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2025/02/21
歯肉炎の症状とは?早めのケアで歯茎の健康を守ろう!

歯肉炎は多くの人が知らず知らずのうちに経験している口腔トラブルの一つです。「最近、歯茎が腫れている気がする」「歯磨きの時に出血する」という症状に心当たりはありませんか?
この記事では、歯肉炎の症状や原因、治療方法、予防について解説していきます。
歯肉炎とは
歯肉炎は、早期に対処すれば改善が期待できますが、放置すると歯周炎へ進行する可能性が高まります。まずは、歯肉炎の基本的な情報を理解しましょう。
定義
歯肉炎とは、歯茎が赤く腫れている状態のことです。主に歯と歯茎の間にたまった汚れ(プラーク)が原因で起こります。プラークは、食べ物の残りカスや細菌が混ざり合った粘着性の物質です。
歯肉炎は初期の段階では痛みがなく、気づきにくいのが特徴ですが、放置すると様々な問題に発展する可能性があります。
症状
歯肉炎の主な症状は次の通りです。
これらの症状が現れた時は見逃さず、早めにケアすることが大切です。
原因
歯肉炎の主な原因は、歯と歯茎の間にたまるプラーク(歯垢)です。プラークは食べ物の残りや細菌が混ざって形成される物質で、放置すると細菌が増殖し、歯茎の炎症を引き起こします。
特に、不十分な歯磨きや間違った磨き方は、プラークが蓄積する原因になります。喫煙も歯茎の血行を悪くし、炎症を引き起こしやすくなるでしょう。さらに、妊娠や更年期などのホルモンバランスの変化により、歯茎が敏感になりやすい時期には注意が必要です。
ストレスや免疫力の低下は歯肉炎を悪化させる要因です。糖尿病を始めとする病気も歯茎の健康に影響を及ぼすリスクがあります。
放置した場合
歯肉炎をそのままにしておくと、歯茎の炎症が進み、歯周病の初期症状である歯周炎になることがあります。歯周炎は、歯を支える骨や組織を壊してしまい、重症化すると歯を失う可能性もあるため、注意が必要です。
歯周病が悪化すると心臓病や糖尿病のリスクが高まり、全身の健康にも悪影響を与えることが知られています。
▶歯周病については、こちらのコラムをご覧ください。 歯周病の初期症状と早期発見のポイント

歯肉炎の治療方法
ここでは歯科医院での主な治療方法について紹介します。
歯垢・歯石の除去
歯垢や歯石は歯茎の炎症や感染を促進させるため、除去するだけでも歯肉炎の症状が改善することがあります。
歯垢の場合はセルフケアで取り除ける場合もありますが、歯石に関しては超音波スケーラーや手用器具を使用しなければ除去はできません。
歯石を取り除き、炎症の根本原因を取り除くことで歯茎の自然な回復を促すことが可能です。
歯周ポケットのクリーニング
歯周ポケットが深い場合、歯科医師や歯科衛生士が超音波スケーラーや手用スケーラーを使用して、ポケット内のプラークや歯石を除去します。これにより、細菌の繁殖を抑え、歯茎の炎症を効果的に抑制できます。
また、必要に応じてポケット内を殺菌する処置を行い、炎症の再発に有効です。
薬の処方
ひどい炎症が見られる場合は、歯垢、歯石の除去や歯周ポケットのクリーニングと並行して、抗生物質や抗菌薬が処方されることがあります。
抗菌薬は、細菌の増殖を防ぎ、歯茎の炎症を和らげる効果があります。歯肉炎は細菌感染による炎症が原因であるため、抗生物質を使用することで感染源を取り除くことが可能です。
噛み合わせの調整
噛み合わせの問題が原因で歯茎に負担がかかる場合は、調整も有効です。噛み合わせが悪いと、特定の歯や歯茎に過度な力がかかり、歯茎が炎症を引き起こしやすくなります。
このような状態が続くと、炎症が慢性化し、歯肉炎が進行するリスクが高まります。

歯肉炎を予防するためのセルフケア
歯肉炎を防ぐには、毎日のセルフケアが欠かせません。正しいケアを行うことで、歯茎を健康に保ち、歯肉炎のリスクを大幅に減らすことができます。
歯磨き方法
柔らかい歯ブラシを使用し、歯茎と歯の境目を優しく磨くことが重要です。また、フロスや歯間ブラシを併用することで、歯と歯の間に溜まった汚れも効果的に除去できます。
これにより、歯茎の炎症を引き起こす原因を根本から取り除くことができます。
▶効果的な歯の磨き方については、こちらのコラムをご覧ください。 歯周病予防に効果的な歯磨きと生活習慣のポイント
口内洗浄液の使用
抗菌作用のある口内洗浄液を使用することで、口腔内の細菌数を減らし、プラークの形成を抑えることができます。歯ブラシだけでは清掃が難しい部位にもアプローチできるため、歯茎の健康維持に役立ちます。
また、これにより細菌感染のリスクを軽減し、炎症の発生を抑えることが期待されるでしょう。
生活習慣の改善
バランスの良い食事は、歯茎を健康に保つための重要な要素です。野菜や果物を積極的に摂取し、体内の抗酸化物質を増やすことで、炎症を防ぐ効果が期待できます。
さらに、定期的な運動や十分な睡眠は免疫力を高め、歯茎の自然な回復力をサポートします。禁煙は血流を改善し、歯茎への栄養供給を促進するため、歯肉炎予防に大きな効果があるでしょう。
生活習慣を整え、健康的な習慣を続けることは、歯肉炎のリスクを大幅に減らすことにつながります。

定期検診を行い、歯肉炎を早期発見・早期治療しよう
歯肉炎を早期発見し治療するためには、歯医者さんでの定期検診が欠かせません。半年に1回を目安に検診を受け、歯茎の状態をチェックしましょう。
これにより、歯肉炎やその他の口腔トラブルを未然に防ぎ、早期に対応できます。
筆者:seeker編集部