の知識がなくとも躊躇するもの。むし歯はもちろん、歯列矯正でも歯を抜くことはしばしばありますが、「痛い?血が出る?」「むし歯ではない歯を抜くのは抵抗がある」と不安になります。

むし歯になってしまったのなら抜歯はやむをえないかもしれませんが、せめて矯正治療での抜歯は避けたい……。そんな風に考える人もいることでしょう。このコラムでは、苦手意識を持たれがちな抜歯について、考えてみましょう。


歯を抜かない矯正治療

まず歯を抜かずに矯正治療を行う場合、歯を失わずにすみますが、“口元に突出感が出るケースがある”というデメリットがあります。また歯を抜かずに行う矯正治療には、以下の方法があります。

  • 歯列全体を横や前にひろげる
  • 歯列全体を奥側に動かす
  • 歯の側面をほんの少し削る
  • しかし、お口の中のスペースを考慮せず歯列を広げてしまうと、歯槽骨から歯牙がはみ出して、悪くすると歯茎の退縮や歯を失うリスクを高めかねません。

    また、エナメル質を削る場合、削る度合いを的確にコントロールしないと、むし歯や歯が割れるなどのリスクを伴うこともあります。いずれの治療も、専門医の診断や正確な判断が必要ですが、正しく治療されれば必要以上にリスクを気にすることはありません。




    歯を抜く矯正治療

    歯を抜いて矯正治療を行う場合、歯を失うことになりますが下のようなメリットがあります。

  • 上下の歯並びや口元のバランスが良くなる
  • 多くの場合、外科手術なしで治療できる
  • しかし、歯を抜くことにデメリットがないわけではありません。当然ながら、歯の本数が減ってしまいます。できることなら歯を抜かずに治療した方が、生体的にも良いのは確かです。

    本来あるべき歯を抜いてしまうと、ものを噛む時やスポーツなどで力を入れる時に影響が出る恐れがあるため、噛み合わせはきちんと調整する必要があります。長い目で見て歯が少ないと、むし歯治療などで歯を抜かねばならない時に、治療法が限定されるリスクも考えられます。

    また、歯を抜くことで歯周組織には大きな負担をかけてしまいます。抜歯の際は、麻酔や痛み止めを使って痛みを緩和しますが、人によっては治療後に痛みを感じる人もいるでしょう。

    腫れについても同様です。歯を抜いたことで、歯茎には穴が開きます。通常、3週間前後でふさがりますが、気になって舌を穴に入れたり、食べ物が詰まったままにしたりすると、傷口の悪化や口内環境の悪化につながることがあります。歯を抜いた後のトラブルを避けるには、歯科医師や歯科衛生士から抜歯後のケアについてしっかり説明を受け、注意事項を守る必要があります。



    歯を抜くのは悪いことではない!その理由

    近年では、できる限り歯を抜かない選択をする傾向があり、歯を抜くこと自体がよくないことと考えられがちです。しかし矯正治療を目的に歯を抜くことは、悪いことではありません。歯を抜くことでお口の健康が守られるケースがあります。



    むし歯リスクを下げる

    そもそも、矯正治療はむし歯リスクを下げることにつながります。歯列矯正が必要なほど歯並びが悪い場合、全ての歯が生えていても噛み合っていないことがほとんどで、噛み合う歯には負担をかけていることになります。そのため、噛む力により歯が折れたり割れたりするのはもちろん、歯周病やむし歯になりやすくなります。

    適切な抜歯を行い、しっかり噛み合う歯が増えれば歯の負担を削減できるので、歯を抜いてでも歯列矯正をしてきれいな歯並びにした方が、歯を長く守ることにつながります。




    歯並びがきれいになることがある

    歯を抜くことで、歯を並べるスペースを確保できます。前述したような歯を抜かない矯正の場合、矯正できる範囲に限界があります。歯の大きさや骨格によっては口が閉じにくくなったり、矯正前よりも口元が突出したりすることがあります。

    アゴが小さい人やアゴに対して歯が大きい人は、歯が並ぶスペースが足りないせいで歯並びが悪くなります。歯を抜くことによって、歯とアゴのバランスを保ち、歯並びをきれいにするのです。



    治療が長引かない

    歯を抜かずに無理やり歯列を整えると、それが後戻りの原因になるケースもあります。再治療をするにあたり、結局抜歯が必要になる恐れもあり、時間も治療費も余分にかかってしまいます。




    歯を抜くか、抜かないか、何で判断する?

    歯を抜くか、抜かないかは、症状や患者の要望によって判断します。患者の話をもとにカウンセリングを行い、適切な診断をしてくれる歯科医師の存在が必要不可欠です。

    歯を抜くことは簡単な判断ではありませんが、それぞれのメリットとデメリットの説明をうけて、歯を抜くか抜かないかを決めましょう。中には、歯を抜くケース、抜かないケースの治療後の画像を、コンピュータ分析システムで予測してくれる歯科医院もあります。

    歯を抜くか、抜かないかは、今後のお口の健康を左右する重要な判断です。日頃からお口のメインテナンスを任せている歯科医院や信用できる歯科医院を持っておくことが必要なのです。



    →矯正治療が得意な歯科医院選びはこちらから



    筆者:seeker編集部

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