コラム>歯茎の腫れ、出血
2022/10/27
もしかして歯周病?こんな症状に要注意
歯周病とは、歯と歯ぐきの隙間から侵入した細菌が歯肉に炎症を引き起こし、歯を支える骨などが溶けてしまう病気で、歯を失う原因の一つと言われています。 痛みなどの自覚できる症状が現れない場合が多く、気付かないうちに進行する怖い病気ですが、初期の段階であれば歯磨きだけで改善することも多いため、気になる症状が現れたら早めに対策することが大切です。 そこで今回は、歯周病の初期症状や初期段階で改善するための予防法をご紹介します。
歯周病の初期症状とは
歯周病はむし歯と異なり、初期の段階では自覚できる症状が現れない場合が多く、痛みなどの自覚症状が現れるのは、歯周病がある程度進行してからです。そのため、歯周病の初期症状に気付かずに放置してしまう人も少なくありません。しかし、そのままにしておくと気付かないうちに進行し、歯肉からの出血などが起こった後、歯が自然に抜け落ちるほど重症化する場合もあります。 初期の段階では、歯と歯の周りを清潔にし、歯垢(プラーク)を取り除くことで症状を改善できる場合もあります。 少しでも異変を感じたり、次のような症状に当てはまったりする場合は早めに歯科医院を受診しましょう。
- ・歯磨きのときに出血する
- ・歯肉がときどき腫れる
- ・朝起きたときに、口の中がネバネバする
- ・口臭が気になる
- ・硬いものが噛みにくい
- ・歯肉が下がって、歯と歯の間にすきまができてきた
- ・歯がグラグラする
歯周病の原因
歯垢
歯周病に直接かかわっているのは、歯の表面に付着する歯垢(プラーク)です。歯垢は、むし歯菌が糖から作り出した白くネバネバした物質で、口の中の様々な細菌が歯垢に棲みつくことによって、細菌性の歯垢を形成します。歯に歯垢が残った状態であると、歯垢の中に棲みついている歯周病菌が増殖し、歯周病菌の毒素によって歯ぐきの炎症が起こり、歯周病につながります。
口内環境
口の中が不衛生であったり歯並びが悪かったり、歯垢がたまりやすい状態は歯周病の進行を促す原因となっている可能性があります。また、口呼吸で口の中が乾燥することで歯垢が付着しやすくなったり、歯ぐきの抵抗力が弱まったりすることで炎症が起こりやすくなります。
生活習慣
歯周病には生活習慣も影響します。睡眠不足やストレス、食生活の乱れが続くことで体の免疫力が低下し、歯周病が悪化しやすくなります。さらに、喫煙習慣や女性ホルモンのバランスの変化なども歯周病を悪化させる要因の一つと言われています。 また、歯ぎしりは歯の周りの組織に過度に負担がかかるため、歯周病を悪化させます。このように、日常的に癖になっている習慣にも歯周病を悪化させる危険性が潜んでいるのです。
歯周病を初期段階で改善するための予防法
歯磨きは丁寧に
歯周病の原因となる歯垢は、口の中が十分に清掃されていないと増えていきます。そのため、毎日丁寧な歯磨きをして口の中を清潔に保つことが、歯周病の予防になるのです。 何となく磨くのではなく、歯と歯ぐきの間など歯ブラシが届きづらい場所まで汚れを落とすことを意識して、磨き残しがないよう一本一本丁寧に磨くことを心がけましょう。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併せて使うとより効果的です。また、歯磨剤・洗口液を併用すると歯垢の付着を防止する効果も期待できます。
生活習慣の見直し
先述したとおり、歯周病の発症には、歯垢だけでなく睡眠不足やストレス、食生活の乱れ、喫煙などの生活習慣も影響しています。睡眠不足によって体の免疫力が低下することで、歯周病にも感染しやすくなります。さらに、睡眠不足はストレスの原因となり、ストレスは体にも悪影響を及ぼします。規則正しい生活や十分な睡眠、栄養バランスのとれた食事を摂取することを心がけ、疲れやストレスを溜めないようにすることが、結果的に歯周病予防につながります。 煙草を吸う人は、吸わない人に比べて歯周病に感染しやすく、歯周病の進行速度が上がります。喫煙することで血流が悪化し、歯ぐきに十分な栄養と酸素が行き渡らないうえに、歯ぐきの抵抗力が弱まり、細菌と戦う白血球が半減し免疫力が低下します。さらに、唾液の分泌が減ることで、歯垢や歯石が付着しやすくなります。禁煙をすることで、歯を支える組織の状態が良くなるため、歯周病のリスクが下がり、治療の効果が上がることが期待できるので喫煙習慣を見直すことも大切です。
▶歯周病予防に効果的な歯磨きや生活習慣についてはこちらのコラムをご覧ください
歯科医院で定期的にメインテナンス
丁寧な歯磨きを心がけていても毎日の歯磨きでは落としきれない歯垢があり、歯科医院で除去してもらう必要があります。また、歯石も歯磨きでは落とすことができないので、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けるようにしましょう。 歯周病は痛みなどの自覚症状が少ないため放置されがちですが、初期の段階であれば、毎日のセルフケアで元の健康な歯ぐきに改善することが可能です。定期的に歯科医院を受診し、歯ぐきの状態をチェックしてもらいましょう。
筆者:seeker編集部